3-6 IMCN活動録
なーんも思いつかないからこんな風に本編に外伝みたいなものを入れるしかないっていうね…
あけおめ!
発生は未明だった。
南方大陸の国「ラマル共和国」沿岸部で、マグニチュード8.6の巨大地震が突然大地を揺るがした。
津波、崩落、火災。
通信は寸断。政府は即座に国際支援を要請したが、最初に反応したのは、やはり日本国――そしてその中でも、もっとも早かったのが IMCN だった。
赤色の警報が東京の医療統合センターに響き渡る。
当直していた隊員たちが管制室に駆け込むと、大画面にラマルの都市部が映し出された。煙が昇り、海岸線は激しく削られている。
「IMCN全隊、第一種即応態勢へ! 宇宙港に回せ、早急に!」
「了解! 艦艇「救快」、出航準備に入ります!」
宇宙医療艦「救快」
全てが医療支援の為に設計された艦内には、移動式手術室、ICU、感染症隔離区画、ドローン医療搬送システムまですべて揃っていた。
勿論医療大隊も配属されている。
救快には第3、第57、第79部隊が配属されている。
わずか発生から36分後、IMCNは離陸。
大災害史上、最速級の国際医療派遣である。
ラマルの空は黒煙に覆われていた。
救快が上空に到達すると、各国の救援隊がまだ来ていない中、IMCNの青い医療マークだけが異様に浮かび上がる。
「地表の放射状道路網はやられてるか…着陸ポイントは…
やはりここだけになるか…」
「よし、降下班は出る! ドローンドクター、先行投入!」
艦のハッチが開き、小型球体ドローンが数十機、雨のように降下していく。
それぞれが被災者の脈拍を探し、緊急度判断を行う。
「生存者反応、600名以上確認! 優先は北西地区、崩落住宅群!」
IMCN現地部隊の医師・看護師・救助隊は、89式救助車で瓦礫街に突入した。
炎の匂い、粉塵、叫び。
「こちらIMCN! 聞こえますか、誰か生存者は!」
「こっち! 息子が瓦礫の下に!」
すぐに救助隊がジャッキと振動カッターで瓦礫を切り開く。
医師がモニターを広げ、ドローンが示した“生命反応地点”を地図に表示した。
「まだ呼吸してる! 挟圧症候群の疑いあり、カルシウム投与準備!」
「了解! 輸液ライン確保します!」
母親が泣き崩れたその瞬間、救助隊が少年を引き上げた。
顔は傷だらけだったが、弱々しくも確かに息をしていた。
「助かった……本当に……ありがとう……!」
「まだいけます。もっと救える命があります!」
隊長の声は冷静だが、その奥に熱があった。
IMCNは広場に 救快を停泊させた。
15分で完成する、戦場用の最新医療基地だ。
内部では既に手術が始まっていた。
「メス。血圧低下、輸血パック追加!」
「はい、追加投与! 人工呼吸器、同期取りました!」
日本国内の病院とリアルタイムで連携し、外科の権威や麻酔科の名医が スクリーン越しに指示を出す。
夜になると気温が下がり、体力を失う被災者が増える。
IMCNは89式救助車から熱線投光器と防寒用フィールド幕を展開し、広域を暖めた。
避難民からはざわめきが起きる。
「あれ……暖かい……?」
「上に……船がいるのか?」
子どもたちが空を見上げる。
そこには大小さまざまな艦が浮かんでいた。
それは恐怖の象徴ではなく――希望の灯だった。




