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第四話「死者の城~桜は早く仲間を助けに行きたい~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

新作が書きあがりましたので、投稿いたします!

どうぞよろしくお願いいたします。

 【桜視点】


 「全くお前たちは自分が何をやっているのか、分かっているのか!?この大バカ者たちがーーーっ!!!」


 「本当にすみませんでした、マジすんませんでした、反省してまぁす」

 「返す言葉もございませーん。どうか、お許しをー」

 「つーか誰だよ、コイツを復活させたの。マジで面倒くせー」


 「お前ら全然反省してねえだろ!?五体投地で今どき反省するヤツなんて、聞いたことがないわ!!」


 現実世界に戻ってきた後、強欲の魔王にしてオリヴィアのご先祖様でもあるサルヴィア様が机をバンバンと叩きながら真っ赤な顔をして怒鳴りまくっていた。そして、床には頭にそれはもうデカいタンコブをこさえたレベッカさんたちと、七大魔王の5人が床にうつぶせになっていた。


 本人たち曰く「土下座よりもさらに謝罪の気持ちを込めた謝罪の方法、すなわちそれが五体投地である」などと抜かしていたが、もはやサルヴィア様をバカにしているというか、全く反省している様子がない。


 「・・・ヴェルディア様、あの人たち、いつもあんな感じなんスか?」


 「・・・お恥ずかしながら・・・」


 「・・・レベッカたちと魔王様って本当にそっくりよね」


 唯一説教から逃れられた嫉妬の魔王ヴェルディア様は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしており、ニナは呆れ果てていた。先祖も子孫もここまで似た者同士だと、もはや彼女たちのハチャメチャな行動を諫めるなど、無理なような気がしてきた。


 「・・・お前ら、全然反省してねえな。もういいよ、そっちがその気なら、こっちにも考えがあるから。おい、ヴィオレティア」


 「はい~、何でしょうかぁ?」


 「コイツら全員に、淫夢を見せてやれ。かなりヤバいヤツでいい」


 「えぇ~、よろしいのですかぁ~?」


 その言葉を聞いた瞬間、魔王様たちの表情が強張って血の気が引いて、真っ青になった。


 「ば、ば、バカ野郎!?サルヴィア、テメェ、それは反則だろうがよ!?」


 「ヴィオレティア様の淫夢はさすがにシャレにならないっス!!」


 「貴方、わたくしたちにそのような酷い辱めを味合わせるなど、何を考えていらっしゃいますの!?」


 「お前らが全然反省しねえ上に、子孫にちゃんと教育をしねえから悪いんだろうが。異世界から召喚されて右も左もわからねえ異世界人をお前らの都合で散々振り回しやがって。アタシがもしそのトーマとかいう子だったら、とっくの昔に三下り半を叩きつけて逃げ出しているか、命を絶っているだろうねぇ。お前らはあまりにも好き勝手にやり過ぎなんだよ!」


 サルヴィア様が合図をすると、ヴィオレティア様が蕩けそうな笑みを浮かべてシャルラッハロート様たちに顔を向けて、じりじりと近づいていく。シャルラッハロート様たちは目に涙を浮かべて、ガタガタと震えていた。レベッカさんたちも、自分の先祖をここまで脅えさせるヴィオレティア様のただならない雰囲気に、さすがにヤバいと察したのか、表情が強張っていく。


 「夢の中でヴィオレティアに×××なことや×××なことをされれば、少しは考えがマシになるだろうさ。ヴィオレティア、やっちまいな!」


 「は~い。ウフフフ、こぉんなにたくさんの可愛い女の子たちと夢の中で楽しめるなんてぇ、お姉さん、張り切っちゃうわよぉ。たぁっぷりと楽しいことをしましょうねぇ」


 ヴィオレティア様が舌なめずりをしながら、まるで獲物に狙いを定めた美しくしなやかな身体を持つ肉食動物のように見えた。


 「「「「「ご、ご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁいっ!!!」」」」」


 「・・・淫夢、解放・・・」


 そして、ヴィオレティア様の瞳が紫色の光を浴びると、彼女の姿がなくなり、レベッカさんたちがその場でうっすらと瞳を閉じて、その場に倒れて、眠り込んでしまった。

 

