3-8 日本国民の日常
あけおめ!
クラウジス大陸・中央平原の王国――ヴェルディア王国。
王子ルシアンは重い病に倒れ、王宮の医療室は緊迫していた。
「王子が……容態が急変しています!!」
王宮医師たちが慌ただしく動く中、外部からの通信が鳴った。
『ヴェルディア王国王宮、こちら日本国医療支援チーム。王子の病状は理解しました。我々がこれより治療を受け継ぎます』
王国首相は驚愕し、振り返った。
「日本国……本当に支援を?」
『はい。即時移送を手配します。弊国の医療艦が到着次第、王子を安全に搬送します。』
数時間後、白銀の医療艦が王宮上空に姿を現す。
着陸甲板に王子が慎重に搬送される。
艦内。
艦長である中野みらは艦橋で報告を受けていた。
「王子の病状は?」
医療チーフがモニターを示す。
「この世界においては極めて危険なウイルス性疾患です。
まあ…私たちにとっては簡単に治せます。」
みらは顎に手を当てる。
「……よし、やろう。」
治療は緊張の連続だった。
王子ルシアンの呼吸が弱まるたび、艦内の空気が凍りつく。
医療班リーダーの声が低く響く。
「ナノマシン投与、開始!やべぇ!緊張してきた!」
微細な光が血管を駆け抜け、病巣を瞬時に標的修復する。
モニターには王子のバイタルサインが徐々に安定していく様子が映った。
「……心拍、安定しました!」
医療室に歓声が上がる。
「しゃぁぁ!!」
「よし!」
「うぇーい!」
日々医療部隊が喜んでいるころ日本国では…
日本・首都 東京 新宿。
高層都市の上空を、半透明の交通機械が滑るように行き交う。
地上は緑豊かな公園が広がり、都市の雑踏と自然が調和していた。
子供たちは笑い声をあげ、公園を遊びまわっている。
年配の人々は空中庭園でゆったりと散歩を楽しむ。
「おばあちゃん、このドローン、遠くまで飛ぶかな?」
小学生の声に、隣のベンチでお茶を飲む女性が微笑む。
「もちろんよ、操縦は君次第ね。」
家々の屋上には太陽光を集める透明パネルが整然と並び、家庭用ナノ浄水装置が常に新鮮な水を供給していた。
街の道路には電磁浮上式の車両が静かに流れ、人々はスマートデバイスで生活を管理する。
「今日の通勤はどうする?」
「空中ハイウェイの混雑もないから、いつも通りだよ。」
若者たちは互いのホログラム画面を見せ合い、文化交流の情報をリアルタイムで共有する。
通りすがりの女性が、子供の健康データをスマートウォッチで確認しながら言う。
「ナノセンサーが全部チェックしてくれるから安心ね。風邪なんて怖くない。」
「本当ねー」
核融合やそれらに準ずる発電方法が都市を支え、電力不足の心配はない。
街の夜景は、ネオンではなく、空中に浮かぶ清浄な光が柔らかく灯っていた。
カフェのテラスでは、若者たちがバーチャルホログラムで音楽演奏を楽しむ。
「この曲、Mytubeでも人気なの?」
「そう、空間演出もリアルだし。」
政治も住民参加型で、直接デジタル投票が日常化している。
日野大政首相は今も、宇宙の安全保障と国内の暮らしの両立を見守りながら、市民の声をリアルタイムで政策に反映させていた。
「日本は、戦うだけじゃない。守るだけじゃない。毎日の生活を豊かに、自由にすることもまた、国の責任だ。」
市民の誰もがそれを理解しており、都市全体に静かで確かな安心感が漂っていた。
夜になると、空中庭園や河川沿いのプロムナードに、幻想的な光が揺れる。
家族連れや友人同士が歩き、空を見上げれば、遥か上空に日本国宇宙艦の巡航灯が微かに瞬いているのが見える。
「見て、あの光……」
「宇宙艦? ああ、いつもの見回りね。平和だからこそ見られる光だね。」
戦争も魔物も過去の話。
未来の日本人は、平和の中で科学と自然、日常を楽しむ。
それが日本の、新しい日常だった。
そうこれが本当に彼らにとっての日常なのだ。
ちなみにログインしてなくてもコメント打てるので皆さんコメントください。
返信はしきれませんが全部見れてます!




