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第一話「三国同盟~彩虹の戦乙女、最終決戦①~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

今回から最終章に入ります、最後まで頑張って書き上げますので、よろしくお願いいたします!!

 【魔法の国サマリア】


 サマリア城の玉座の間は不気味なまでに静まり返っていた。

 サマリアを統治する女王にして、魔王軍の最高責任者【元帥】の地位に就くベアトリクスは、目の前に並べられた8枚のカードをじっと見つめたまま、一言も言葉を発しない。


 鋭い眼光で睨みつけるようにして、じっと見つめている。


 重苦しい空気に、誰一人として、一言も言葉を発しない。

 呼吸さえ普通に出来なくなるほどの緊迫した室内、誰もが最初に何を語るのか、神経を研ぎ澄ませている。


 「・・・まず、お前たちが無事サマリアに戻ってきてくれたことを、心から感謝する」


 その言葉を聞いて、ベアトリクスの前で膝をつき、待機していたレベッカとアイリスが頭を下げた。


 「・・・伝説で語られている8体の自然界の脅威の力を実体化させた”生ける災害”・・・【魔神八傑集】を、傭兵団の団員が一人も欠けることなく、封印して戻ってきてくれたことは、サマリアだけではなく、世界中に大きな影響をもたらすだろう」


 今現在、セブンズヘブンの全世界中に激震が起きていた。


 伝説の魔神【魔神八傑衆】を全て封印することに成功したニュースは、クロスの脅威にさらされてきた世界中の人々に大きな衝撃を与え、そして、新たなる希望の光を見出した。


 これまでクロスの圧倒的な軍事力と魔力に怯えて、暴虐に苦しめられてきた国、国を滅ぼされて故郷を追われたもの、そんな彼らに撮って【彩虹の戦乙女】はクロスを打ち滅ぼし、世界に本当の平和をもたらしてくれる存在として、彼らを称える声が挙がった。


 「・・・実はお前たちが魔神八傑衆を倒したすぐ後に、【タルタロス】と【ホーンテッド】の王都に進撃をしていたヴィネ王国軍の兵士たちが全員消滅したという報告があった」


 「・・・タルタロスとホーンテッドに、邪眼王が進撃を行っていたのですか!?」


 「ああ。魔王軍もタルタロス軍とホーンテッド軍に援軍を送っていた。お前たちには話さなかったがな。お前たちが動いている魔神八傑衆の一件を解決することが、まず最優先だと思ったからだ。だが、お前たちがヴェロニカを討伐したことによって、彼女に作り出されたアンデッドの兵士は全員術が溶けて、元の骸に戻ったのだ」


 「そうか、そりゃ術を仕掛けている黒幕をブッ飛ばせば全部解決するもんな」


 「もっとも、この方法にたどり着いたのも、お前たちがヴェロニカと対峙している真っ最中だったがな。たどり着くのに時間がかかり過ぎた・・・迂闊だった」


 「姐さんとうとう二日酔いし過ぎて頭がパーになっちまったんじゃねーの?これをいい機会に酒も夜遊びも控えろよ」


 「たわけ!私は死ぬまで現役バリバリでいくわい。世界中の可愛い男の娘を囲って、巨大ハーレムを築き上げるまでは、何度殺されても死なん」


 「すみません、人生に一度でいいから、真面目な会話を最後までやり通してください」


 唐突に始まったレベッカとベアトリクスの主従関係もへったくれもない会話に、張り詰めていた空気が崩壊し、アイリスは頭痛を言堪えるようにこめかみを抑える。もうコイツらに真面目な会話を期待することなど間違っているのだろうか。


 「まあ、いい。それで、バルバラとベルナデッダから連絡が来た。内容は我々と同盟を結びたいということだった」


 「・・・サマリアとホーンテッド、タルタロスが同盟を組むですって!?それはつまり、魔界の戦力が統一されるということですか!?」


 アイリスが思わず声を上げた。レベッカも、ベアトリクスの言葉の意味を珍しく正しく理解し、目を見開く。つまりこれは4つの勢力に分かれていた魔界が統一されるという歴史的な大事件だ。


 「・・・ヴェロニカの暴走を止められなかったのは、私たちの責任もある。アイツはかつてのザラムの勢力を取り戻すために躍起になっていた。野心に飲み込まれて暴走してしまったアイツをどうにかして助け出してやりたかったが、私たちには出来なかった。もうあんなことを繰り返さないためにも、今こそ魔界の勢力を一つにして、今後起こるであろう争いを防がなくてはならない。バルバラとベルナデッダも了承している」


 「・・・なるほど」


 今後は魔界は一枚岩となって、魔界の均衡と秩序を守っていくことになる。


 「・・・というかな、まあ、一つだけ条件があったんだがな」


 「・・・条件?」


 「・・・バルバラとベルナデッダが同時に頭を下げて頼み込んできた。私も最初はどうしたものかと悩んだんだが、今後の魔界の統一を考えると、その条件をのむことは私たちにとっても望ましい話になると思い、私はその話を保留にした。そしてこれから、お前たちに私から一生に一度の頼みごとをしたい」


