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第八話「激流の渾沌、登場~霧海の奇術師~」

12万PVもいただき、本当にありがとうございます!!

これからも頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします!!


いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます。

新作が書きあがりましたので、投稿いたします。

 「・・・どうしてオレはあの時、グーを出さなかったんだよ。グーを出していればトーマと一緒になれたのに」


 「・・・・・・神は死んだ」


 「二人ともそんなに落ち込まないでくれよ。君たちには、この麗しの王子、ヴィルヘルミーナがいるだろう?もしトーマ君に会えなくて寂しくなったら、いつでもボクの胸の中に飛び込んでくるといい」


 「・・・・・・黙れ色ボケ、つーか×ね、今すぐに×ね、毒の沼にハマって×ね、毒キノコを食べて×ね」


 「・・・フッ、今日も今日とて、ビビアナちゃんの愛情が胸に突き刺さるよ。グスン」


 斗真たちと二手に分かれて、まずは付近の探索と桜の手掛かりを探すことになった。


 そして、全神経を全集中させて行われたチーム決めのグー・パーの結果、このようなチームになった。


 Aチーム(パーチーム):レベッカ・ヴィルヘルミーナ・ビビアナ


 Bチーム(グーチーム):斗真・アイリス・グリゼルダ


 ユキは鬼島の見張りとしてテントに残った。


 「・・・しかし、すげえ霧だな。エルフ族の匂いを頼りに歩いていても、油断していたらすぐに迷っちまうぜ」


 「・・・・・・団長が道に迷うなんて、もういつものことだから、別に驚くようなことじゃない」


 「まあ、何かあった時には、トーマ君たちのところにすぐに行けるように、アイリス君が転送装置をくれたからね。これがあれば迷うことはないよ」


 そんな雑談をしながら歩いていた時・・・。


 レベッカの足が急に止まった。


 「・・・それで、いつまでオレたちのことを、覗いているつもりだ?」


 「あまり感心しないねえ、こんな霧に覆われた森の中で、女の子を物色するのは」


 「・・・・・・お前が言えるか」






 「・・・おやおや、これは私としたことが。気配を消していたつもりでしたが、お気づきでしたか」






 藤色の霧からぼうっと、まるで幽霊のように、一人の女性がレベッカたちの前に現れた。


 背中まで伸ばした青色のロングヘアー、眼鏡をかけている知性的で落ち着いた雰囲気の端正な顔立ち、そして豊満な乳房がこぼれ落ちそうになるほどに大きく胸元が開いた服の上から、青色のロングコートを羽織っている学者のような装いをした女性だった。


 お尻からは青くてふさふさとした毛並みの尻尾を生やし、手には透き通るような水色の刃を持つ薙刀のような武器を持っていた。


 「テメェ、魔族だな。それも、かなりの強い魔力を持っていやがる。何者だ?」


 「うふふふ、お褒めにあずかり光栄ですわ。私の名前は【渾沌コントン】。ヴィネ軍の四天王の一人を任されています。どうぞよろしくお願いいたします」


 一見人好きのする穏やかな笑みを浮かべているが、その瞳はあくまでも笑ってなどなく、レベッカたちに鋭く冷たい殺意と侮蔑に満ちた視線を放っている。


 「ヴィネ軍?確か、ベアトリクス様たちと敵対している家だったよね?」


 「そのヴィネ軍のお偉いさんが、オレたちに何の用だよ?」


 「・・・ええ、単刀直入に申し上げますと、貴方たちにこれ以上、この森の奥に土足で踏み込まれてしまっては困りますので、どうかお引き取りいただけませんか?」


 「ふーん、つまり、この先に行けば、この気持ち悪い霧に関する何かがあるってわけかい」


 「そんな話を聞いたら、ますます、その先に行ってみたくなるものだねぇ。生憎ここにいるのは、右を向けと言われれば左を向く、ひねくれ者たちばかりでね?」


 「・・・そうですか。残念ですよ、私も出来れば、無駄な戦いは避けたかったのですが、聞き入れてもらえないというのならば仕方がありませんね」


 渾沌の目が開き、周囲の空気が一瞬で変わった。

 

 周囲を覆っていた霧がさらに色が濃くなり、まるで意思を持っているかのように、レベッカたちの周囲を覆い尽くしていく。さっきまで通ってきた道さえも見えなくなり、霧の中から、ズルリズルリと引きずるような音を立てて、何体もの異形が姿を見せた。


 アルラウネだ。


 上半身は美しい女性の姿をしているが、皮膚は緑色で、豊満な乳房や、艶のある肌からは甘い蜜の汗を垂らしている。そして下半身が巨大な花弁を持つ花となっており、いくつもの根が絡み合って、足のように器用に動かして歩いている。


 「貴方たちにはここで、アルラウネたちの養分となってもらいましょうか。ヴィネ軍四天王が一人【激流の渾沌】が作り出した、この霧の牢獄からは決して逃げられないわ。覚悟しなさい!」


 「はぁ、悩むねぇ。あんなに可愛い女の子だったら、一晩だけの、熱いひと時を過ごしてもいいんだけど、今のボクはトーマ君に恋する一人の乙女なのさ。だから、悪いけど倒すね」


 「戦闘開始だ!」


 いうが早いか、ヴィルヘルミーナがカットラスを構えると、目にも止まらない速さで駆け出した。


 「・・・歌舞音曲、風魔法、疾風の乱舞(カプリチオ)


 カットラスでアルラウネの身体を切りつける。


 そして、長い脚を振り上げて、隣のアルラウネの頭部に強烈な蹴りを繰り出して吹き飛ばした。


 アルラウネが攻撃を繰り出す前に、相手の勢いを利用して懐に潜り込み、肘を急所にめり込ませてから、のけぞったところで剣の刃で切りつける。


 まるで優雅に踊っているかのような、無駄な動きがない、流麗な攻めを次々と繰り出す。


 しかし、そこで彼女は違和感を感じた。


 (おかしい)


 切ったはずのアルラウネが、目の前で切られた部分がビデオの逆再生でもしているかのように、元通りに繋がっていく。


 (切った部分が元通りに・・・!?)


