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第十七話「古代図書館の戦い➀~敵の本陣に乗り込む時にもアポは取れ~」

本日最後の投稿となります。

第二章における最後の戦いが繰り広げられる古代図書館に、ついに斗真たちが乗り込みます。

 斗真たちがヴィルヘルミーナと無事再会を果たしたころ、レベッカたちは使われていない古井戸から潜り込んで、ロニセラに通じている地下水路を歩いていた。ランプの揺らめく炎の灯りだけを頼りにして、レベッカたちは周りに気を配りながら、進んでいく。一点の光も差さない、真っ暗な闇と極寒の冷気に支配されている地下水路はまるで地獄の最下層にあると言われている【嘆きの川】のようにも思える。


 「へくちっ!!う~っ、寒いなぁ。トーマが作ってくれたこの”だうんじゃけっと”や”ぱんつ”がなかったらマジでヤバかったかもな」


 「ああ、炎の聖霊石と風の聖霊石を糸に変えて縫い上げた生地がここまで保温性が高いのは優れものだ。そのうえ、軽いから普段と同じように動けて戦えるというのもいい。さすがは私の弟だ。これほどなまでに優れている外套を作り出せるのは、世界広しと言えどもトーマだけだろう」


 「・・・ブラコンも大概にしなさいよ。それにしても、気づいている?さっきから嫌なにおいがプンプン匂ってくるわ」


 「ああ、水が流れているにも関わらず、これほどなまでに濃い血の匂いと屍の匂いをかぎ取れるってことは、この先で何かが大量に死んでいるってことだよな」


 その時だった。


 『えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!!ワッショイ、ワッショイ!!』


 「むっ?これはトーマからの通信の連絡だ!!」


 「・・・ビビアナが発明した通信機?てか、着信音ダサくない?」


 「トーマからのラブコールのどこがダサいというのだ!!」


 「いや、ラブコールじゃないでしょ、それは!?」


 グリゼルダのツッコミも軽くスルーして、アイリスが通信機を取る。


 「私だ、トーマの大好きなアイリスお姉ちゃんだ!・・・ふむ・・・ふむ・・・そうか、ヴィルヘルミーナと出会ったか。うん、分かった。ありがとう。こっちもこれからロニセラに侵入する。ランデブーポイントは図書館1階のエントランスホールに30分後に落ちあおう!」


 待ち合わせ場所と時間を言って、通信が切れた。


 「ヴィルヘルミーナも無事合流を果たした。トーマたちはこれからロニセラに突入するそうだ。私たちも急ぐぞ!」


 「よっしゃあ!このまま一気に乗り込むぜ!グリゼルダ、このまままっすぐ水路を突き進んで、どこから図書館に入るつもりなんだ?」


 「この先に1キロほど先に、緊急避難用の大型魔導列車が置かれているプラットホームがあるわ。そこから図書館に乗り込むことが出来るわ。指紋認証や眼球認証が必要だけど、もうとっくに影の力を使って私の眼球と指紋を職員のものとして認識させておいたわ。これで図書館に入る事が出来る!」


 「さっすがグリりん!仕事が早いぜ!!」


 「急ごう!!」


 残り30分以内に、プラットホームから図書館に潜入しなくてはならない。迫るカウントダウン、レベッカたちは足を取られないように気を配りながら水路を走り出した。


 そして、プラットホームが近づいているのか、水路にぼんやりと灯りが差し込んできた。


 「血の匂い、すごく濃くなってきてやがる。それに、この焦げ臭い匂いは・・・まさか!?」


 レベッカが険しい表情になり、水路から飛び出して魔導列車が走るために敷かれた線路に飛び出して、そのままプラットホームに飛び上った。


 「・・・やっぱりか!!」


 「おい、どうした?何があった?」


 「・・・ちょっと、何よ、これは!?」


 プラットホームにたどり着いたアイリスたちは目の前に広がる光景を見て、思わず声を上げた。


 そこは、まさに地獄そのものだった。


 プラットホームを警備していたゴブリンやトロル、オークといった魔物がプラットホームの床を埋め尽くすように倒れて、息絶えていたのだ。その死にざまは首を斬り落とされているものや身体の一部を失って、血だまりに沈むようにして息絶えているもの、そして身体がもはや炭と化していて、誰だったかさえ分からなくなるかつて生物だったものの残骸が転がっていて、壁や天井、床には大量の血液や体液がぶちまけられていた。


 「・・・この炎の匂い、間違いない。あのミヅキとか言うムカつく勇者の匂いだ!」


 「何だって?それではあの炎の勇者はここに逃げ込んだというのか!?」


 「・・・10や20って言う数じゃないわよ。これだけ大勢の魔物を一人で倒したって言うの?アイツ、やっぱりまともじゃないわ。もし、トーマと鉢合わせになったりしたらまずいわね・・・!」


 「でもよ、この図書館に入るためにはセキュリティシステムがあるから、そう簡単に入れるわけじゃねえんだろう?そうなると、図書館に入れねえから足止めを食らってるんじゃねえか?」


 「そうなると、これから私たちが向かう図書館に通じる入り口にミヅキがいるということになるぞ?」


 「それだったら、オレたちがミヅキを片付けちまえばいいんじゃねえか?」


 その時だった。


 




 ドーーーーーーンッ!!






