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第一話「素材屋【サクラ雑貨店】~西の大陸の異変~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

今回から、第四章に入ります!

どうぞ、よろしくお願いいたします!!

 「あれが、マーヴィンさんたちがやっているお店?」


 「ああ、なかなかいい感じの店じゃないか」


 僕と桜とユキちゃん、そしてヴィルヘルミーナさんの4人は、ブラオベーレの王都に開いた、マーヴィンさんたちが経営している素材屋にやってきた。


 白色を基調とする、お洒落な感じの建物の入り口には、大きな木の看板がかかっており、そこには【素材・雑貨 サクラ雑貨店】と書かれてあった。


 「・・・サクラ雑貨店か。いい名前じゃないか」


 「桜の名前からとったんだっけ?」


 「・・・ちょっと恥ずかしいけどね」


 「あーーーっ!サクラ様ぁーっ!!来てくれたんですねーーー!!」


 お店から、エプロンをつけたカーミラちゃんが、満面の笑顔を浮かべて、手を振りながら走ってきた。

 そして、桜に向かって一直線に突き進み、胸の中に飛び込んでいく。


 「おっと、いきなり飛び出して来たら危ないって、言ったでしょう?」


 「えへへへ♥サクラ様が来てくれたから、嬉しくて、飛び出しちゃったのです!!」


 「開店おめでとうございます。これ、お祝いのお菓子とお酒を持ってきたよ」


 「ありがとうございます!フォグライトさんはお昼ご飯で休憩しているので、休憩室にどうぞ!カーミラが、案内するのです!!」


 そういって、グイグイと桜の手を取り、引っ張っていくカーミラちゃん。

 本当に桜が大好きなんだな~。桜も面倒見がいいから、カーミラちゃんが転ばないように、気を配っているみたいだし。


 「・・・なるほど、サクラは、ああいう感情をストレートに表現するアプローチが効果的なのか。よし、それなら、今晩は彼がお風呂に入っているところに、すっぽんぽんで勢いよく突撃して押し倒して、あーんなことやこーんなこと、そして、これまたものすごいことまでしちゃえば、サクラもボクにメロメロになることは間違いないね!」


 ーこの間、男湯を覗いて、トーマとサクラに洗面器を投げつけられたことを、もう忘れたのか?-


 「あれはボクだけじゃないもん。ビビちゃんや、団長、アイリス君だってやっていたじゃないか」


 当然その後、覗きをやった4バカカルテットは、脱衣場で正座させて説教したのだが、どうやら懲りてないらしい。


 「男湯を覗いたり、すっぽんぽんで乱入したりするのはやめてください!心臓に悪いですから!」


 あれをやられたときには、本当にエライ目に遭ったんですから!

 いきなり、ヴィルヘルミーナさんの生まれたままの姿を見せつけられて、興奮して、鼻血が止まらなくなり、そのままぶっ倒れたんですからね!?


 -あの時、ずっと、股間を痛そうに、ずっと手で抑えていたが、大丈夫だったのか?-


 「・・・ほう、トーマ君もやっぱりそういうのに、興味があるんだねぇ♥ちゃんと男の子な所もあるじゃないかぁ♥」


 ユキちゃん、そういうことは聞かないで!!

 この変態王子が聞きつけて、何か、良からぬことを考えているからぁっ!


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 店内は清潔感のある、クラシックな雰囲気の内装だった。


 棚には、錬金術で使われる素材が、綺麗に整理されて並んでいる。

 本棚には、錬金術のマニュアルや、ジャンルごとに錬成するアイテムの作り方を記した本が何冊も並んでおり、店内では、錬金術師と思われる白衣を着込んだ人たちが何人か、買い物を楽しんでいた。


 カフェのようなスペースも設けられており、ラムアさんやフォグライトさんが調合した紅茶やハーブティー、日替わりのケーキがいただくこともできるらしく、ケーキとお茶を楽しみながら、楽しそうにおしゃべりに花を咲かせているお客さんの姿もあった。


