2話
俺は百道。どうやら桃太郎の代わりに鬼を退治するらしい。
でも何故だろう。周りは敵だらけ。
しかも3歳児とふざけた場所に生まれた。
だがしかし、俺は転生した。そう言うやつは大抵強い能力を持っているはず。
自分の体を見る。裸に団子の袋を持っているだけ。
詰んだ。無理ゲー。あいつどんだけ適当なんだよー!
心の中で叫んでも何も変わらない。
無事俺は捕まった!木に括り付けられ、どうやらご飯にされるらしい。
でもどうしてだろう?スライムに、ゴブリンと桃太郎には出てこないような魔物ばかりである。
もしかして、俺間違えられて転生しちゃった系?それとも描かれてないだけで桃太郎には出ていたのだろうか?
―
「あれ、なんであいつ捕まってるの?」
「なんでってお前が転生させたんだろ?」
「…ミスった」
「またかお前はぁぁぁぁぁぁぁあぁっぁ!」
「どうせすぐ死んでくるから次は間違えないようにするヨォ!」
「あの世界は魔物が多くて危険なところなのに」
「知ったこっちゃないね」
「だからお前のせいだろうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
―
俺は今頗る冷静である。何故だろう。これから3歳児の灼熱地獄の丸焼きができるはずなのに心は波紋ひとつたっていない。
前菜に俺が持っていた団子を食っている。
もしあれが伝説のきび団子であればあれで魔物も飼育できるのではないかと思ったのだ。
そういえば、あれって動物だけど魔物にも効くのか?あれ?これって不味くね?
急にめっちゃ動揺が起こる。そもそも食い物で釣られる魔物だったらこうして人間と敵対しないんじゃね?あ、食べ終わ
ってこっちくる。しかも走ってくる。これ、不味くて怒ったやつ?あ、死んだ。
瞑った目を開く。
なぜか、動かない。ゴブリンは何故か膝をついてる。
これ、成功じゃね?
「お前ら、俺の仲間?」
ゴブリンが頷く。
「やったぜ!」スッポンポンで木に結えられながら喜ぶ3歳児。