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第一話「魔王様登場!~この部下にしてこの上司有り~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます。第二章、今回から始まります。よろしくお願いいたします。

 「・・・おかえり、レベッカ、アイリス、グリゼルダ。300年ぶりかしらね?」


 「・・・・・・」


 皆さんこんにちは、梶斗真です。

 さて現在の状況ですが、一言で言えば【修羅場】といった感じでしょうか。


 大食堂で、レベッカさんたちが床に座って正座をさせられていて、そんな彼女たちを全く目が笑っていない怖い笑顔で全身から部屋全体の空気が凍り付くような威圧を放ちまくっている女性がこの状況を作り出した原因だ。


 漆黒の闇を思わせる艶やかな黒髪、山羊のように曲がりくねった角、ピジョンブラッドのように澄んでいて獰猛な光を宿している赤い瞳、背中から生やした6枚の黒い蝙蝠のような翼。


 そして・・・思わず目を背けようとしてもつい目がいってしまうほどの・・・露出度の多い紫色のドレスから飛び出しそうになるほどのおっぱい。


 長身で、グラマラスなスタイルを持つ彼女は、現実世界の外国人モデルのような美貌と色気に満ちた美人の女性だった。そんな女性が全く笑っていない笑顔でハリセンを片手に椅子に座り、威圧を放ちまくっている姿は本当に怖い。マジで泣きそう。


 「・・・300年前に音信不通になってから、私がどれだけ世界中を探し回っていたと思っているのかしら?それで、ようやく娑婆に顔を出したかと思えば、私に連絡一つ寄越さないとはいい度胸ねえ?」


 (おい、どうしてこの人に私たちが復活したことを伝えていなかったんだ!?)


 (悪い、マジで忘れてた)


 (どうしてアンタはいつもそういうことを忘れるのよ!?団長としての責任感とかないの!?)


 アイキャッチで会話をしているみたいだ。(最近アイキャッチだけで何を話しているのか、分かるようになってきた)どうやら今度もまた、レベッカさんがやらかしたようだ。


 「・・・まあ、アレクシアの気配遮断がかかっていたから私も見つける事が出来なかったのは仕方がない。クロスの連中に見つかったらどんなことに利用されるか分からないからね。そして復活して早々に盟友でもあるヴァネッサやブラオベーレにクロスが進撃を仕掛けるという話を聞いて、そっちを優先した気持ちも分からなくはないわ」


 しかし、そこで彼女はさらに威圧を強めた。


 「・・・でも、私が許せないのはねえ・・・こんなにも可愛いメイドを、しかも男の娘という奇跡の存在のメイドを雇ったというのに、私に一切合切紹介をしなかったことよぉぉぉっ!!アンタら今度という今度は許さないわ。全員眉間に鉛玉ぶち込んで、はく製にして珍獣博物館に寄贈してくれるわぁぁぁっ!!」


 「「「そっち!?」」」


 ・・・こんな綺麗だけど性格がメチャクチャ過激というか、怖い女性に僕はなぜか膝の上に抱っこされて、がっしりと手で掴まれて離れられないようにされて拘束されております。傍から見ればメイド服姿の僕を愛でているようにしか見えません。


 どうしてこうなった!?


 「ちょっ、落ち着けっての、ベアトリクスの姐さん!!何、そっちのことでこんなに怒っているの!?」


 「あぁん?そんなこと、当たり前〇のクラッカーでしょうが。私が最も許せないのはね、私のいうことを聞かずにすぐ暴走して建物や遺跡を破壊しまくったり、行く先々で風呂の覗きや乱痴気騒ぎをやらかすバカな部下と、いちいち私たちに喧嘩を吹っかけてくるクロス聖王国のクズども、そして可愛いお姉ちゃんを雇っておいて私に教えてくれない酒場の気の利かない給仕と・・・この子のことを教えてくれなかったバカな部下だぁぁぁぁぁぁっ!!」


 ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!


 「だぁぁぁっ!!落ち着けって!!部屋の中で火炎弾をぶっ放さないでぇぇぇ!!」


 「お前がそれを言っても説得力がかけらもないんだが」


 「それでしょっちゅう屋敷や建物を吹き飛ばしているのは、どこの誰よ」


 何この人、もうメチャクチャなんですけど!?

 レベッカさんたちの上司に当たる人らしいけど、なるほど、この人だったら納得できるな!


 「あ、あの、落ち着いてください!お屋敷が吹き飛んじゃいますし、そんな火炎弾を食らったらさすがにレベッカさんたちも無事じゃ済まないですからぁっ!!」


 「-あら、トーマちゃんがそこまで言うなら、お姉さん許しちゃおうかしら。お姉さん、可愛い男の子のお願いには弱いのよ」


 「・・・ア、アハハハ、ありがとうございます・・・」


 「それで、お小遣いいくら欲しい?欲しいものがあるなら何でも買ってあげるわよ?お姉さん、こう見えても実は魔王軍の最高責任者だから、偉いしお金は持っているのよ。ああ、もしあなたに手を出してくるようなバカな輩がいたらいつでもお姉さんに相談してね?私が魔王軍全戦力を上げてその愚か者を塵一つ残さないまでに消し去ってあげるから」


 ・・・あれ?

 ・・・今、この人さらっととんでもないことを言わなかった?


 この人が、クロスが言っていた【魔王軍】の最高責任者?


