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未来の日本 異世界に転移する  作者: 惣菊
2章 未来日本 過去の友人そして新たな動乱

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2-10 しかるべき処遇 前編

まって…AIに文章の誤字脱字確認させるのマジで良いんですけど…

作戦記録:D-1 第二報告書


提出者:第八八艦隊旗艦「長門」司令部

宛先:自衛隊統合本部/内閣直轄部局



時刻【05:32】


リ・カーン王国 王都シエルマリア上空 降下作戦開始


通信ログ記録開始。


リ・カーン王国──かつて大陸西部の覇を誇ったその国は、いま燃えていた。

夜空を裂く光条。黒煙の中、瓦礫と化した街並みを覆うのは、燃えさかる業火と、沈黙する人々の影。


「敵影多数! 北方防衛線、突破されました!」


「何だと……!? 第五防衛隊はどうした!」


司令室に響く報告。


各地から断片的に届く通信は、すでに意味を成していなかった。


王都セリウス上空、レーダーには一機の識別不能信号が映る。


『こちらRA焔暗。目標座標、確認。降下を開始する』


無機質な通信音。


次の瞬間、夜空が紅に染まる。


降下と同時に展開された重装ブレードが空気を裂き、衝撃波が地表を押し潰す。


王都の防衛部隊は慌てて高射砲を上げたが、照準を定めるより早く、根源的な暗闇が彼らの存在を許さなかった。


「撃てっ! 防空隊、全火器発射!」


指揮官の怒号とともに、榴弾が空を覆う。


だが、RA部隊はまるでそれを予知しているかのように、軽やかに回避する。


灰色の装甲に反射する砲火が、まるで踊る炎のようだった。


『……遅いな。まるで訓練の的だ』


その声とともに、RAの腕部から超高出力のプラズマランチャーが展開される。


閃光一閃。王都防衛本部の塔が沈黙する。


通信が途絶え、次に聞こえたのは、爆発と崩壊の連続音だけだった。


王都セリウスから北方へ逃れようとする難民の列。


そこに、RAの地上制圧部隊が展開する。


複数の機体が炎の中を進み、瓦礫の影に潜む兵士たちを無慈悲に駆逐していく。


その光景を遠くから見つめる少女がいた。


彼女の目に映るのは、かつての故郷ではない。


それは──鉄と炎に支配された、終末の世界だった。


そして彼女の眼は復讐と言う名の大義が刻まれた。


「騎士団長……防衛線、すべて突破されました!」


王宮地下壕に避難した騎士団長は、蒼白な顔で立ち尽くす。


「……リ・カーンは、滅ぶのか」


その言葉に誰も答えなかった。


外では、再び轟音が鳴り響く。


焔暗が王都の中心へと降り立つ。


まるで神の審判のように、静かに翼を広げた。


その姿を見上げる者はいない。


見る者すら、もう残されていなかった。


『こちら長門、全RA降下部隊に告ぐ。降下ルートC3を確保。

防衛網はレーダー上に三重展開。迎撃を想定せよ。』


『朧、了解。降下角度を-37度に変更。冥、煉獄、シンクロ開始。』


『冥、受領。防衛システム起動反応あり。敵魔導障壁、稼働率およそ87%。まさかアトランティスからもらったこれが役に立つとは…』


『煉獄より報告。敵の対空魔導砲、地表面から十六基反応――構わず突入する。』


空が裂けた。


三つの光が音を置き去りにして突入する。


RA御三家、戦闘領域へ。






王都防衛隊司令部 地下第二指令室


「全砲塔、魔力供給を最大出力! この都市を守れ!」


怒号が飛び交う。


しかし、各部隊からの応答は、雑音混じりに途切れ途切れだった。


地上で稼働する魔力供給塔の出力がすでに限界を迎えつつあり、魔力循環炉の共鳴音が低く不気味に唸る。


床が振動し、壁面に走る魔導紋が赤く点滅するたび、指令室の空気は焦げたような臭気に包まれていった。


「北東区の障壁、出力低下! 維持率三十八パーセント!」