 「これはこれはトーマ様、ユキ様、ヴィルヘルミーナ様。ようこそ、サクラ雑貨店へ!」


 店番をしていたマーヴィンさんが、人のよさそうな笑みを浮かべて、出迎えてくれた。


 「開店おめでとうございます!」


 「どうもありがとうございます。今後とも、よろしくお願いいたします」


 「落ち着いていて、いい雰囲気のお店ですね。今度、仲間たちも連れてきますよ」


 「ええ、お待ちしております」


 「そういえば、桜はどちらに?」


 「サクラ様でしたら、奥の休憩室に行かれましたよ。ご案内いたしましょう」


 そういって、マーヴィンさんが案内してくれた。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 「・・・なるほどね。そりゃ、確かに、ちょっとおかしいな」


 「ええ、あの国に関してはあまりいい話は聞かないのですが、わたくしには、どうしても腑に落ちない所がありましてね・・・」


 部屋に通されると、桜とフォグライトさんがソファーに座って、向かい合って、何か難しい顔を浮かべて話し合っている最中だった。


 「失礼します。あれ、もしかして、お話の邪魔しちゃったかな?」


 「・・・いや、そんなことはないよ。ていうか、斗真たちにも、ちょっと聞いてもらいたい話があるんだけど、いいかな?」


 何だろう?


 ふかふかのソファーに座り、ラムアさんがハーブの爽やかな香りを漂わせるハーブティーを運んできてくれた。僕たちはハーブティーを飲みながら、フォグライトさんの話を聞くことにした。


 「・・・橙の大陸コアントローにある、【占星術の国アムレット】という国があるのですが、そこの国王陛下が王妃との婚約を破棄して、側室の公爵令嬢を新しいお妃として迎え入れることになったのです。何でもその理由が『真実の愛に目覚めた』とかいう、にわかには信じがたい理由のようでして・・・」


 はい?何ですか、それは?


 僕は思わずズッコケそうになった。

 ちょっと待て待て、それって、マジでシャレにならないヤツじゃないですか!

 

 「アムレットの王宮に出入りしている商人からの情報なんだ。王宮内には、正式に婚約を発表するまではかん口令を敷いていたみたいだけど、商人っていうのは、そういう情報っていうものを聞きつけるのが上手くてね。それに、王宮内では人目もはばからず、国王は側室の公爵令嬢と仲睦まじい姿を、臣下や貴族たちにもわざわざ見せつけるように、アピールしているみたいなんだよ」


 「その側室のご令嬢って、年はどのぐらいなの?」


 「国王陛下の実の娘である第一王女と、同い年ぐらいの女性らしいよ?」


 「はい、アウト!その国の王様、マジでバカですね!!つーか、気持ち悪い!!」


 ちょっと待てや。


 一国の王様が、親子ほどの年の差がある女性に対して、真実の愛に目覚めたとか、訳の分からないことを言い出して、王妃との婚約を破棄して、新しいお妃として迎え入れようとしているって、メチャクチャにも程があるだろう!?


 そんなこと、一般人の間でも大問題になるっていうのに、ましてや、それをやらかしたのが国王とか、その国、マジでヤバいな!!


 「・・・その上、王妃と第一王女の王位継承権をはく奪されたばかりか、彼女たちが、極秘裏に王国の転覆を図ったとかいう証拠が見つかったらしくて、彼女たちは罪人として、捕らえられたとかいう情報まで飛び交っているらしいんだよ」


 「私は、あの王妃様がそのようなことをされるとは、到底思えないのですよ。王妃様は、雨期になると川の水が増水して、度々水害に悩まされていたアムレットを救うために、自腹で水道を引くための工事を行い、それによって、アムレットでは水害に悩まされることもなくなり、貴重な水の確保と治水の対策に尽力された、素晴らしいお方なのです」


 「交易にも力を入れていて、コルピ豆の流通を世界中に広げようと、世界各地に営業をかけておられたようです。第一王女もそんな王妃様に付き添って、外交や交易、政治の勉強に余念のない、聡明なお方だと伺っております」


 おいおい、そこまで国のために尽力してくれた王妃様と第一王女を、真実の愛を見つけたとかいう理由であっさり切り捨てるとか、その国王、どうしようもないだろう!?