 「・・・あ、あの、すみません。お姉さんのこと、まだ伺っていなかったのですが・・・」


 「おっと、私としたことが・・・。改めて自己紹介するわね。私の名前は【ベアトリクス・フォン・ベレト】。ソロモン72魔将の第13位【ベレト】家の当主で、魔王軍の最高責任者をしているわ」


 はぃぃぃぃぃぃっ!?こ、こ、この人が魔王軍の最高責任者で、魔王様だってーーーっ!?


 「ベアトとか、ベリスとか呼んでくれていいわ。トーマちゃん♥」


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 「・・・なるほどねぇ、クロスのバカ共は私たちのことを人を襲い、人を食らう化け物だって言っていたのね」


 「まあ、クロスの言うことだからあまり信じていませんでしたけどね。そもそも、クロスの連中のやっていることの方がひどいというか、常識的に考えてあり得ないことばかりやっていますから」


 「なるほどねえ。それで、私を見てどう思ったのかしら?」


 「・・・正直に言って、最初はすごく怖かったですよ。だっていきなり大食堂の扉をぶち破ってレベッカさんたちにロケットランチャーをぶっ放すんですもの」


 ロケットランチャーの直撃によってすっかり風通しの良くなった原因である壁に空いた巨大な穴を見て、アイリスさんたちは「確かに・・・」とうなづいていた。


 「でも、レベッカさんたちのことを本当に心配してくれていましたし、レベッカさんたちも信頼している感じだったので、悪い人ではないと思いました。だから、魔王軍が人間界に攻め込もうとしているっていう話も何だか信じられないというか、そもそもこの話はクロスが言っていたことだったからこれってひょっとして嘘だったのかなって・・・」


 「まあ、当たらずとも遠からずってところね。魔族の中には人間界を支配して世界征服を本気で考えているバカな魔族もいるのよ。私たち魔王軍と呼ばれている組織は、そういった人間に危害を与えようとしている魔族を取り締まり、また、魔族に危害を与えようとする人間たちにも同じように取り締まっているのよ。あまりにも人の話を聞かなかったり、世界の存亡に繋がりかねないヤバいことをやらかそうとしていたら、その対象を殲滅することも辞さない」


 魔王軍って、魔族と人間の悪事を取り締まる警察組織みたいなものだったんだ。


 「つまり、レベッカさんたちはベリスさんの直属の部下だけど、独立した部隊として活動しているということですか?」


「・・・レディース傭兵団24時間なんて呼ばれているわね」


どうしよう、納得しか出来ない。


まあ、そうなるとクロスは人間界に侵略を仕掛けようとするテロリストのような集団と、悪事を働く人間や魔族を取り締まるベリスさんたちをまとめて魔族軍と呼んでいたというわけか。


ここまで来ると、魔族や亜人に対するクロスの悪意は尋常ではない。現実世界からわざわざ勇者を呼び出してまで、世界中の魔族を皆殺しにしようとするなんて、どうしてそこまでやるのかわからない。


「まあ、とりあえず一旦話を区切って悪いけど、早速あなたたちに一つ頼まれてほしい依頼があるのよ。引き受けてくれるかしら?」


「依頼?」


「ええ、ヴィルヘルミーナを迎えにいくついででね。青の大陸ドランブイにある【古代図書館】の付近で魔力によって引き起こされた猛吹雪が発生していて、さらに魔物が凶暴化して雪原を通る冒険者や旅人を襲うという事件が起きているのよ。ダンタリオン家の当主から直々に依頼が来たわ」


ヴィルヘルミーナ・ワイズマン。

4人目の仲間がそこにいるんだ。それなら僕も気合いを入れて行こう。勇者軍たちが何かを仕掛けてくるかもしれないけど、あいつらの思い通りになんてさせるもんか。


「・・・ねえ、ヴィルヘルミーナのことなんだけど、本当に助けなくちゃダメなの?」


「私も気が乗らんが、仕方ないだろう。アイツの代わりに新しい剣士を雇おうかとも思ったが、機動力と剣術の腕前に関してだけならアイツは折り紙つきだ。性格のせいで全て台無しにしているがな」


あの、アイリスさんとグリゼルダさん、どうしてそんなに疲れきった表情になっているの?


「あの、ヴィルヘルミーナさんってどんな人なんですか?」


「スケベ!」←レベッカさん。


「色情魔だ」←アイリスさん。


「ド変態の性犯罪者」←グリゼルダさん。


「この連中の中で一、二位を争う問題児で両刀遣いの痴女」←ベリスさん。


ろくな答えが帰ってきやしねえ!?

ていうか、果てしなく不安になる要素しかないんですけど!?


えーと、とりあえずまずはドランブイで何があったのか話を聞いてみるとしますかね?そうだ、何事も前向きに考えないと!


「トーマ、それは現実逃避というのよ?」


グリゼルダさん、ステイ!

いいの、こうなったら現実逃避の一回か二回でもしなけりゃ話にならん!



魔王軍最高責任者・・・パワハラ、セクハラ、可愛い子に目がない筋金入りのショタコンのグラマー系美女。気に入られたトーマ、哀れなり。部下が部下なら上司も上司だった。まともなのはトーマとグリゼルダだけ。


次回もよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 上司いたこと全然分からんかったわ!! しかもクロスが倒そうとしてた魔王だってことにもびっくりだったわ!! そして、開口一番にトーマの事でめちゃくちゃ怒るってどういうこと!? そもそもの原因は…
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