幕話➀傭兵の特訓は・・・王様ゲーム!?(前編)
幕話を思いついたので、さっそく書いてみました。
王様ゲームをトレーニングの一環として取り込んだらどうなるか、斗真たちで実験をして見たいと思います。現在、後編と第三章の設定にも取り掛かっております。
皆様、こんにちは。
遅くなってしまいましたが新年あけましておめでとうございます、梶斗真です。
さて、僕はなぜこのようなことになってしまったのか、もう訳が分かりません・・・。
場所は拠点の洋館、皆でお茶を飲みながら談笑するテラス。
そこのテーブルを囲むように、僕、ユキちゃん、大アネキ、アイリスお姉ちゃん、グリゼルダさん、ビビ姉、そしてヴィルヘルミーナさんが真剣な表情で座っている。
テーブルの中央には、大きな紙の箱とザルの上に置かれている7枚の紙・・・。
「いいかい、これから【七人の獣騎士】恒例の傭兵特別強化プログラムにおけるトレーニングを行うよ」
ヴィルヘルミーナさんが真面目な表情でそう言うと、声を大きくして高らかに叫ぶ!
「王様ゲーム!!イエーーーーーーイッ!!」
「イエーイ!!」←大アネキの声。
「・・・イエ~イ」←アイリスお姉ちゃん、グリゼルダさんの声。
「・・・・・・グー」←ビビ姉のいびき。
「何だい、何だい、ノリが悪いねえ?いいかい、これはただのゲームじゃない。傭兵として必要な能力を鍛えるための大事な特訓なんだよ?」
「そう思っているのはお前だけだ」
「そうかい?考えてみたまえ、アイリス君。冒険者や傭兵って言うのはいついかなる時も一度引き受けた依頼は何があっても必ず成功させなくてはならないのさ。その依頼も時として耐え難いものだっていつ舞い込んでくるか分からない。そういう時に備えて、どのような依頼を誰が引き受けることになっても体力、知力、時の運、全ての力をフル回転させて確実に任務の達成を果たすために尽力する特訓を積むには、この王様ゲームが最も適任だと思うのだがね?」
「その度にお前が言い出す、いかがわしい罰ゲームのせいでこっちがどれだけ恥ずかしい目に遭ったと思っているんだ!」
「そうよ。しかもトーマやユキまで巻き込むなんて・・・!!」
「トーマ君やユキ君を正式な仲間として認めているから今度の訓練に参加してもらったんだよ?彼らだって見た目は可愛いけどいざという時には自分の力で苦難を切り拓くことが出来る立派な男の娘じゃないか。それとも、王様ゲームの罰ゲームごときで彼らがひどい目に遭うことを嘆いているんじゃ、今後の任務に置いて彼らを危険な目に遭わせることが分かっているのに、任務に同行させることが出来ると思うのかい?」
そこまで言われると、正論なような気がする・・・。
アイリスさんたちは結局ヴィルヘルミーナさんの屁理屈に根負けして、僕たちのゲーム参加を認めた。
「それではルールを説明するね?ここに1~6番の字と“王”と書かれたクジがあります。この“王”のクジを引いた人は罰ゲームが書かれたくじを引いて、そこに書かれている罰ゲームを他の1~6番の人にやらせることが出来る。そして、王様の命令は・・・絶対さぁ!!」
「・・・うるさい、黙れ色ボケ」
「・・・と、とにかく、行くよ!!」
ヴィルヘルミーナさん、ビビ姉に睨まれて今にも泣きだしそうになっている。ビビ姉、ヴィルヘルミーナさんに対する当たりがキツイというか、嫌いなのかな・・・?
「せーのっ!!」
「「「「「王様だーれだっ!!」」」」」
ー我だ。-
最初に引いたのはユキちゃんだった。
ユキちゃんは箱の中に手を突っ込んで、一枚の紙を取り出した。
「読んでくれたまえ」
ーああ。ふむ、それでは【3番と5番がベアトリクスの執務室の中に爆竹を放り込んで逃げる】。-
・・・ちょっと待って?
・・・何だかいきなりヤバそうなものが出てきたんですけど?
「・・・オレじゃねえかよぉぉぉっ!?」←3番・大アネキ。
「・・・バカな、ヴィルヘルミーナとビビアナにやらせようと思って書いたのに!?」←5番・アイリスお姉ちゃん。
「さあ、それではやってきたまえ!転移魔法陣の準備はバッチリさぁっ!!」
「バカ野郎ーーーっ!!そんなことを姐さんにやった日にはオレ今日が命日だぞ!?」
「そんなアホな理由で死にたくない・・・!!」
「君たちに拒否権はないよ?なぜなら、王様の命令は・・・絶対だからさ!!」
「ち、ちくしょおぉぉぉっ!!」
大アネキとアイリスお姉ちゃんは涙を流しながら、転移魔法陣に飛び込んでいった。
生きて帰ってこれるといいんだけど・・・。
≪30分後≫
「・・・死ぬかと思った」←髪の毛が爆発アフロヘアーになり、真っ黒になった大アネキ。首には「私はバカです!」と書かれたプレートをぶら下げている。
「・・・お前たち、いい度胸だ。こうなったらもう誰だろうと地獄に落ちてもらうぞ。みんな仲良く道連れだ!」←同じく髪の毛が爆発アフロヘアーになり、シスター服がボロボロになり、黒いブラジャーと見事な谷間が見えてしまっている悲惨な状態。首からは「私はショタコンです!」と書かれたプレートをぶら下げている。眼鏡にはひびが入ってしまっている。
どうやら、相当怒られたらしい。さっきから大アネキが虚ろな目でブツブツとつぶやき続けている。
「姐さん、すみません、ごめんなさい、マジで勘弁してください。ロケットランチャーでもヤバいのに、戦車まで持ち出されたらオレたち死んじゃいます」
「・・・トーマと姉弟の一線を超えるまで死ねるか・・・!絶対にいつか叶えてみせるぞ・・・トーマとの×××を!クックック・・・!!」
・・・聞かなかったことにしよう。うん、そうだよ。ボクハナニモキイテナイ。
大アネキとアイリスお姉ちゃんは目から血の涙を流しながら、勢いよく叫んだ!!