 というか、これ、国王が自分よりも優秀な王妃様に嫉妬して、王妃様に憧れて勉学に励む娘のことも面白くなくて、側室の小娘に誑かされた挙句に、言われるがままに、王妃様と第一王女を追い出したと考えるのが・・・普通だよね?


 「あの、国王陛下って、何か政策とか、国益に関して、何か実績を挙げているんですか?」


 「そういう話は聞きませんね」


 「むしろ、ここ最近、オアシスの水源を独占して、貴重な水を独り占めしたり、国の護衛をしている騎士団たちに対して、手配する武器や防具の質が悪くなったという話を耳にしました。現在の国王陛下のやり方には、不満を抱く方が多いようです。平民、貴族問わずで」


 「他国から、高価な嗜好品や、美術品を、次から次へと購入されているようですわ。国王の横暴な振る舞いに、昔から仕えてきた忠臣たちが必死になって、目を覚ますようにと言い聞かせているようですが、国王陛下は聞き入れないようで・・・」


 あー、これ、テンプレ通りの、転落人生まっしぐらというヤツですか。

 まあ、そんないい年こいて、国王としての立場も忘れて、若い娘さんとイチャイチャすることしか考えられなくなったオッサンがどうなるかなんて、火を見るよりも明らかだよね。


 王妃様や第一王女がどうなったのか、気になるけど・・・。


 「でもまあ、これ、うちらが首を突っ込めるような話じゃないよね」


 「さすがにそうだよね。まあ、ボクとしては、そんな修羅場にわざわざ首を突っ込んで、巻き込まれるというのは、賛成できないなあ」


 桜と、ヴィルヘルミーナさんはどうやらアムレットの騒ぎには、関わるつもりはないらしい。


 もう、国が滅亡するなり、王の人生が破滅するなり、お好きにどうぞといった感じだ。


 まあ、僕もそうだけどさ。


 アムレットに関する依頼でもない限り、こんなドロドロとした修羅場になんか、関わりたくない。


 どこをどう考えても、僕たちが得をするものが、一つもないからね。


 「クロス王国と親交があった国だから、もしかしたら良からぬことを考えているのかもしれないって思ったけど、噂がもし全部真実だったら、クロス王国に協力する余裕なんてないだろうし、クロスもこんな状態のアムレットに何かを頼む込まなければならないとしたら、相当追い詰められているってことじゃないかな?まあ、アムレットも、ここでクロスと親交を続けるようなら、魔王軍にも目をつけられるだろうし・・・」


 「ここで、魔王軍にまで敵に回したら、間違いなく滅亡一択だもんね」


 「まあ、俺たちが特に心配するようなことではないだろうね」


 「・・・しかし、王妃様と第一王女様のことが気になりますな。あのお方たちが、国家転覆をされるとは、とても思えないのですが」


 「それについても、王妃様の実家がさすがに黙ってないんじゃないかな。うちの娘と孫が、どれだけ、この国に尽力してきたにも関わらず、国家転覆とはどういうことだ、とかね」


 そう言って、この話は締めくくった。


 しかし僕たちは、まさかアムレットが僕たちの想像を斜め上をぶっちぎる、とんでもない行動に出るとは、この時には夢にも思っていなかったのだ。 

斗真たちは、この段階ではまだ噂が真実かどうか分からないため、そんなヤバそうな国とは関わりたくないという気持ちが強いです。しかし、次の話で、アムレットが斗真たちに対して、とんでもないことをやらかし、その結果【彩虹の戦乙女】を大激怒させます。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 今度は橙の大陸コアントローですか 砂漠だから暑さがハンパないかも あれ?確か、この大陸の砂漠のどこかに最後の仲間 【強欲】のオリヴィア・オズボーンがいるとなると… もしかしたらこの章でバラバ…
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