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第四話「ジャングル探索用の服を作りました!~裁縫師としての腕の見せ所です~」

本日二回目の投稿をいたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

東京でコロナウイルスの被害が猛威を振るっていますが、どうか皆さまお身体にはお気を付け下さいませ。

 「・・・実はシャルトリューズの森にはエルフが住んでいるんだけど、霧が発生している辺りの集落に住んでいるエルフっていうのが、昔、レベッカたちと盛大に揉めたことがあるのよ」


 当時のことを思い出して、ベリス姉さまが深くため息をついた。眉間にしわを寄せているあたり、何か気に入らないことがあったらしい。


 「大アネキたちと揉めた?何かあったんですか?」


 「はい。実は【七人の獣騎士】には回復術士を務めていた【アレクシア・アッシュクロフト】様という方がいたのですが、彼女はこの集落の出身だったのです。しかし、強い魔力を持っていることからエルフたちからのやっかみを買ってしまい、モルボル退治のクエストを受けている途中に仲間の裏切りに遭って命を落としかけたことがあったのです。そこへ、たまたま【キラーヴァイン】という植物の魔物を討伐にやってきたレベッカ様たちに助けられたことがあったのです」


 「・・・それでパーティーの仲間に不意打ちを食らって動けなくなり、モルボルにあと一歩のところで食い殺されそうになっていたって言う話を聞いてレベッカたちが見事にブチ切れてね。アレクシアを連れて集落に怒鳴り込んだのよ。ところが、そこの里長って言うのがもうとにかく性格が最悪だったらしくてね」


 ベリス姉さまの話によると、彼らは大アネキたちが他種族であるという理由だけで、自分たちの里に土足で踏み込むなど言語道断だと怒り狂い、アレクシアの話をしても「所詮魔力が強いというだけしか能がない、他人を立てるということも知らない礼儀知らずの不届き者などどうなろうが知ったことではない!」ととんでもないことを言ったらしい。何でもそのパーティーの中には里長の娘もいたらしく、娘がそんなことをするはずがないと一点張り、証拠を突き付けても「よそ者は出ていけ!」と聞く耳を持たなかったらしい。


 -やはりか。シャルトリューズの森に住むエルフの中には他の種族はもちろん、同じエルフ同士でも魔力があるかないかという下らない価値観だけでしか見る事が出来ない、基本的に他人を信用しない傲慢な連中がいると言う話は聞いたことがあるが、どうやらその連中らしいな。もはや古の時代から脈々と受け継がれてきている洗脳ともいえる教育によって、一方的に他種族や同じ種族であっても気に入らないものは排除することを厭わない思想が根付いているらしい。-


 「その通りよ。その集落のエルフたちの過剰なまでの他種族に対する蔑視はもはや憎悪ともいえるほどの凄まじいものになっていてね、他の集落のエルフたちがついていけなくなって彼らから次第に離れていき、今では孤立している状態になっているのよ」


 「うわー、何て言うかもうメチャクチャだ」


 どれだけプライドが高くなればそこまで救いようのない状態になるのさ!?


 「まあ、最後はアレクシアが盛大にお礼参りをしたんだけどね」


 「里長や幹部たちが全員入院しましたからねえ。全治一年の大怪我をされて」


 「・・・はい?」


 「レベッカたちでさえもアレクシアの暴れっぷりにはビビッて凍り付いたらしい。満面の笑顔で本来回復用に使う杖で里長たちをボッコボコに殴り飛ばしていく姿は今でもトラウマになっているみたいでね」


 「・・・レベッカ様よりも、憤怒の大罪が似合うお方かと思われたとか」


 ちょっと待ってください、大アネキたちでさえもビビるほどの暴れっぷりってどれだけ凄まじいんですか、そのアレクシアという人は!?


