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第十一話「地の通路の戦い!②~ヴィナグラート魔城攻略戦⑤~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

新作が書きあがりましたので、投稿いたします!

どうぞよろしくお願いいたします!

 【レベッカ視点】


 「クックック、野良犬ごときが俺様に歯向かうとはいい度胸だ。たっぷりと可愛がってやろう!」


 ケッ、落ち着いてきたのか、完全にオレのことをナメてくれているのか、口調もさっきの聞き取りづらい片言ではなくなってきたな。まあ、耳障りであることに変わりはねえけどな。


 トーマを追放して、殺そうとした。

 トーマのことをずっと苦しめ続けてきた。


 もうそれだけで十分、コイツをブッ飛ばす理由にはなる。


 トーマを苦しめるヤツは、オレは絶対に許さねえ。


 ああ、やることが決まると不思議と頭の中がスッキリする。

 とりあえず、大剣でボッコボコにして、地獄に送り返してやるだけだ。


 「雨野!!」


 ヒカルがワータイガーの姿に変わって、下りてきた。


 「・・・寅若か?フン、梶のことを憎んでいたくせに、もうアイツに尻尾を振って媚びへつらうか。随分と尻軽ではないか!」


 「お前に尻軽と言われる筋合いはない!」


 「クククッ、まあ、いい。どうせこれからお前たちはここで死ぬのだ。死ぬ前に面白いことを教えてやろうではないか」


 デカブツ野郎が吐き気がするいやらしい笑みを浮かべた。

 ああ、そういうのはもういいからさっさと一発殴りてぇ。

 そう思っていた、時だった。




 「花房を仕向けて、お前の弟を殺させて、お前と梶を争い合わせたのは・・・俺様だ!!」




 「・・・なっ!?」


 ヒカルが目をカッと開いて、絶句する。

 そんなヒカルの驚いた姿を見て、デカブツ野郎はゲラゲラと耳障りな笑い声をあげる。


 「グハハハハハ!!まさかここまで上手くいくとは思わなかったぞ!!松本のヤツが梶を救済しようと訳の分からないことを言っているのを偶然聞いてしまってなぁ。しかしそんな面白そうな話、あのイカレた女などにやらせるのはもったいない!それで、俺様が花房に話を持ち掛けたのだよ!松本の提案はあくまでもお前の弟を拉致して、痛めつける程度でしかなかったからなぁ!!だが、それではまだ詰めが甘い。そこで、俺様がグループのリーダーと花房に拳銃を使って、寅若の弟を殺してみてはどうだと提案したのだ!!何があっても、俺様の父親の権力を使えば見逃してやると言ってなぁっ!!」


 


 『不良たちをけしかけて貴方の弟を襲うように仕向けたのも、あの子(松本)だからよぉ!寅若さんが、あの不良グループたちから恨みを買っていたことを知っていた彼女が、彼女の弟を拉致して人質に取れば、寅若さんたちに一泡吹かせることが出来るって計画を持ち掛けたのよぉ・・・!』




 確かにあのオカマはそう言う風に言っていたな。

 でも、話を聞く限りじゃ、松本はあくまで【拉致】しろとしか言っていない。つまり、斗真が抵抗できない様にして痛めつけるという話だったはずだ。それをこのデカブツ野郎がさらにひどい作戦に切り替えたってことか。

 

 「・・・花房に明を殺すようにそそのかしたのは、お前だと!?どうして、そんなことを!?」


 「当然、お前が女のくせに、梶と仲が良かったからだ!!」


 はあ?

 何だそれ、意味が分からねえんだけど!?


