6話
はずだった。どうやら身分証みたいなものがなく、無いと生きていけないらしい。
いや、実際2年間で苦労したことないんだけど。
5歳児で取得できる身分証がないらしく、どうしたらいいのかわからないらしい。
そりゃ5歳児でその辺の魔物が出てくるところで生きている方がおかしいだろうからな。
しかし、ここにいても食事はないし、物も買えない。
魔物を出せば即刻殺されるであろう。
やばい、どうしよう。ここには何か無いのだろうか。
また牢屋に戻ってきた。
またおっさんが話しかけてくる。うるさい。
そういえば、冒険者とかそういうやつあるのかな?できるだけ色々な場所を巡りたい。そして女の子と結婚をしたい。
「そういえば冒険者なんて職業ある?」
「それはあるが、5歳児で冒険者なんて聞いたことないぞ」
「聞いたことがないだけで、やろうと思えばできる?」
「今聞いてこよう」
なんか聞き分けがいい。無罪だからかな。扱いが子供扱いになっている。
相変わらずおっさんがうるさいが無視をして経てる。
―
「ついてこい」
言われた通りついて行く。
「この人が冒険者ギルド長だ」
ペコリと頭を下げる。
「話は通じるようだな。引き取ろう。ついて来たまえ」
なんか白髪で白髭のおじさんに手を引かれ、ついて行く。
どうやら目の前にある小屋みたいなところがギルドなのか。明らかに人がいる気配はない。普通の家だった。
「ここがお前の住む家だ」
どうやら一軒家が手に入ったらしい。埃やカビが生えまくっているがスライムに食べさせれば問題ないだろう。
また手を引かれ、おじさんについて行く。
歩いて1分もしないうちにデカい建物に着く。
扉が開き、中に入っていく。
「ここが冒険者ギルドだ」
色々説明をされる。
身分証の発行に仕事の話、どうやら俺はここで見習いとして働くらしい。とてもいやだ。
身分証が発行され、俺は逃げ出した。と思ったのも束の間。おじさんに捕まえられた。