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未来の日本 異世界に転移する  作者: 青識or惣菊
3章 未来日本 新たなる大陸と遥か彼方の動乱

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3-32 第一次カロン銀河連合エルドル星系沖宙戦 日本視点 終幕

書き始め本日5時11分

第四主力連合艦隊旗艦である超神弩級戦艦「伊勢」


「クッソ!被害はどれぐらいだ!」


「アメリカ駆逐艦の二隻が戦列を離れて後退している最中です!

ドイツは巡洋艦一隻が小破!

RAは全機残ってます!」


「直掩機をさらに上げろ!まだ弾幕張れるはずだ!

RA部隊の爆装を急がせろ!」


艦橋の空気は、張り詰めたまま一瞬たりとも緩まない。


超神弩級戦艦「伊勢」の戦術スクリーンには、無数の光点が交錯し、味方と敵の軌跡が複雑な幾何学模様を描いていた。


「直掩機、第二波発艦準備完了!」


「発艦急げ!対空防御網の密度を維持しろ!ドイツ前衛の上空に穴を開けるな!」


「了解!」


カタパルトが連続して唸りを上げる。


艦首甲板から、次々と戦闘機が射出され、光の尾を引きながら戦場へと散開していく。


「RA部隊、爆装完了率72%!残り三十秒で全機準備完了!」


「よし、全機出た瞬間に一斉突入させる!目標は敵中枢指揮と思われる艦にしろ!!」


副官がすぐに復唱する。


「RA全機、突入ベクトル統一!

突入後は分散爆撃、第二波の再編は行わず各個離脱!」


「敵艦に爆撃した後、なるべく味方艦が多い方に飛び込め!」





「敵第二波、距離三万に到達!」


「ドイツ巡洋群、前面シールド再展開中!耐久率63%!」


「アメリカ高速群、側面からの再突入を開始!」


通信が飛び交う。


各国艦隊はすでに完全に同期していた。


三年間の戦争で積み重ねてきた連携に、日本の新戦力が加わり、戦場は一つの巨大な生体のように動いている。


「主砲、再装填状況は?」


「第一から第四砲塔、装填完了。第五以降は冷却中、再起動まで三秒!」


「四門でいい!今すぐにでもアメリカのRA隊に向かってる艦を無力化させる!」


艦長はわずかに顎を引いた。


「射撃管制、敵密集域を再計算。ドイツ前衛の射線と干渉しないよう角度を修正しろ」


「了解、解算完了。発射解禁まで十秒」


その間にも、戦況は刻一刻と変化していく。


「敵高速突撃艦群、こちら左舷に侵入!」


「移動機銃隊20番から57番を迎撃に回せ!

飽和で押し潰す!」


無数のミサイルが発射される。


光の矢の群れが、敵艦隊へと雪崩れ込む。


同時に、ドイツ艦隊の重粒子砲が横薙ぎに敵前列を削り、スウェーデン艦隊の精密射撃が後方の指揮艦を一隻ずつ丁寧に消していく。


その中央で――


「伊勢」主砲、再び。


「発射用意!」


「撃て!」


四条の光が放たれる。


先ほどの八条に比べれば半減した火力。


それでもなお、戦場の密度を一瞬で抉り取るには十分だった。


敵艦群の中央部に、再び空白が生まれる。


だが。


「敵第三波、さらに後方から接近!」


「数、増えてます!三千……いや四千を突破!」


副官が歯を食いしばる。


「……来るな。だが予想通りだ」


艦長は静かに言う。


「奴らは物量で押し切るつもりだ。ならばこちらは――」


その視線が戦術スクリーンの奥を見据える。


「条約違反してでもぶち殺してやる…」


「全艦に通達!これより我、ベルリン宇宙条約で禁止されている

源初光(疑似ビックバン)」を発動すると…」


艦橋の空気が、凍りついた。


副官が一瞬だけ目を見開く。


「……艦長、それは――」


誰もが理解していた。


それは単なる“兵器”ではない。

空間そのものを歪ませ、物理法則の限界を押し広げる――

戦場という概念そのものを破壊する力。


だが。


戦況は、すでにその領域に踏み込んでいた。


スクリーンの向こうでは、敵第三波、第四波が雪崩のように押し寄せている。


味方前衛のシールドは減衰し、弾幕密度も限界に近い。


このままでは――


突破される。


それを、艦長は誰よりも正確に理解していた。


「記録に残せ」


低い声が、艦橋全体に落ちる。


「本決定は、戦域維持および地球圏本隊帰還の確実化を最優先とした戦術判断である」


通信士が、震える指でログ記録を開始する。


「各国艦隊へ通達」


回線が一斉に開く。


アメリカ、ドイツ、スウェーデン――そして日本艦隊全域へ。


「こちら第4主力連合艦隊旗艦『伊勢』」


一瞬の静寂。


そして。


「これより本艦は、源初光の封印解放を実施する」


通信の向こうで、息を呑む気配が走る。


だが、誰も止めない。


止められない。


「ドイツ艦隊は前面シールドを最大出力で維持。アメリカ高速群は離脱距離を取れ。

スウェーデン艦隊は射撃を一時停止後退せよ!」


即座に各国から応答が返る。


「了解、こちらドイツ艦隊、最大防御へ移行!」


「アメリカ機動群、離脱開始!」


「スウェーデン艦隊、観測モードへ!」


艦長は、最後に言った。


「……半径一万キロ圏内、全艦退避」


「カウント開始」


副官が叫ぶ。


「源初光、封印解除シーケンス開始!」


艦内の深部――


装甲のさらに奥、隔壁のさらに内側。


巨大な円環状の機関が、静かに回転を始める。


それは光ではない。


闇でもない。


存在する以前のエネルギーが、そこに収束していく。


「コア臨界点まであと30秒!」


艦体が、微かに軋む。


外部センサーが悲鳴を上げる。


周囲の空間に、わずかな歪みが生まれる。


星々の光が、ほんの僅かに曲がった。


「20秒!」


ドイツ艦隊のシールドが前面に壁のように展開される。


アメリカ高速群が全力で後退する。


スウェーデン艦隊の観測機器が限界まで感度を引き上げる。


敵カロン艦隊は――


その異常を、理解できていなかった。


だが、本能的な危機だけは感じ取っていた。


隊列が、わずかに乱れる。


突撃速度が、鈍る。


「10秒!」


艦橋の全員が、息を止める。


「5……4……3……2……1――」


副官が叫ぶ。


「源初光、封印解放!」


その瞬間。


「伊勢」の中心から、一点の白が放たれた。


それは閃光ですらない。


音も、衝撃も、最初は無い。


ただ――


空間が、そこに引き寄せられた。


次の瞬間。


膨張。


爆発ではない。


宇宙の誕生を縮小したような現象が、戦場の中央で発生した。


光が広がる。


空間が裂ける。


敵艦隊の先頭集団が、触れた瞬間に存在ごと消失する。


装甲も、シールドも、物質構造も関係ない。


そこにあったものすべてが、初期宇宙のエネルギーに飲み込まれ、情報レベルで分解されていく。


「……」


誰も、言葉を発せない。


広がる白の球体は、数千の敵艦を巻き込みながら膨張し、


そして――


限界点に達した瞬間、収束した。


残ったのは。


何もない空間。


敵艦隊の密集していた座標が、まるで最初から存在しなかったかのように、完全な空白となっていた。


「各艦は緊急点検を開始!

安全が確認され次第カロン銀河連合の領宙に潜入してる第4強襲艦隊と第37潜水艦隊

双璧部隊と共にカロン銀河連合の西部を制圧する!」

書き終わり5時40分

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