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未来の日本 異世界に転移する  作者: 惣菊
2章 未来日本 過去の友人そして新たな動乱

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59/61

2-17 終戦会議 中編 02

OK物語の修正が上手く出来始めた。


普段より半分以上短いそして見返しもしてない


さらに手ごたえもあまりない…

カーン六世は、わずかに沈黙した。

その沈黙は“知らなかった”者ではなく、“分かっているが受け入れられない”者の静けさだった。


長い息を吐き、王はゆっくりと日野首相へ視線を向ける。


「……日野。我は――日本国がなぜ我らの王族を連れ去ったのか、理解している。」


議場がわずかに揺れた。


「我が国がそなたらの民を攫い、殺し、侮辱した。

それが、そなたらにとって“国家の誇り”への刃であることも解っている。」


その声は震えていたが、真実を避けぬ者の重さがあった。


「だからこそ、そなたらが我が王子と娘を“確保”した意味も理解しているつもりだ。

日本国の本気を見せつけ、我らや世界に二度と同じ愚を犯させぬため――それもまた、国家の戦略だろう。」


日野は瞳を細めた。

王のその言葉は、逃げでも怒りでもなく、“覚悟の吐露”だった。


だが王の拳は震え、声は次の瞬間に激しく揺れる。


「……理解していようとも、許容できるものではない!理由を知っているからこそ、なおさら我が心は裂かれるのだ!」


杖が床を打ち鳴らし、音が議場全体に響いた。


「民の叫き、騎士の亡骸を見、そして……

我が血を、我が子らを他国の手に委ねねばならぬ屈辱を味わって――

それでもなお、我と我が国に沈黙しろと言うのか!」


王の怒りは、盲目の激情ではなかった。

“解っているのに、どうしても飲みこめない”痛みだった。


日野はゆっくりと席を立つ。


「理解してるなら話は早い。

お前らの行為は戦争行為であり、日本としては国民を守るために全ての手段を取った。」


王は目を閉じ、うなずく。


「……解っている。」


「その上でなお怒るのも、理解はする。

国民が死んだ。誇りが砕かれた。王族が拘束された。

お前にとって耐えがたいことだろう。」


日野の声は硬いが、冷酷ではない。


「だがな、カーン六世。

理解していようが、納得していようが、怒りがあろうが――」


日野は王を見据え、言い放つ。


「その怒りを、我々に向ける資格はお前には無い。」


議場に電撃のような沈黙が走る。


カーン六世はわずかに目を見開いた。


日野首相は続ける。


「拉致も、殺害も、侮辱も――最初に仕掛けたのはお前らだ。理由を理解しているなら、なおさら、“怒りの向け先”を間違えるな。」


王はしばらく口を開けず、ただ呼吸だけが微かに震えていた。


その表情には、悔しさと憎しみだけでなく、

“自分でも認めざるを得ない現実”を飲み込む王の苦悩が浮かんでいた。

本編にいきずまったから次の章の話を書き始めている。

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― 新着の感想 ―
なおさら追い詰められましたね。カーン六世。 こう言われては、怒りを向けるべき先は、おそらく一つしかない。 他に怒りを向けるようでは、さらなる恥さらし、恥の上塗りです。
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