3-22 過去とは時に今よりも大事であるbyどこかの歴史家
ここまで修正は終わった!
ホールの沈黙を破ったのは、評議長でも軍司令でもなかった。
若い管制官の、かすれた声だった。
「……カロン外縁宙域、重力変動を確認」
一斉に視線が中央投影へ向く。
日本艦隊の背後、虚空が――歪んだ。
「何だ、あれは」
「照準です。
我々に向けた、完全な敵意……」
言い終わる前に、警報が鳴り響いた。
甲高く、無慈悲な音。
最高評議会・臨時中枢ホールを満たす、開戦を告げる音。
「……日本艦隊に対し、攻撃準備反応を確認!」
「カロン艦隊攻撃開始しました!!」
誰かが叫び、誰かが立ち上がり、誰かが罵声を上げた。
「貴方は何という事を!」
だが――遅い。
次の瞬間、中央投影に映し出された戦術表示が、赤に染まった。
「カロン艦隊より実弾反応!
主砲出力、想定最大値を超過!」
光が走る。
カロン側の艦列から放たれた粒子兵器が、宇宙を裂き、日本艦隊へ――
届かなかった。
「……?」
日本艦隊の前方、何もないはずの宙域で、攻撃が霧散した。
まるで、現実そのものが拒絶したかのように。
「攻撃が消失…!?
解析不能、物理法則が――」
その声を遮るように、別の管制官が叫ぶ。
「日本艦隊、反応あり!」
艦隊全体がカロン銀河連合に向けて標準を合わせていく。
同時刻 第3水雷戦隊 旗艦 川内 艦橋
「各艦に伝達!総員対艦戦闘用意!
主砲撃ち方用意!
RA部隊発艦急げ!」
艦長が次々と指示を出していく。
「待機している第3主力艦隊にも連絡しろ!」
艦橋にいる管制員たちが次々と指示と報告を出していく。
「シールドの耐久値一気に85%まで落ちました!」
「数的不利だとここまでこちらが一方的にやられるのか!」
「第1RA隊は直ちに発信せよ!外交が行われているエリアに向かえ!
外交官の救助を!
テラーズの艦には攻撃するな!
俺らの敵はカロンだけだ!
そっちに向かっている双璧の援護をしてくれ!」
「第3主力連合艦隊旗艦「草薙」より第3暗号伝達!明朝明け方波高し!」
現在日本国で使われている暗号は何種類か存在しており
明朝明け方波高しの意味はそちらに至急向かうとの事である。
「いきなりこっちに来るのか!さすがは草薙の艦長だな…
対応が早くて助かる!」
「駆逐艦卯月のシールドやぶられました!」
「皐月より伝達!魚雷的巡洋艦に直撃!敵艦の弾薬庫に誘爆し轟沈を確認!
したとの事です!」
「さすがだな!」
同時刻 第3主力艦隊 旗艦 「草薙」
「機関始動!目標、敵弩級戦艦!|対艦用近接装備草那藝之大刀起動!」
草薙の艦首に一本の大きな刃が現れる。
「最大戦速!全艦我に同期せよ!加速開始!」
次の瞬間、《草薙》は跳んだ。
ワープではない。
転移でもない。
加速に加速をかけさらに加速をこれを永遠とやり続けることによって光よりも4乗以上の速度で走っているのだ。
中央投影に映るカロン艦隊の艦影が、急速に拡大する。
「最大戦速から前進微速へ移行!主砲装填電磁速射砲装填開始!
目標数19隻!敵艦隊の側面から叩き込む!」
「各員衝撃に備えろ!加速中止!」
そう彼が言った瞬間カロン銀河連合のレーダーに現れた艦影その数27隻。
第3主力連合艦隊が到着した。
カロン遊撃第7連隊艦隊 第5戦隊 旗艦「イドル」
「新たに敵艦数現れました一隻がオリオン銀河星団地球カリフォルニア級モスクワ級とほぼ同系統です!」
「何!?ここと地球とでは正反対だぞ!?」
「敵艦発砲!」
「弩級戦艦ドルトム轟沈!軽巡洋艦アッシュ轟沈!敵駆逐艦群魚雷発射確認!