 「何が一体どうなったんですか?」


 「・・・ヴィオレティア様の淫夢はね、自分が見せる夢の世界に人の意識を取り込んで、夢の中で・・・その・・・言葉ではとても説明できないようなことをして・・・それを繰り返すことで・・・相手の精神に強烈なダメージを与えるんです・・・」


 「まあ、夢の内容を細かく説明する必要もねえけど、ヴィオレティアに恥ずかしいお仕置きをされまくるんだよ。目覚めたらしばらくはトラウマになることは確実だね。荒っぽいかもしれないけどこのぐらいやらないとさすがにアイツらはダメさ。まあ、1時間ほどで解放されるし、その間に作戦会議でもしようか」


 サルヴィア様はそう言って、会議の準備に取り掛かる。

 後ろでニナさんが「・・・私、助かって、本当に良かった・・・」と小さくつぶやいていた。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 「まず、このヴィナグラート魔城っていうのは、ヴィナグラート霊園のシンボルともいえる建造物でな、パルフェ・タムール地方の王族や国の発展に尽力し、貢献してきた貴族、職人たちを祀るための霊廟となっているんだ。元々はヴィナグラートの領主の城だったものを、領主やその一族がはやり病で倒れて亡くなった時、自分たちが住んでいた城を墓にしてほしいという領主の遺言で、城をまるごと墓に変えちまったのさ」


 「魔城と呼ばれる所以は、城を中心とする巨大な墓地には、強い霊力を得て誕生したゴーストやスケルトン、澱んだ魔力が一部に溜まって生み出されたゾンビやグールといったアンデッド系の魔物が現れたことから、冒険者たちがそう噂したことから、こんな風に呼ばれるようになりましたの」


 「・・・あ、アンデッドやゴーストがいっぱいいる、霊園・・・」


 お化けが大の苦手なニナさんは今にもひっくり返りそうなほどに、顔が真っ青になった。

 そうだ、ニナさんが今回本当に大丈夫なのか、そこが不安だったんだ。

 

 「闇の魔神が自身のホームとしてそこを利用したのは、自身の能力を最大限に活かせる場所だと思ったからだろうな。あの辺りは一日中夜の闇に包まれていて、魔力の加護によって太陽の光が差さない場所なんだ」


 「その分、闇属性の力が強くなるということですか」


 「そういうことだな。そうなると光属性、聖属性などの魔法を使えるアイリスが頼りになる。他にも光属性、聖属性の効果を発揮する武器やアイテムを用意しておいたほうがいいな」


 「・・・そ、そうね、対策がないというわけじゃないんだし」


 そう言って、ニナさんが自身の足元の影に手を突っ込むと、大きな風呂敷包みを取り出した。


 風呂敷を広げると、そこには光属性に力を秘めたまばゆい輝きを放つ光の魔法石をはめ込んだ腕輪や首飾り、光の魔法石を埋め込んだ十字架などのアクセサリーがあった。


 「・・・まだ部屋にあるから、みんなの分も持ってくるわね。私は、ちょっと準備をしてくるから・・・」


 ニナさんはどこかぎこちない笑みを浮かべて、フラフラとおぼつかない足取りで部屋を出て行った。


 「・・・アイツ、確か闇属性と霊属性の能力者だよな?どうしてこんなに光属性のアクセサリーやお守りを持ち歩いているんだ?」


 「・・・まあ、何かあった時に不安にならないようにしていたんでしょうね」


 ニナさんは、オバケやアンデッドを見た瞬間、怖がり過ぎて自分を見失い、大暴走する自分自身を何とかしようと涙ぐましい努力を人知れずしていたようだ。


 お化け屋敷を見たら錯乱してすぐに放火をしようとするわ、オバケが出るところを片っ端から破壊しまくればオバケも慌てて出て行くに違いないという、訳の分からない持論を叫びながら、敵味方関係なくクナイやら爆弾やら投げまくってくるのはもうさすがに勘弁してほしい。


 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーっ!!


