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未来の日本 異世界に転移する  作者: 青識or惣菊
3章 未来日本 新たなる大陸と遥か彼方の動乱

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3-33 第二次カロン銀河連合エルドル星系沖宙戦 01

間に合ええええ!!

艦橋に、再び命令が満ちていく。


一瞬前までの“静寂”は、ただの空白ではなかった。

それは――戦局が転換した証拠だった。


副官が戦術スクリーンを確認する。


「敵戦力密度、先程の源初光解放により大幅減衰!残存戦力、推定三割以下!」


航海長がすぐに補足する。


「敵指揮系統の信号が混線しています!統制、崩壊している可能性大!」


艦長は即座に言い放つ。


「ならば今叩く!今が最大の攻勢機会だ」


その言葉と同時に、全艦隊回線が開かれる。


「第4主力連合艦隊より全艦隊へ通達」


「これより本戦域は――反攻戦へ移行する!

負傷してる艦は後退しろ!」


短い沈黙のあと、各国から一斉に応答が返る。


「ドイツ艦隊、突撃陣形へ再編成!」


「アメリカ高速機動群、敵後背へ回り込み開始!」


「スウェーデン狙撃艦群、敵指揮残存艦を優先排除!」


そして――


「第4強襲艦隊および第37潜水艦隊、潜入位置より攻撃を開始せよ」


艦長の声が、低く、しかし確実に響いた。


「西部制圧作戦――発動」


第二次カロン銀河連合

エルドル星系沖宙戦

戦域:エルドル外縁宙域


カロン銀河連合側は、完全に不意を突かれていた。


彼らにとって地球圏艦隊は、三年間戦い続けてきた“既知の敵”だった。

だが、日本艦隊は違う。


未知。

観測不能。

規格外。


そして今、その“未知”が戦場そのものを書き換えた。


カロン側戦術網に、断続的な通信が飛び交う。


「第三波消失!消失だ!残骸すら残っていない!」


「指揮艦ゼータ、反応途絶!司令部とのリンクが切断!」


「空間歪曲を観測!あれは兵器なのか!?

くっ!」


だが、混乱は長く続かなかった。


すぐにカロン連合側の残存司令が命じる。


「全艦、分散しろ!密集は死を意味する!」


「長距離砲撃に移行!接近戦を避けろ!」


彼らは即座に戦術を変更する。


それが――彼らに出せる最大の英断だった。

だが、その判断よりも早く。


日本の潜航戦力が動いた。


カロン艦隊後背宙域


静寂。


そこには何も無いように見えた。


だが。


空間が、わずかに揺らぐ。


次の瞬間――


「第37潜水艦隊、全艦浮上!」


虚空から、影が現れる。


数十隻の宇宙潜航艦が、敵後背に同時出現した。


「魚雷、全門発射!」


光速近傍で加速された対艦弾頭が、カロン艦隊の後列へと突き刺さる。


爆発。


連鎖。


後衛補給艦、通信艦、指揮中継艦が次々と崩壊する。


「後背より攻撃!なんだ何処から来たんだ!!」


「潜航戦力だと!?そんな技術は観測されていない!」


混乱が、さらに増幅する。


同時刻


第4強襲艦隊 旗艦 重巡洋艦「羅臼」


「全艦突撃速度へ移行」


高速戦艦群が、一直線に敵戦線の裂け目へ突入する。


先ほど「伊勢」が開けた“空白”――


そこは今や、侵入口だった。


「目標、西部防衛ライン!敵拠点宙域まで一気に突破する!」


重装甲艦が先頭に立ち、後方から強襲揚陸艦が続く。


カロン側の防御線は、すでに再構築が間に合っていない。


「迎撃砲火、来ます!」


「構うな!突破優先しろ!

どうせ弾幕は薄い!」




そのまま、防衛ラインを物理的に押し破る。


エルドル星系西部宙域


そして――


戦線は、一気に崩れた。


ドイツ艦隊が前面から圧力をかけ、


アメリカ高速群が側面を裂き、


スウェーデン艦隊が指揮艦を精密に消す。


その裏側から、日本潜航艦隊が補給と通信、そして中枢を断ち、


中央を、日本主力が貫く。


完全な多層包囲殲滅陣形。


カロン銀河連合西部艦隊は、


戦術的にも、情報的にも、完全に孤立した。


艦橋――「伊勢」


戦術スクリーンを見つめながら、艦長が静かに言う。


「……崩れたな」


副官が頷く。


「はい。西部戦域、敵組織的抵抗を喪失。残存艦は散開逃走に移行しています」


「追撃は?」


「可能です。しかし――」


副官が言葉を選ぶ。


「本来任務は“帰還時間の確保”です」


一瞬の沈黙。


そして艦長は頷いた。


「いや…このまま戻られると次の戦闘で向こうがこちらを数で圧倒することになる…

最悪残存艦艇が次の艦隊と合流しより多くの数の艦で攻められると防衛線の一部を縮小せねばならなくなる」


通信を開く。


「全艦隊へ通達」


「西部戦域、制圧完了」


「これより我が艦隊は敵艦隊の追撃にあたる」


間に合った!!

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