明日の世界はどうですか?
もう君は大丈夫ですか?なんて聞くもんじゃないね。
苦しかったねと共感することも。
きっと、君が欲しかった言葉じゃない。
羊の数を数えて眠った夜。
瞼を開けることが怖い朝。
今日もきっと世界はそこまで優しくないし、
昨日もそこまで優しくなんてなかった。
じゃあ、明日は?と考えてみたって。
そんな簡単に分かりゃしない。
明日は優しいかもしれないし、
そこまで優しくないのかもしれない。
もしかしたら、とても意地悪で。
また、自分を泣かせてくるかもしれない。
たぶん、君は「明日」が怖いし、
僕も結構「明日」が怖い。
別に、瞼を開ける必要はないんだ。
聞こえてくる音はうるさいエンジン音かもしれないし、
家族の怒鳴り声かもしれない。
その日は曇りで、朝日なんて見えないかもしれない。
でもさ、瞼を開けたって開けなくたって、
世界が絶対に優しいなんて言えないし、
絶対に意地悪だなんて言えないんだよ。
だからさ。
「今日も世界はそこまで優しくなかった」って。
今日は言えるのか、試してみるのもいいと思うんだ。
僕も今日、イマイチだったかなって。
君に慰めてほしいんだ。
そうやって僕たちは「大丈夫?」の代わりに、
「今日の世界はどうですか?」と。
きっと、誰かに聞くんだろう。