 「まあ、とにかくそういう連中が巻き込まれてひどい目に遭っているだけなら正直ざまぁって感じなんだけど、森に入った人が全て行方不明になるって言う事案は放っておくことが出来ない状態でね」


 「なるほど、そういうことなんですね。分かりました、僕も森の探索において役に立つ道具や衣類を作って大アネキたちの役に立てるように頑張ります」


 そこで、僕は今後の冒険に備えて作っておいた新しいアイテムを見せることにした。


 「これ、ジャングルや森林を探検する時に使えるかなって思って作ってみたんですけど、見てもらえますか?」


 僕が試作品が入った箱を開けると、中には【レンジャー作業用カバーオール】【レンジャーブーツ】【キマイラのグローブ】【カメレオンハット】【四次元ウエストポーチ付きベルト】【結界付きミニテント】が詰め込まれている。


 「こ、これを全部トーマちゃんが作ったの!?」


 「ユキちゃんの体毛を使って作ってみたんです。今後、森林や危険な場所で仕事をするときに役に立てるかなって思って・・・」


 そんな話をしていると、ドアが開いてボロボロになった大アネキたちが目を輝かせて飛び込んできた。


 「トーマの新しい魔道具だとっ!?オレたちにも見せて!」


 まず、僕は【レンジャー作業用カバーオール】について説明をする。


 「このカバーオールにはユキちゃんの【山羊】の力が含まれていて、着ているだけで体力と魔力を少しずつ回復していくんです。あと、ジャングルの高温多湿な環境下においても常に快適な体温を保てるように空調の機能も備わっていて、暑い時には涼しくなり、また寒くなると暖房機能が自動的に作動して暖かくなるんです」


 ーさらに、毒や麻痺といった状態異常などもこの服を着て休めば、治癒効果の魔法が発動して治療することが出来る。まあ、一瞬で回復というわけにはいかないが、30分も休めばどんな状態になっても完治することが出来るようになるぞ。-


 「・・・・・・着ているだけで治療も回復も出来る服なんて、初めて見た!一度に毒や麻痺の治療を同時に使うことが出来る魔道具なんて、聞いたことがない。これは・・・すごい・・・!!」


 ビビ姉が興奮して鼻息を荒くして見ている。


 ーそしてこのブーツとグローブは【竜】の力が宿っている。毒の沼地に飛び込んでもこの靴なら毒を浄化してくれる。そして魔力を宿せば攻撃力も強化されるから、武器としても使用することが出来るぞ。-


 「そして、歩けば歩くほどに身体のツボを刺激してくれるから、回復効果を促進してくれる効果もついているんだ」


 「それに、デザインもなかなかお洒落だねえ。こういうのはボクも好きだねえ」


 「そしてこのカメレオンハットは、魔力を込めると・・・こうして身体を一定時間の間だけ透明にしてくれる効果があるんだ。魔力や体臭も遮断してくれるから、大勢の敵に囲まれたときにこれを使えば逃げることもできるし、これを置いて魔力を発動させたままの状態にしておくと、野外地で休まなくちゃならなくなった時でも、相手に気配を気づかれないようになっているんだ」

 

 「本当だ!トーマが透明になってどこにいるのか分からないぞ!?」


 「・・・これはなかなかいいものが手に入ったねえ。これを使えば夜中にトーマ君の寝床に忍び込んで夜這いを仕掛けても・・・バレる心配がないってことだね!?」


 「・・・それは、実に素晴らしい!そうか、それを使えば夢にまで見た、私とトーマの子作りも夢ではなくなるというわけか!!そして既成事実が出来上がれば、私とトーマは結ばれて・・・それは実に素晴らしい!!」


 「シャレにならない冗談を言うのはやめてください!!そんなことにならないように、ちゃんと寝ている間に警報用ブザーも取り付けてありますからねっ!?」


 「警報用ブザーが怖くて夜這いが出来るかってんだ!ボクはトーマ君との大人のおしくらまんじゅうのためならば、命だってかける覚悟を持っているんだよ!?」


 「そんな覚悟、今すぐにでも捨ててください!!」


 「もしそんなことをやったら、お前マジでクビな。あと打ち首獄門」


 「ベアトリクス様。お気持ちは分かりますが、そのような汚い言葉遣いはお控えください」


 「そして、このベルトについている四次元ウエストポーチですが、この中には水や携帯食品、包帯、薬草や消毒薬の詰め合わせ、小型の通信機、泥水を綺麗な真水に変える携帯浄水器に連絡用の打ち上げ花火などが入っています。ビビ姉、色々と役に立つアイテムを作ってくれてありがとう。本当に助かったよ」