「「せーのっ!!」」
「「「「王様だーれだっ!!」」」」
「・・・私ね」
次に引いたのはグリゼルダさんだ。
「ちっ!!」
「そんな殺意に満ちた目で睨まれてもねえ。ほら、引いたわよ。えっとそれじゃ【1番と5番がバニーガール姿になってゲーム終了までその姿でやること】ですって」
「それ、僕じゃん!!」←1番、僕。
「・・・・・・ふおおお、トーマと同じ。これは幸先がいい♪」←5番、ビビ姉。
≪10分後≫
「ふおおおおおおっ!すげえ!!トーマ、エロくて可愛くて最高だぁぁぁっ!!」
「トーマのバニーガール姿、エロくて素晴らしいな!恥じらいつつも、真っ白な肌に吸い付くラバースーツがいい感じだ。隙間から見えそうで見えないところも、脚にぴったりとはまっている網タイツも、お尻のウサギのしっぽも実にいい!」
「フッ、彼の身体のサイズは彼が寝ている間に部屋に忍び込んで採寸済みさぁ!!どうだい、ボクの仕立てもなかなかのものだろう?」
ベリス姉さま、ここに寝ているところに忍び込んで、人を素っ裸にして採寸する変態がいます!
「今回ばかりはお前にしては上出来だ!」
「・・・・・・ありがたや、ありがたやー。うさぎのエロ神様が降臨じゃー」
ビビ姉もバニーガール姿が良く似合っているよ?というか、ニンジンを捧げて僕の前でどうして座って、神様でも奉るように一心不乱に頭を下げ続けているのかな?
お客様、ウサギちゃんにちょっかいをかけてくるのはやめてくださいね~?噛みつきますわよ!?(錯乱気味)
ああもう、ゲーム終了までこんな姿でやらなくちゃいけないなんて・・・!!
「・・・ご、ごめん、トーマ・・・」
ー大丈夫か。お前によく似あっているぞ、トーマ。-
ユキちゃん、きっと嫌味とかではなく心からそう言ってくれているのは分かるんだけど、それはそれで心にグサグサと突き刺さるから勘弁してください。
そしてこのまま、次のゲームが始まった。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「・・・一体全体、彼らは何をやっているのでしょうか?」
水晶玉に映し出された、斗真たちの訓練(笑)の光景を目の当たりにしていた四凶の一人、渾沌は呆然としていた。
「ギャハハハハハハ!!腹イテーッ!!マジでバカじゃん、コイツら!!ひーっ!ひーっ!」
お腹を抱えて絶賛大爆笑をしているのは窮奇であった。
「・・・これが傭兵の訓練だと?物は言いようにしてもほどがあると思うのだが」
「・・・しかし・・・アイスキマイラを打ち倒すほどの実力者なら・・・きっと我らには理解できない意図があるのかも・・・しれない」
一方で、呆れつつももしかしたらこれは最凶最悪と呼ばれる傭兵団の無類の強さを引き出すための特別なトレーニングの一環ではないかと悩みだす橈骨と饕餮。
そして・・・。
「・・・なかなか面白そうだな。我が軍の鍛錬の一環として取り込んでみるか」
「「「「ヴェロニカ様ぁぁぁっ!?マジですかっ!?」」」」
「だって面白そうじゃし」
「いやいやいや、さすがにこれは勘弁してください!!」
「アタイたちにも将軍としてのプライドがあるんだぞ!?部下に示しがつかねーよ!!」
「申し訳、ございません。どうか、どうか、お許しを・・・!!」
「何卒、何卒、お許しを・・・!!」
「そこまで嫌か?・・・ぶーっ、刺激があっていいかと思ったのだがな・・・」
玉座に座って、斗真たちの乱痴気騒ぎを冷静に分析し、冗談なのか本気なのか分からない恐ろしい発言を口にしたヴェロニカを、幹部たちは全員で土下座をして「勘弁してください!!」と頼み込んだのであった。ヴェロニカはほっぺたを膨らませて、斗真たちのゲームの続きを観戦することにした。
邪眼一族、意外とアットホームな関係だった(笑)。
こんなものを軍のトレーニングとして取り込んだら大混乱は免れないですよね。そもそも、見本にしている連中が連中ですので。一番まともな評価をしているのが窮奇将軍です。
次回もよろしくお願いいたします。