 そう言って、ベアトリクスは玉座から下りると、階段を下りて、レベッカたちの前に腰を下ろした。そして、ぐっと頭を下げた。


 「おい、姐さん・・・?」


 「これは私の勝手な頼みだ。でも、どうか、お前たちにも力を貸してほしい」


 真剣な口調、今まで他人に頭を下げることが大嫌いなベアトリクスが玉座から下りて、頭を下げてまで頼み込むとは相当の覚悟を決めた頼み事らしい。アイリスとレベッカは顔を見合わせる。


 「・・・その内容とは?」


 「・・・それは」


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 一方、その頃。


 「・・・・・・光、つばさ、安らかに眠ってくれ」


 お墓を作り、花を添えると斗真は両手を合わせて静かに彼女たちに黙祷する。

 そして、目を開くとそこには強靭な意思の光が宿っていた。


 「・・・全ての決着を着けてくる」


 光が遺したグローブをはめ込んだ右手を強く握りしめて、斗真は墓を後にした。


 「あっ、ここにいた!」

 「おーい、トーマちゃん!!」


 ヴィルヘルミーナとオリヴィアが斗真に駆け寄ってきた。


 「・・・二人とも、どうかしたんですか?」


 「ああ、トーマちゃんを探しとったんや。何でも、団長が重要会議をこれからするよってね」


 「レベッカ君があんなに真面目な顔をして会議をするなんて、滅多になかったからね。どうしても、トーマ君は連れてこいってさ」


 「・・・分かった、すぐに行きます」


 なんだかただならない予感を感じる。

 この局面で、重要な会議とはいったい何を話し合うのだろうか。クロスに攻め込む作戦については、何度も話し合って、明後日の夜明けと同時に攻め込むという話で決まっていたのではないだろうか。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 会議室に入ると、もうすでに【彩虹の戦乙女】の全員、そして、ベアトリクスとタルタロスの女王のバルバラ、ホーンテッドの女王のベルナデッダも椅子に座って待ち構えていた。


 (え、何、どうしてタルタロスの女王様とホーンテッドの女王様がいるの!?)


 「よぉ、突然呼び出しちまってすまなかったな」


 バルバラが気さくに手を振って、笑みを浮かべた。端正な顔立ちにはいくつもの深い傷跡が刻まれていて、歴戦の女戦士のような勇猛さを感じさせる。


 「え、えーと、その、お待たせしてしまって申し訳ございません」


 「ああ、気にしなくていいわ」


 そして、桜に案内されて椅子に座ると、部屋の空気が急に変わった。

 空気が張り詰めて、シーンと静まり返る。斗真も緊張のあまりに息をのんだ。


 「・・・えー、突然集まってもらってすまない。実は、お前たちに報告したいことがあって、招集してもらった。まあ、結論から言うと、今回のクロス殲滅作戦において、タルタロスとホーンテッドが我々サマリアに全体的に協力を申し出てくれることになり、魔王軍はそれを受け入れることにした。タルタロス軍とホーンテッド軍が我々の援護をしてくれることになった」


 「まあ、そういうことだ。よろしく頼むぜ」


 「・・・お願いいたします・・・」


 「そして、タルタロスとホーンテッド、そしてサマリアは3つに分けて統治していた魔界の勢力を一つに集めて、今後は三国同盟を結び、魔界の統一をすることが正式に決まった」


 (・・・桜、どういうこと?)


 (ヴェロニカのような不穏分子がまたいつ出てくるか分からねえのに、いつまでもいがみ合っているわけにもいかねぇだろう?それで3つに分かれていた勢力を一つの組織にまとめ上げるっていうわけだ)


 「まあ、そこで、私たちも魔王軍を一旦解体して、新たなる魔界の秩序と均衡を守るための巨大な組織を作ることになったんだが、その組織をまとめ上げるボスが必要という話になってな」


 ベアトリクスがそこまで言った後、なぜか、バルバラとベルナデッダ、そして、ベアトリクスの視線が斗真に向けられた。


 「・・・え、なぜ、僕を見ているんですか・・・?」




 「・・・トーマちゃん。いえ、カジ・トウマ。貴方に、三国同盟の会長並びに、私たちの”親子”の盃を交わしてほしい・・・!!」




 「・・・・・・・・・はい?」


 突然の申し出。


 斗真はもちろんだが、その場にいた全員が凍り付いた。

 

 斗真に魔界の全統治権を任せて、三国の王の親子となるという、予想だにしていなかった話だった。

斗真が魔界の頂点に立つことに・・・果たして斗真の反応は?


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!!

次回もよろしくお願いいたします。


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