 図書館の建物全体が揺れるほどの衝撃が爆音と同時に響き渡った。

 嫌な予感を感じ、階段を駆け上がっていくと図書館に通じている重厚な扉があった場所には扉はなく、力任せに吹き飛ばされて原形を保てないほどに曲がりくねった扉の残骸が転がっていた。高熱の炎にもビクともしないはずの分厚い魔力が込められている金属製の扉は飴細工のようにぐにゃりと曲げられており、扉の真ん中がドロドロに溶けて大きな穴が空いていた。


 「・・・セキュリティシステムのハッキングも無意味だったようだな」


 「マジかよ、力任せに図書館の中に入ったのかよ。ムチャクチャにもほどがあるだろ!?」


 「・・・人がどれだけ苦労して、セキュリティシステムに忍び込んで、情報を引き出して、準備に手間と時間がかかったと思っているのよ・・・?ああ、これが勇者だからという理由だけであっさりと何でも問題を片付けちゃうメタ展開ッてヤツ?ああ、勇者なら何をやっても許されるって?いいわねえ、どうせこっちは勇者じゃなくてただの傭兵ですし、陰キャでムッツリスケベですし・・・!!」


 ドロドロとした真っ黒なオーラを全身から放ち、グリゼルダが嫉妬に狂った鬼のような形相を浮かべて、口元が歪に吊り上がって「ヒヒヒ・・・」と不気味な笑い声を上げる。


 (・・・何気にビビアナに言われたことを根に持っていたんだな)


 「・・・妬ましい恨めしい憎らしい妬ましい恨めしい憎らしい妬ましい恨めしい憎らしい・・・!!」


 「おい、グリりんがなぜか知らねえが暴走モードに入ってンぞ?」


 「・・・もうこうなったらこのままの勢いで突入するぞ!」


 「お前、ついに考えるのやめたんだな」


 「やかましい!!」


 レベッカの天然な発言にもはやヤケクソ気味になって怒鳴りつけると、アイリスとグリゼルダは扉を抜けて、図書館のエントランスホールを目指して走り出した。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 アイリスお姉ちゃんたちは地下水路から忍び込んで、図書館に潜入するらしい。さて、僕たちはこれからどうやってロニセラに潜入すればいいのだろうか。


 「なるほどね、大体のことは分かったよ。つまり、この吹雪を発生させて図書館に近づけさせないようにしているヤツが禁書に封印されている魔獣を復活させて、その力で世界を自分のものにしようとしているっていう解釈でいいかい?」


 「ええ、だいたいその通りです」


 「なるほどねえ。それなら少し急いだほうがいいかもしれないねえ。さっきからあの図書館から得体のしれない強い魔力が漏れ出してきている。相当強い魔力を持っているヤバいヤツだね。本格的に復活を果たす前に仕留めないと、本当にドランブイの危機ってヤツかもしれないね」


 「そうなんですけど、どうやってロニセラに潜入すればいいのか分からなくって」


 「・・・・・・私にいい考えがある」


 ビビ姉の目がキランと光り、操作盤についているキーボードを素早く打ち込みだすと目の前のスクリーンに現在二足歩行型のパワードスーツから大きなタイヤを装備したレーシングカーのような形態【ホイールモード】に変化していくイメージが映し出された。そして、ガクンと揺れるとパワードスーツが見る見る画面に映っているレーシングカーのような形態に変わっていく。先端には前輪と巨大なドリルがついている。


 「ビビ姉、これからどうするの?」


 「・・・・・・最大出力で突撃して、結界をぶち破り、そのままロニセラに突入する」


 「あの、ちょっと待って?今、突撃とか突入とか、不穏な言葉を口にしなかったかい?まさかこれでロニセラに正面突破するとか言わないよね?」


 「・・・・・・私たちは風になるのだ」


 『嘘ぉぉぉっ!?この子、目がマジだぁぁぁぁぁぁっ!!』


 僕とヴィルヘルミーナさんの心からの叫びが一つになったような気がした。


 アクセルを全開に回して、思い切り踏みつけるとマフラーからものすごい量の煙と爆音を響かせながらタイヤが高速で回転して、目にも止まらない速さでパワードスーツが走り出した!!


 ぐんぐんと目の前まで迫ってくる巨大な塔のようにも見える図書館!

 高い、まるで僕たちの目の前を阻むように存在している巨大な壁が迫ってきている!

 てか、これ、ぶつかったら僕たち本当に大丈夫なの!?


 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーっ!!誰か助けてぇぇぇぇぇぇっ!!」


 「トーマ君、もうダメだ!死ぬ前にどうか一発ヤラせてくれぇぇぇぇぇぇっ!!」


 最低だな、この色ボケは!?


 「・・・・・・それではこれから、古代図書館に乗り込みます」


 「乗り込むって言うよりは、これは殴り込みって言うんだよぉぉぉっ!!」


 




 ドッカーーーーーーン!!






 ドリルを壁に突き立てて勢いよく回転させると分厚い鉄の扉は吹き飛ばされて、宙を舞って地面に転がり落ちた。そして、歴史的建築物であるはずの図書館の扉は大きくべっこりとへこんだ状態で地面に打ち捨てられており、壁に置いてあった本棚のいくつかが倒れて、床には本棚の残骸と無数の本がぶちまけられている惨状が広がっていた。


 やりおった、マジでやりおった、この人は・・・!!

 国の重要文化遺産に遠慮なく全速力で突進を仕掛けて、扉や壁を遠慮なく破壊しおった・・・!


 これ、修理代や被害額ってどれだけのものになるんだろうか・・・。


地下からのルート:美月が見張りの魔物たちを殺害し、セキュリティシステムを魔法で破壊して強行突破。

地上からのルート:ビビアナがパワードスーツで突撃して、ハニーベルの重要文化財である古代図書館に突撃して、入り口の扉と壁の一部を破壊して乗り込む。


現在、こういった展開になっております。

雁野とのリベンジバトル、そして、アイスキマイラとの戦いに挑んでいく斗真たちの活躍を次回もお楽しみくださいませ。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!!


次回もよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言] サイコパス系の話にしか見えないんだけど
2021/02/22 10:23 退会済み
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