回避行動取ります!」
次の瞬間「イドル」の右舷に駆逐艦が放った12本の魚雷の内10本が命中
第3艦橋含む後部RA指揮所が全滅し第3主砲と共に機関が誘爆、航行能力と攻撃能力を失ったイドルは次に放たれた重巡洋艦「妙高」の主砲が直撃し轟沈した。
「これより指揮権を次席艦であるアルトマが受け継ぐ!」
そう言い切る前にアルトマは草薙による草那藝之大刀による突艦により真っ二つにへし折られ轟沈した。
指揮官がいなくなった駆逐艦や巡洋艦は必至の抵抗をするも全滅した。
爆発光が収まり、
戦域に残ったのは日本艦隊の航跡と、沈黙した宙域だけだった。
最高評議会・臨時中枢ホール。
誰もが、言葉を失っていた。
カロン外交官は、ゆっくりと椅子に腰を下ろす。
威圧のための姿勢ではない。
足が、震えていた。
その沈黙を破ったのは、
日本側通信士の低い声だった。
「……敵側、最後の通信傍受完了」
「内容を」
鷹宮が短く命じる。
「カロン遊撃第7連隊、最終戦闘ログより抜粋」
ホール中央に、音声が再生される。
『――敵艦、識別不能……否、照合一致……』
『オリオン銀河星団・地球文明圏』
『カリフォルニア級、モスクワ級と同系統……』
そこで、音声は途切れた。
一瞬。
本当に、一瞬だけ。
日本側代表団の空気が、凍り付いた。
誰も動かない。
誰も、呼吸を忘れたことに気づかない。
鷹宮は、ゆっくりと顔を上げた。
その視線が、
まっすぐに――カロン外交官を射抜く。
「……アメリカにロシア…ここでその国の都市の名を聞くとは…」
声は低い。
だが、先ほどまでの静けさとは質が違う。
問いではない。
確認でもない。
「もう一度、言ってください」
カロン外交官は、喉を鳴らした。
「……そんなものは存在しない」
「我々のデータベースには、類似設計の艦は――」
「ありえない」
鷹宮が、被せる。
「カリフォルニア級」
「モスクワ級」
一語一語、噛み締めるように。
「それは、我が国がかつて一緒に歴史歩んだ国々の艦級です」
ホールがざわめく。
テラーズ評議員の一人が、思わず声を漏らす。
「……歩んだ、国々?」
鷹宮は答えない。
ただ、カロン外交官だけを見る。
「貴方方は、知っているはずだ」
「地球という惑星を」
「我ら人類文明の発祥地を!」
カロン外交官の沈黙が、答えだった。
日本側の誰かが、絞り出すように呟く。
「聞きます」
「地球は、存在しているのか」
「カロン銀河連合は、地球文明圏を把握しているのか」
「我々と――」
一拍、置く。
「再び接触可能な距離に、あるのか」
その瞬間、
カロン外交官の“外交官としての仮面”が、完全に剥がれた。
「……答える義務はない」
「それは、連合最高機密だ」
「貴国のような新興文明に――」
「新興?」
鷹宮の声が、初めて明確に感情を帯びた。
「我々は、かつて地球にいた国です」
「5年前私達は地球から突如としてあの星に飛ばされたのだ」
「地球を追い求めその過程で、あなた方の銀河秩序に触れただけだ」
そして、はっきりと言う。
「地球の情報を隠す理由は何ですか」
声が、冷える。
「我々と同じように戦争をしているのですか?」
カロン外交官の指先が、机を強く掴む。
「……地球は」
その言葉を聞いた瞬間、
日本側の全員が、息を止めた。
「地球は――」
だが、続きを言う前に。
管制官の声が割り込む。
「……日本艦隊外縁、より広範囲にわたる統一通信観測」
「識別コード……解析中……」
数秒。
永遠のような沈黙。
「……コード、照合完了」
若い管制官が、震える声で言った。
「発信元、識別名――」
中央投影に、文字が浮かび上がる。
「地球です!中国第3遠洋艦隊からの伝達!」
「中国人民解放军海军第三远洋舰队致日本方面:能够再次与你们相遇,我们深感欣慰。
ホールが、完全に静まり返った。
「…もう一度会える事になるとは…」
ええ自分でも思っております。
なぜこんな状況が起きているのか自分でもよくわかりません。
中国語をAIに翻訳したのですが一応「中国軍第3遠洋艦隊より日本へ貴方方ともう一度会える事になるとは嬉しいな」と言っております。
多分…




