2-17 終戦会議 中編 02
OK物語の修正が上手く出来始めた。
普段より半分以上短いそして見返しもしてない
さらに手ごたえもあまりない…
カーン六世は、わずかに沈黙した。
その沈黙は“知らなかった”者ではなく、“分かっているが受け入れられない”者の静けさだった。
長い息を吐き、王はゆっくりと日野首相へ視線を向ける。
「……日野。我は――日本国がなぜ我らの王族を連れ去ったのか、理解している。」
議場がわずかに揺れた。
「我が国がそなたらの民を攫い、殺し、侮辱した。
それが、そなたらにとって“国家の誇り”への刃であることも解っている。」
その声は震えていたが、真実を避けぬ者の重さがあった。
「だからこそ、そなたらが我が王子と娘を“確保”した意味も理解しているつもりだ。
日本国の本気を見せつけ、我らや世界に二度と同じ愚を犯させぬため――それもまた、国家の戦略だろう。」
日野は瞳を細めた。
王のその言葉は、逃げでも怒りでもなく、“覚悟の吐露”だった。
だが王の拳は震え、声は次の瞬間に激しく揺れる。
「……理解していようとも、許容できるものではない!理由を知っているからこそ、なおさら我が心は裂かれるのだ!」
杖が床を打ち鳴らし、音が議場全体に響いた。
「民の叫き、騎士の亡骸を見、そして……
我が血を、我が子らを他国の手に委ねねばならぬ屈辱を味わって――
それでもなお、我と我が国に沈黙しろと言うのか!」
王の怒りは、盲目の激情ではなかった。
“解っているのに、どうしても飲みこめない”痛みだった。
日野はゆっくりと席を立つ。
「理解してるなら話は早い。
お前らの行為は戦争行為であり、日本としては国民を守るために全ての手段を取った。」
王は目を閉じ、うなずく。
「……解っている。」
「その上でなお怒るのも、理解はする。
国民が死んだ。誇りが砕かれた。王族が拘束された。
お前にとって耐えがたいことだろう。」
日野の声は硬いが、冷酷ではない。
「だがな、カーン六世。
理解していようが、納得していようが、怒りがあろうが――」
日野は王を見据え、言い放つ。
「その怒りを、我々に向ける資格はお前には無い。」
議場に電撃のような沈黙が走る。
カーン六世はわずかに目を見開いた。
日野首相は続ける。
「拉致も、殺害も、侮辱も――最初に仕掛けたのはお前らだ。理由を理解しているなら、なおさら、“怒りの向け先”を間違えるな。」
王はしばらく口を開けず、ただ呼吸だけが微かに震えていた。
その表情には、悔しさと憎しみだけでなく、
“自分でも認めざるを得ない現実”を飲み込む王の苦悩が浮かんでいた。
本編にいきずまったから次の章の話を書き始めている。