 「・・・・・・トーマのためなら、このぐらい朝飯前。でも、すごく嬉しい♥」


 ビビ姉が蕩けそうな顔になって、僕の背中に抱き着いてきた。

 顔を背中に頬ずりして、時折背中から「えへへへ・・・♥トーマに褒められたぁ♥」とすごく嬉しそうな声が聞こえてくる。こうなったらもうビビ姉は僕から離れないので、このまま話を続ける。


 「そして最後はこのミニテント。これは魔力を込めて地面に置くと、一人分のテントの大きさまで大きくなるんだ。炎の聖霊石と風の聖霊石で空調設備は整っているし、水の聖霊石と木の聖霊石でリラックス効果のある香りでリフレッシュして、体力と魔力を回復することが出来るんだ。このテントにも魔物を寄せ付けない結界を張る機能がついているから、カメレオンハットを一緒に使うことで相手に気配さえ気づかれない上に、誰も近づくことが出来ないようになっているんだ」


 「休んでいる間に襲撃される心配がないってことね。まあ、用心するに越したことがないけど、こういうのがあると本当に助かるわ」


 「いつも助けられてばかりで、お世話になりっぱなしだから。このぐらいは役に立たないと」


 裁縫の技術だけではみんなを助ける事なんて出来ないかもしれないけど、僕に出来る事があるならそれに全力で取り組んで、皆の力になりたい。足を引っ張ってばかりだし、迷惑になることもあるかもしれないけど、皆が危険にさらされないように、出来る限りのことをやって、もっと知恵を学んで魔法裁縫師としての腕を磨かないとね。


 「・・・お見事だわ。トーマちゃんは自分のスキルを日々磨き、精進を重ねているのね。そういうひたむきに努力する姿勢は立派だわ。スキルに胡坐をかいて天狗になる連中に見せてあげたいぐらいよ。さすがは私の可愛い弟分だわっ♥」


 むっぎゅううう~っ♥


 「べ、ベリス、お姉さま、その、苦しい・・・!」


 「トーマちゃんは本当にいい子ねぇ~っ!うんうん、とっても素直で真面目でいい子だから、お姉ちゃんは大好きでちゅよ~♥」


 「ベアトリクス様、ほどほどにしてください。トーマ様がベアトリクス様の胸に埋まって窒息してしまいます」


 セリアさんに制されて、ブーブーとほっぺたを膨らませてベリス姉さまは僕を解放してくれた。


 「よっしゃ、それじゃあクエストに向かって旅立つのは明後日の早朝だ。それまでに水や携帯食料品、武器の手入れを万全な準備で取り組めるように全員取り掛かってくれ!ビビアナは全員の武器の動作のチェックと道具のチェックを頼む!」


 「・・・・・・合点承知」


 「アイリスとヴィルヘルミーナは水や食料品の買い出しを頼む。オレとグリゼルダは情報を収集して、どう攻めるか作戦を考える。とりあえず作戦の展開についてどう動くか計画を立てるから、アイリスは計画のチェックや見直しを頼む。トーマとユキはその間に食事の準備や魔道具のチェックを頼む!」


 おおっ、大アネキがちゃんとリーダーらしい仕事をしている!

 なんだかんだ言っても、やっぱりやる時にはちゃんとやるのが大アネキなのだ。

 

 そして僕たちはさっそく準備に取り掛かった。

 

斗真、ユキ、ビビアナの共同作業によって新しい冒険用の道具もそろい、次回は斗真たちがバーディネ大陸に上陸いたします!


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!!


次回もよろしくお願いいたします。

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