 「もう無理マジで勘弁して許してくださいごめんなさいーーーっ!!」


 「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏ーーーっ!!」


 彼女たちは一体どんな夢を見せられているのだろうか。

 白目を剥き、口から泡を吹いて、縄で縛られているため身動きが上手く取れずに、イモムシのように地面を転がりながら絶望と恐怖に満ちた絶叫を上げ続けるレベッカさんたちを見ていると、こっちまで背筋が寒くなってくる。


 「・・・お待たせしました」


 ニナさんが戻ってきた。

 俺たちはニナさんの方に顔を向けた。


 「・・・これなら例えヴィナグラート霊園だろうと、何だろうと、大丈夫よ・・・!」


 俺たちはニナさんの鬼気迫る迫力と、血の気が引いて真っ青になりながらも、目を血走らせて必死に恐怖と戦っているであろう、ゴーストやアンデッド対策として彼女が準備してきた姿を見て、言葉を失った。うん、時間が凍り付くってこういう感じなんだね。


 頭には【南無阿弥陀仏】と筆で書かれたハチマキを巻いて、懐中電灯を二本差し込んでいた。

 首には数珠、十字架、ニンニク、魔よけのアクセサリーをジャラジャラとぶら下げており、着ている忍び装束にはびっしりと裏地にお経が書き込まれていた。そして彼女の手にはたいまつが握られており、腰に巻いているベルトには油が入った壺をぶら下げている。


 うん、ニナさんの姿の方がオバケよりも1000倍怖い。

 こんな姿で外を出歩いていたら、間違いなく通報される。


 「これならオバケが出てきたって、もう怖くはないわ!見つけたら片っ端から、たいまつを投げつけて、全部燃やしてしまえばいいんだから・・・クケケケケ・・・!」


 前言撤回。

 全然、弱点を克服出来ていなかった。むしろ悪化していたらしい。

 

 「・・・あの、すみません。ニナさん、その背負っているカゴには一体何が入っているんですかい?」


 ニナさんが背負っているカゴには、何やら掌にちょうど収まるほどの丸い金属製の物体がぎっしりと詰め込まれていた。銀色の装飾についているのは、俺の目が正しければ、ピンのようにも見えるんですけど?


 「・・・アンデッドやゴーストを吹き飛ばすための、マジック・ボム(手榴弾)よ・・・!」


 うわー、間違っていなかった!というか、予想が当たってほしくなかった!!


 「・・・お前まさか、霊園に出てくるアンデッドやゴーストにそれを手あたり次第投げつけまくるとか、言うんじゃねえよな?」


 サルヴィア様のこめかみに血管が浮かび、怒りを孕んだ低い声で尋ねる。


 「・・・オバケを追い払うには、豆まきが一番効果的でしょう?」


 「豆まきの豆と手榴弾を一緒にするな、このバカーーーッ!!」


 目が完全にイッてしまっているニナさんの頭を、サルヴィア様がハリセンでどついた。


 「お前、ヴィナグラート霊園は世界有数の墓地として、世界中の貴族たちや王族が眠っているんだぞ!?そこを手榴弾であっちこっちを吹き飛ばしまくったりなんてしたら、世界中の王族や貴族から苦情の嵐が舞い込んでくるぞ!?そんなことも分からないの!?ねえ、アンタだけはまともだと思ったアタシがバカだったっていうのかい!?」


 「レベッカなんかについていこうとしている時点で、頭がまともじゃないことに気づきなさいよ!」


 「そんなことを自信満々に胸を張って言うんじゃないっ!!」


 当然この後、ニナさんは手榴弾や武器を全部没収された上に、追加でヴィオレティア様の淫夢を見せられる羽目となり、残された俺とサルヴィア様、ヴェルディア様は深くふか~くため息をついた。


 早く、斗真やミーナたちを助けに行きたい・・・。

ニナ、まともそうに見えてやっぱり問題児だった模様。

自分だけはこの中では唯一の常識人だと本気で思っている分、矯正が難しいタイプです。

桜たちの気苦労は止まりません・・・。


次回は斗真パートになります!


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

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[一言] ブロンズ・ルド「えげつないなあれ」 シルバーン「あれはこの世の終わりだな」 首領・ゴールド「殺生院キアラよりヤバいなあれは それに比べたら、カートゥーンキャットとかカートゥーンドッグとか喪黒…
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