「再接続を試みろ! 魔力導管を切り替えろ!」


だが、誰もがわかっていた。


――もう、繋ぎ止めるだけの余力は残されていないことを。


次の瞬間、空間をねじ曲げるような衝撃が三度続けざまに襲う。


床が波打ち、天井の照明が明滅した。


映像盤に映る地上の防衛線では、光と影が絡み合い、まるで空そのものが裂けているかのように見えた。


「敵、未知の兵装を使用!」


報告が上がる。


だが、観測士は首を振った。


彼の目は、まるで理解を拒むかのように震えていた。


「……違う、これは魔力じゃない……何か別の“理”だ」


その言葉に、司令官は息を呑む。


背筋を冷たい汗が伝う。


古代より積み上げられたこの世界の“理”を、今、外の何者かが無造作に塗り替えつつあった。


地上の魔導観測塔が次々と沈黙し、最後の映像が砂嵐のように掻き消える。


そして――空を覆う三つの閃光が現れた。


まるで天上から降り注ぐ審判の槍。


雲を突き破り、王都の空気を焼き裂く。


閃光の軌跡は、まっすぐに地表へと降り注ぎ、数秒後、世界が遅れて爆ぜた。


地鳴りが地下指令室を襲い、壁が崩れ、警報が鳴り響く。


魔力循環炉のコアが悲鳴を上げ、全ての計器が赤く染まる。


「……来るぞ、皆、伏せろ!」


誰かが叫んだ。


その直後、天井が崩れ、灼熱の風が吹き込んだ。


王都を覆う防壁陣は完全に崩壊し、


夜明け前の暗闇の中に、紅の光がゆっくりと舞い降りてきた――。



空が割れ、光が都市を洗うその瞬間、通信波が王都全域を貫いた。

一瞬、瓦礫の合間を走る電波がひずみ、そこから低く、しかし明瞭な声が流れ出す。


「我は煉獄……日本国自衛隊特務隊、御三家に所属している。貴様らに希望をやろう。降伏しろ。」


声は命令であり、宣告だった。


だがその後に続いた言葉は、宣告の冷たさの中に怒りと哀惜を含んでいた。


「知らぬのか?

この国に進出した日本企業が次々と放火に遭い、既に負傷者が出ている。ナイフで数度刺された者がいる。

口封じのために捕らえられ、火に投じられ殺された日本国民がいることも我々は知っている。

その場所が、王城の地下室であることもだ。」


通信室の空気が凍る。王都の防衛司令部でその波を受け取った者は、顔色を失った。

無線に割り込むように届いた言葉は、事実の告知であると同時に、復讐を正当化する理屈だった。


「だからだ。

もちろん、天皇陛下が侮蔑されたことも理由の一つだ。だが我らは本来守られるべき人が守られなかった。

せめてもの償いとして、我々は彼らをこの地獄から救い出す。

その為ならば、日本国は全てを賭ける。」


煉獄の声は揺るがなかった。

静かな怒りが、通信の波間に冷たく広がる。


王都の司令官は通信を握りしめ、反射的に応答を求めたが、返ってきたのは無線の静寂だけだった。


側面に置かれた情報盤に、班の意があった地下王城の構造図と複数のマーキングが赤く点滅しているのが見えた。

そこに示された座標は、煉獄が口にした地下室と一致していた。


王都側の幾人かは、瞬間的に動揺し、即座に反論を発した。


「それは捏造だ! 我が国はそんな行為をしていない!」


「証拠を示せ! 外交の場で議論すべきだ!」


だが…その声は煉獄に届くことは無く彼らは何もできなかった…

そして前線の通信は次第に途切れがちになり、各地の観測塔は徐々に沈黙していった。


彼らが出来たことは白旗を上げる事だけだった…

まって過去一の出来栄えなんですけど…去年から10回以上書き直してようやく出来たから当然なんですけどね…

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― 新着の感想 ―
なるほど、リ・カーン王国が滅ぼされるのには、別の理由が有ったのですか。 はたして、リ・カーン人の何%が生き残れるやら。
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