 アルラウネはニヤリと笑うと、手から鋭くとがった枝の触手を、ヴィルヘルミーナ目掛けて放った。


 「ヴィルヘルミーナ、どいて!」


 後ろからビビアナの声が聞こえてきた。


 その場から素早く下がると、ヴィルヘルミーナのすぐ近くを猛烈な吹雪が吹きつけていく。


 地面が凍り、無数の氷の棘を生やしながら一直線に放たれた吹雪を浴びて、アルラウネが凍り付いた。


 しかし、凍り付いたはずのアルラウネが目の前で塵のようになって消えてしまった。


 「・・・・・・消えた?どういうことだ?」


 困惑するビビアナの背後に、今さっき目の前で消えたはずのアルラウネが現れて、彼女に向かって太いツルを鞭のように振るった。ビビアナが乗り込んでいるパワードスーツの巨体に叩きつけて、パワードスーツごとビビアナが上空に舞い上がった。


 「・・・・・・まずい!」


 「ビビちゃん!!」


 「・・・・・・ナメるな、このぐらい、どうってことない!」


 両手でハンドルを強く握りしめて、何とかギリギリで態勢を直して着地することに成功する。


 しかし、殴られた部分は凹んでおり、バチバチっと魔力の回路が一部損傷しているため、青い火花が迸る。


 「クソッ、コイツらどうなってんだ!?さっきから、いくら燃やしても、斬っても、すぐに元通りになっちまう!!」


 レベッカも苦戦していた。


 炎を纏った大剣を構えて、歯を食いしばり、じりじりと迫ってくる不死の異形を睨みつける。


 しかし、その瞳には困惑と焦りの色が浮かんでいた。


 植物系の魔物にとって大敵ともいえる炎を受けて、灰になって崩れ落ちたはずの彼女たちの身体が、目の前で元通りになっていく異常な光景に、さすがのレベッカも肝を冷やしていた。


 「無駄ですよ。私の作り出したこの【霧海牢獄(ニブルヘイム)】は、全ての攻撃を無力化させる。貴方たちは抵抗も虚しく、アルラウネたちの養分となって、ここで死ぬのですよ。噂に聞いていた【七人の獣騎士】も大したことはなかったようですね」


 木の上に座って、渾沌が嘲るような笑みを浮かべていた。


 自分の策略に嵌まり、無駄な抵抗を繰り返した挙句に、無様に死んでいく。


 そういったことに、彼女は快楽に近い喜びと圧倒的な征服感を感じるサディスティックな性格だ。


 「・・・・・・どんな噂か知らないけど、情報収集はもっとやっておくべきだったね」


 ビビアナがつぶやくと、彼女の背中の水色の熊の紋章が輝きだした。

 それを見たレベッカとヴィルヘルミーナは、ビビアナが乗り込んでいるパワードスーツの後部座席に詰め込むようにして乗り込んだ。


 「おい、あれをやるのか?」


 「・・・・・・この霧が魔力で作られているものなら、これを使えば、何とか切り抜ける事が出来るかもしれない」


 「・・・分かった。あとは任せておきたまえ。ビビちゃん、頼んだよ!」


 「・・・・・・了解!」


 背中の熊の紋章がさらに強く輝きだし、ビビアナの眠たげな水色の目がカッと開かれた。


 絶対零度の超吹雪を操る、極寒の守護獣。


 あらゆるものを凍り付かせて【怠惰】が支配する眠りの世界に引きずり込む。


 




 「氷肌玉骨・氷魔法・氷鬼の蹂躙(ランペイジ)・・・!」






 ビビアナが乗り込んでいるパワードスーツの目が光り出し、彼女たちが乗り込んでいるコクピットがシャッターで閉ざされた。


 ビビアナの頭がガクリと大きく落ちると、鼻ちょうちんを膨らませて、寝息を立てて寝始めた。


 「・・・ぐー、ぐー・・・」


 パワードスーツの腕が6本飛び出して、それぞれの手には大剣、斧、棘付きの鉄球、鋭い刃を持つ円盤、チェーンソー、金棒が装備されている。


 「・・・さあ、こうなったらもう止められねえぞ」


 「ある意味、世界一無責任で世界一恐ろしい戦闘兵器だからね」


 ビビアナに刻まれた【怠惰】の罪のように、こうなったらビビアナは深い眠りについているため、敵をどんな形で殲滅し、惨たらしく倒そうとも、相手がいくら泣いて許しを乞いても、聞き入れることはない。


 責任を感じることもない。


 ビビアナがこれをやる時には、レベッカたちは避難するか、もしくは今のように後部座席に乗り込んで難を逃れるのだ。

 

 ただ【怠惰】に、パワードスーツに入力した命令の通りに、機械的に相手を倒すだけ。


 敵を全て倒すまで、もしくは、ビビアナが起きるまではこの鬼の暴走は止まらない。


次回、渾沌の魔法の仕掛けが明らかになります。

そして、斗真たちの前に、6人目の仲間が登場します!


ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

次回もよろしくお願いいたします!!

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