 「俺様はずっと梶を手に入れたかった!!だが、アイツは俺様の思いを悉く踏みにじった!!挙句の果てに、女などという下等生物などと仲良くうつつを抜かしおって!!特に仲がよかったお前のことが憎くて、憎くて、仕方がなかったのだ!!」


 「ケッ、つまりお前はトーマに振られただけじゃねえか!!それでトーマと仲のいいヒカルにヤキモチを焼いて、ヒカルの弟を襲ったって言うのかよ!?」


 「黙れ、このバカ犬がぁっ!!俺様の愛を受け入れてくれない梶と、俺様の邪魔をする寅若、お前たち二人をどう苦しめてやろうか、俺様のこの怒りを、憎しみを、どう思い知らせてやろうか、ずっと思っていた!!だから、花房を使ってやってやったのだ!!その結果、お前は家族を失い、絶望に暮れた!!そして、梶のことを逆恨みして、憎み、ヤツの命を何度も狙った!!梶も傷ついただろうよ、仲が良かったお前からそのような仕打ちを受けたらな!!計画通りだ、フハハハハハ!!」


 「・・・そんな・・・理由で・・・!!」


 ワータイガーの表情が怒りに歪み、ギリリと牙をむき出しにして、身体中が小刻みに震えだす。

 そして、オレが声をかける前にワータイガーの身体が光り出し、ものすごい速さで飛び出した。

 

 「雨野ォォォォォォォッ!!!」


 ドガンッ!!


 ワータイガーの渾身の蹴りがデカブツ野郎の顔面を捕らえた。

 強烈な蹴りを食らい、デカブツ野郎の首の骨が鈍い音を立てて折れ曲がっていく。そして、両手でデカブツ野郎の頭を掴むと、力任せに上下逆さまにひねり上げた!


 「・・・ククク・・・!!」


 デカブツ野郎は白目を剥きながらも、不気味に笑いながら倒れこんだ。

 ワータイガーは呼吸を荒くしながら、倒れこんだデカブツ野郎を見下ろしている。ピクリとも動かないデカブツ野郎を光が失われた瞳で睨みつけながら、呆然と立ち尽くしている。


 「ヒカル!!」


 「・・・フゥー・・・フゥー・・・私は・・・私は・・・どこまで愚かなんだ・・・!!」


 ポタリ・・・。


 彼女の瞳から大粒の涙が落ちて、地面に染み込んだ。

 

 「・・・こんなヤツに・・・嵌められて・・・斗真を・・・私はこの手で・・・傷つけた・・・!!」


 「落ち着けよ、お前のせいじゃねえ!!」


 「私のせいだっ!!私はこの手で、斗真の身体を刺し貫いたんだっ!!私のせいで、斗真は、死んだ!!私のせいだっ、私のせいだぁぁぁぁぁぁっ!!斗真、私は何てことをしてしまったんだぁぁぁっ!!」


 ヒカルの姿に戻ると、両手で頭を抱えて気が狂ったように叫び出した。

 オレがヒカルに駆け寄るが、彼女はオレの話など聞かず、地面に拳を叩きつけながら涙を流し続ける。


 ガンッ!!


 ドンッ!!


 ぐちゃっ!!


 地面を殴る音が湿った音に変わっていき、殴った場所が赤黒くにじんでいる。

 皮膚が破けても、血を流しても、彼女は泣き叫び続けた。


 「斗真ァ!!斗真ァァァ!!私は、どうしようもない、大バカ野郎だ!!私のことを、ずっと心配してくれていたのに、私のことを守ってくれていたのに、私はどうして、どうして・・・!!」


 その時だった。


 ゆらぁっとさっきまで倒れていたはずのデカブツ野郎が起き上がったのだ。

 嘘だろう!?さっき、首の骨を折って倒れたはずなのに!?

 そして、デカブツ野郎はハンマーを握りしめると、座り込んで地面を殴り続けていたヒカルに狙いを定めた。


 「ヒカル、避けろぉぉぉぉぉぉっ!!!」


 「死ネェェェェェェェェェェェェッ!!!」


 「・・・!!」


 デカブツ野郎が繰り出したハンマーの一撃をヒカルがかわし、地面全体に振動がビリビリと伝わってくる。上から振り下ろした強烈な打撃をかわすが、すぐさまデカブツ野郎がハンマーを横なぎに繰り出し、ヒカルは避けきれず、ハンマーの打撃を食らい、吹き飛んだ。


 「ぐあああああっ!!」


 「ヒカル!!」


 吹き飛ばされたヒカルの身体が壁に叩きつけられる瞬間、ギリギリでオレが受け止めた。

 しかし、二人そろって壁に叩きつけられると、デカブツ野郎がいやらしい笑みを浮かべながら再びハンマーで殴りかかってくる。


 「ヒカル、しっかりしろ!!」


 「・・・大丈夫、かすり傷だ・・・!」


 ヒカルは強がるが、立とうとしても足に力が入らず、座り込んでしまった。

 身体の具合が本調子じゃないし、まともに戦える状態じゃねえんだ・・・!!


