5話
どうやら牢屋にぶち込まれ、上の人の話を待つようだ。
5歳児、牢屋…なんで?
他の牢屋を見てもどう見たって5歳児以下の人は見ない。下劣そうなおっさんしかいない。
どうやら珍しいらしくさっきからずっと話しかけられているが、ずっと目を合わせず、無視を決めている。そのうち飽きるで
あろう。なんかここ臭い。
横になって時間が経つのを待つ。だってやることないし。
どうやってここから出れるんだろう。
目を瞑って眠る。
「おい、出ろ」
呼ばれたのでトコトコついて行く。
そこには綺麗なお嬢さんがいた。
何故かこっちに向かってくる。これはあれだ、死んだ人に似ててとても愛おしく見えて抱きしめてくれるに違いない。大き
く手を広げようと下が手錠で思うように動かない。もどかしい。でも抱きしめてくれるならこれもあ…
思いっきり平手打ちをくらった。やっぱり人生そんなに甘くはない。
そしてヒールで頭を踏みつけられる。嬉しいはずなんだけど痛い方が上回る。でもこれ逆らっちゃいかんやつだと思い、
上を見上げる。あ白。
今度は蹴られた。こういう場所にスカートぶら下げて来るんじゃないよ。
一通り終わった後で話を聞いた。どうやらこの服はこの娘の弟が1年前旅行中に殺されたらしい時に来ていた服らしい。
それをこのイケメンである俺が図々しく来ていたから頭に血が昇ったらしい。
八つ当たりにも程がる。
「どうしてあなたがその服を着ているの?」
ほらきた、この課題。どう答えても詰みな気がする。
「わからない…」
「どういうこと?なんであ・な・た・がその服を着ているの?」
「これは貰い物。知らないやつがくれた」
嘘は言っていない。人間とは明言せず、魔物とも明言しない。
「それが通じると思って?」
「通じるも何も…わからない」
「…どうやら嘘はついてないようね」
「うん」
手錠が外される。どうやら釈明が済んだようだ。
「目の前で手が吹っ飛ぶと思ったのに。嘘じゃないなんて…」肩を落とし、部屋を出ていく。
どうやら嘘をつくと手錠が爆破し、腕及び色々なものが飛び散るらしい。通りで部屋に色々黒い斑点がついている訳だ。嘘は良くない。これ絶対。堂々と俺も外に出る。