2-13 しかるべき処遇 後編 02
最終調整すんでねえけどまあええか
凛の呼吸は荒く、ヘルムの内で小さな痙攣が走る。
一度は崩れかけた理性を努と学の声が引き戻したものの、胸の底で何かが折れたままであることを彼女は知っていた。
怒りは冷え切らず、心の傷は癒えていない。
「禍核、再度使用」
凛の声は震えない。
指は確実にパネルを叩き、もう一度封印解除の手続きが再び進む。
赤い警告が灯り、死神のような冥の色がまた黒紫に染まっていく。
空間の構造を引き裂く一撃が、再びこの世界を穿つ準備を整えている。
学が叫ぶ。
「凛、やめろ!
もうやめるんだって言ってるだろう!」
今回も言葉が届かない。
凛の世界は狭く、兄の笑顔だけがイメージだけが反芻されている。
どす黒い黒色の閃光。
空間に裂け目が走り、光が収束した。
それを見た努は、ためらいなく軌跡の全推力を引き出した。
彼のRAは百メートル級の巨躯の中でも最速な速度を誇る。
軌跡の名にふさわしい俊速で、天を切り裂く。
白色の閃光
光よりも早く機体のエネルギーを全て放出される軌跡だけが保有している唯一の最強にして誰も止める事が出来ない最速の方法
その名も極星光
自分のエネルギーを9割速度に費やし始めて繰り出せる最速の技…
それは次元を切り裂き別のエネルギーをその地に顕現させる。
禍核は物質を消滅させるなら極星光は物質を誕生させる。
軌跡は冥の右前方へと滑り込み、禍核の軌道と完全に交差する点を狙う。
弾けた。
禍核と軌跡の一撃が衝突した瞬間、空気が裂けるような音が鳴り、火花と残響が四方へ飛んだ。
一撃で禍核と極星光を破壊した。
禍核のエネルギーが散開し、熱と虚空の塊が霧散する。
冥の機体は衝撃を受けて一瞬揺らいだ。
だが凛の狙いは深かった。
彼女はその瞬間で油断させ余った利用し、別の封印兵器、地獄冥界を使うつもりだったのだ。
凛の目には、もはや躊躇がない。
だが軌跡はさらにその先を読んでいた。
左腕で極星光を使っていたから機体を回転、左足を軸にし右足で冥を蹴り飛ばす。
努は凛の真意を見抜いていた。
吹き飛んだ冥を追いかける様にそして隙を完全になくすために突進する。
彼は機体を鋭く加速させ、冥の腹部へと突進する。
黒い鋼と光の塊がぶつかる。軌跡の先端は冥の装甲を貫き、まるで針のようにコアへと食い込んでいった。
コアに触れた瞬間、冥の中で赤い鼓動が不協和音を立て、機体全体がひび割れるように震えた。
内部の警告が悲鳴のように鳴り続ける。凛の手が蠢く。
だが、努の一撃は深く、精密だった。
「努さん……!」
学が叫ぶ。
軌跡は更に深く、コアを貫き、稼働を断つために最後の衝撃を加えた。
冥のコアは、ゆっくりと、だが確実に回転を失い始める。
赤い脈動が弱まり、光がくすむ。やがて、心臓が止まるかのように――完全に沈黙した。
機体の動力が失われ、冥は制御を失って空中でぐらりと傾く。
凛のヘルムの中で、ようやく嗚咽が零れ落ちた。叫びにも似たその音は、機体から漏れる蒸気のように脆く消える。
海原のように広がる沈黙。爆音や閃光のあとに残る、深い静けさ。
努は無言でコアに押し込んだまま微かに肩を震わせた。
彼の一撃は、世界の破滅を一つ防いだ。だが、それは代償も伴う。
軌跡の先端には深い凹みが生じ、努の機体にも大きな損傷が刻まれていた。
凛はヘルム越しに努を見上げた。
涙と埃で彼の顔色は不明瞭だが、その瞳は確かに妹を見ていた。
「……ごめんなさい。私は……」
言葉が途切れる。努はゆっくりと首を振った。
「いいんだ…凛の役目は俺が引き継ぐ」
朧は冥の外装に寄り添いながら、低く呟いた。
「これで、止められた。だが、お前はこれから償わなければならない。戦はまだ終わらない。」
「こちら軌跡より連合艦隊へ、大至急冥を回収してくれ残りの制圧は私含めた第三波を動かせ、第一は撤退を開始させろ、まもなく第31高機動連隊が到着する。
皇太子や皇女を捕虜にとらえる優先5に設定」
英雄志望
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めちゃ読んでて楽しいから読んでほしい
インフルの時めちゃお世話になったから本当に読んでみてほしい
凄い読んでて楽しかった。