 「・・・レベッカ・・・!!」


 「ヒカル?」


 ヒカルは、オレの隊服の裾を掴みながら話しかけてきた。


 「・・・アイツを思い切り、ブッ飛ばしてやりたい・・・!!」


 血がにじむ手で、必死に掴みながら、絞り出すような声が聞こえてくる。


 「・・・それなのに・・・まともに戦えない・・・!!どこまでもバカでどうしようもない自分が、情けない・・・悔しい・・・!!」


 言葉から伝わってくるのは、デカブツ野郎、そして自分自身に対する【憤怒】だった。

 どうしても許せない。ブッ飛ばしてやりたくても身体が思うように動けない。何度も立ち上がろうとしても、満身創痍の身体が限界を迎えていて、デカブツ野郎を倒すことさえできない。


 抗えない現実に、自分自身の限界に、ヒカルは怒り、嘆き、苦しんでいた。


 「く゛や゛し゛い゛よ゛ぉ・・・!!私、全然、強く゛な゛い゛よ゛ぉ・・・!!」


 自分の弱さを知り、苦しみ、不甲斐ない自分に激しく憤る。


 彼女の怒りが、オレの心に流れ込んでくる。


 「・・・こういうときぐらいさ、助けてくれって言っても、弱さじゃねえと思うよ」


 「・・・!!」


 「・・・多分、トーマならきっとそう言うと思う」


 オレが何度もトーマと一緒に戦ってきて、本当に辛くて苦しい時に助けを求めることは、弱いことでも情けないことでもないって、アイツが教えてくれた。


 「・・・レベッカァ・・・ッ!!」


 「・・・おう」




 「・・・助けて・・・!!」




 プライドの高い彼女が、涙を流しながら言った一言。


 この言葉が、オレの【大罪】である【憤怒】の導火線に火をつけた。


 頭の中が静かに冷え切っていき、今までの憤怒とは違い、あらゆるものを凍り付かせる冷たさを感じる不思議な感情。


 目の前のデカブツ野郎に対する憎しみや怒りが消えて、何て言うか、つまらないこだわりが消えていく。


 ただやるべきことが一つだけ、決まった。




 「・・・デカブツ野郎、今のうちに念仏を唱えておきな」 


 「ナニ?」


 「・・・お前はオレがここで引導を渡してやるって言っているんだよ、変態野郎が」




 熱い感覚が腰の周りに巻き付いていくのを感じる。

 見ると、オレの腰にはトーマと同じ変身ベルトが装着されていて、オレの手の中には黄金の装飾が彩られた赤色の宝箱が収まっていた。


 宝箱にはオレが持つ憤怒の大罪を象徴する【狼】の紋章が刻まれていた。


 「・・・ご先祖様、憤怒の大罪の力、全て解放するぜ!!」


 七つの大罪が一つ【憤怒の大罪(ラース)】。 


 宝箱をバックルに押し込み、鍵を一気に回し、その力を解放する!




 「・・・七つの大罪(セブンズ・シン)憤怒の大罪(ラース)、解放!!」

花房に寅若の弟を拉致して、人質に取り、斗真を苦しめることで救済しようとしたのは松本の案。

それを利用して、自分の独占欲を満たすために寅若の弟を殺害して、寅若と斗真を争い合わせようと仕向けたのは雨野でした。松本よりも自分の方が優れているということを証明したいというのも理由の一つです。


結果的に言うと、斗真の人生をメチャクチャにしたのは、雨野です。


次回、雨野とレベッカの戦闘回となります!


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

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