0−0 プロローグ 今に至るまでの歴史2032年から2100年
これが初めて書く小説なので大目に見てください!
2300年、日本は突如として異世界へ転移してしまった。
なぜこのような前代未聞の事態が起きたのか──
その背景には、約300年分の世界の激動が積み重なっていた。
2032年、第三次世界大戦が勃発。
この戦いでG7各国が参戦し、史上初となる先進国同士の核の撃ち合いが起こった。
結果、G7のうち5カ国が核攻撃を受け、
死者・行方不明者は1億200万人、
重軽傷者は10億人にも及んだ。
この衝撃により日本では憲法9条が揺らぎ、一部が変更された。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、先に攻撃されない限りこれを放棄し、
前項を達成するため最低限の戦力しか保持しない。
戦争の記憶がまだ生々しかったため、反対意見は比較的少なかった。
この出来事を受け、世界は新たに国際機関SHKを設立。
参加国は分断国家を含め196カ国に及んだ。
しかし、世界は荒れ果てた土地を復旧させる術を持たず、戦後には荒野だけが残った。
その影響で世界恐慌が発生し、日本でも大量の失業者が出ることとなった。
そして世界経済は10年経っても回復せず、「このままではいけない」と世界各国が判断。
核被害地帯を復旧させるための機関
NKNZが設立された。
最初は方法も分からず苦戦したが、さまざまな調査の末に復旧技術が確立され、少しずつ大地は蘇り始めた。
その他にも世界恐慌の状態を復興させる為に様々な人々、そして機関が手を取り合っていった。
これをきっかけに出生率も回復し、第三次ベビーブームが発生。
この年の出生数は第一次ベビーブームを大きく超える4000万人を記録した。
2065年7月2日、世界各国は
「第三次世界大戦による影響は無くなった」
と宣言し、この日は“世界平和の日”と定められた。
2070年、技術革新が起こり、電力消費を大幅に抑える新技術が誕生。
宇宙技術も飛躍的に進化し、日本からアメリカまで約3時間かかっていた飛行が、
わずか30分で到着できるまでになった。
2075年、火星移住プロジェクトが開始され、
その第一歩として人工太陽を作る計画が始まった。
しかし、計画は壁だらけだった。
・試作人工太陽が暴走し研究所を飲み込みかける
・実験失敗により半径3kmが吹き飛ぶ
などの事故が起きたが、幸いにも人命被害はゼロ。
この出来事は後に“太陽の奇跡”と呼ばれることになる。
2080年、ついに人工太陽が完成。
宇宙船と運搬装置も準備が整い、人工太陽は火星軌道へ設置された。
これにより、火星の気温を一定に保つことが可能となる。
同時期に進んでいたのが、火星の地表を“土”へと改良するプロジェクトだった。
こちらはNKNZで研究した「核被災地での植物栽培」の技術を応用できたため、人工太陽より早い3年で成功した。
2090年2月4日──
人類はついに初めて火星へ降り立つ。
最初に降り立った宇宙飛行士マーク・シールはこう語った。
「これからここに住む人たちがいると思うと、僕の一歩はすごく小さい。
でも、この一歩は僕にとっては大事な一歩だ。」
彼はその後も火星で活動し、2096年の帰還後に宇宙飛行士を引退。
著書『僕が見た火星』は一億部を記録し、その後開業した“宇宙パン屋”も現在まで人気である。
日本にも全国規模で展開している。
2094年、火星への移住が正式に始まった。
だがこの年の移住者は、地球人口100億200万人に対してたった5万人。
理由は主に二つだった。
・移住費100万円が自己負担だった
・「火星は危険」というデマが流れていた
翌2095年、政府が移住費を全額負担し、デマも消えつつあったことで状況は一変。
移住者数は前年度から大きく増え、100万人に達した。
そして2100年。
人類初となる宇宙戦艦が日本で誕生する。
戦艦名は《韋駄天》。
・速度は時速400億km
・核の直撃にも耐えるSD装甲
・レールガン、半径3000億kmを探知するレーダー搭載
・新型の無人機「鵺」などの発艦、着艦
当時としては圧倒的な性能を誇り、韋駄天は2150年まで現役で運用され続けた。
以下は韋駄天の建造計画書の一部である。
韋駄天の建造計画は、正式には「宇宙緊急対応統合戦術艦艇開発計画 第一号」として始動した。
地球における兵器体系の上位互換として計画されている。
以降は2200年に公開された韋駄天の建造計画の一部をもとに専門家が要約した文書の一つである。
文書には以下のような記述が残されている。
――韋駄天 建造理念(原文抜粋)――
「本艦は、単なる兵器にあらず。地球文明が宇宙に対して失われた時間を取り戻すための足である。
いずれ来るであろう惑星規模災害、異文明接触、未知エネルギー事象、
いずれに対しても“人類が生存し続ける権利”を行使するため、
本艦は戦艦であると同時に、盾であり、剣であり、翼であることを求められる。」
この理念は、後に技術者たちの間で「韋駄天三原則」と呼ばれ、本艦の開発思想を象徴するものとなった。
【機関・推進系】
本艦の速度時速400億kmは、従来航行技術の枠組みでは説明不能である。推進部には“多層重力反転場生成炉が搭載され、空間そのものの位相を滑らせるように移動する
という概念で設計されている。
この方式の採用により、
星系間移動が“時間換算で数分”
小惑星衝突への即応
敵対勢力への瞬間的威圧投射が可能となった。
【防御構造:SD装甲】
SD装甲は、重力偏向層と高密度金属結晶を多層化した“超重複合装甲”で、核弾頭の近距離直撃でさえ表面損傷レベルに留まる。
【兵装:レールガン】
三連式超電磁加速砲レールガンは、1発で山岳を蒸発させる出力を持ち、
距離150万km先の目標に着弾誤差±1m
という異常な精度を誇る。
砲塔内部には量子冷却機構が組み込まれ、発射後の再装填時間を従来の1/20に短縮した。これは戦時運用において“韋駄天の象徴”と呼ばれた性能である。
【探知:半径3000億kmレーダー】
この探知装置は、空間湾曲・重力波を複合解析し、惑星規模の行動を事前に把握する能力を持つ。これにより、韋駄天は単艦で“宙域の天候予報士”として機能し、民間宇宙航行の安全性向上にも大きく寄与した。
【艦載機:鵺】
韋駄天の戦術運用を支えたのが、全自律多目的無人機《鵺》。特徴は以下の通り。
AIによる完全自立戦闘
母艦との量子同期通信
物理・電磁全対応センサー
“帰還優先指令”による自動回収
“戻ってくる戦力”としての価値が極端に高く、損耗率は全運用期間を通じて2%未満であった。
【総評:2150年まで現役であった理由】
韋駄天は、建造時点で100年以上先の技術水準を見越して設計された稀有な軍事資産であり、2150年まで大規模改修もなく現役運用され続けた。
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