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第十六話「”彩虹の戦乙女”救出大作戦⑭~VS木の魔神・ヴァルドゥング①~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

新作が書きあがりましたので、投稿いたします!

どうぞよろしくお願いいたします!

 【斗真視点】


 「・・・何だ、あれは?」


 屋敷から赤色、オレンジ色、緑色、藍色、紫色の光が次々と飛び出してきた。

 そして、オレンジ色の光がアレクシアさんに向かって飛んできた。


 「間違いありませんわ、これは私の魔力!!」


 オレンジ色の光がアレクシアさんの身体を包み込むと、見る見るアレクシアさんが元の姿へと戻っていく。そして光が晴れると、そこには大人の女性の姿に戻ったアレクシアさんが立っていた。


 「・・・やっと元の姿に戻ることが出来ましたわ!」


 胸や腰に巻いていた布が落ちて、一糸まとわない生まれたままの姿で・・・。


 ヤバいーーーーーーっ!!


 とにかく急いでアレクシアさんに服を着せないと!!僕は頭に血液が急激に集まってくる感覚を必死でこらえて、片手で鼻をつまんで抑えながら、もう片方の手で針と糸を持ち、アレクシアさんの所に飛んでいく!


 「必殺、瞬間裁縫!!」


 近くにあった木の葉や木の実などの素材や、そこら中に漂っている魔力を糸に変えて瞬時に布に仕立てて、アレクシアさんの身体にフィットする緑色のシャツ、黒色のベスト、そして彼女のトレードマークである長い白衣を仕立てて、彼女に着せた。


 や、ヤバかった。

 アレクシアさんの裸なんて直視した日には、致死量レベルの鼻血を噴き出してぶっ倒れるからな。花房をボッコボコにする前に、仲間の裸を見て鼻血を噴き出して失血死なんてあまりにもカッコ悪すぎる!


 「あらあらまあまあ~、そんなに慌てて服を準備しなくてもよろしいですのに~。もう少し、私の身体を堪能してもよろしいのですよ~?」


 「僕に死ねと!?」


 アレクシアさんの身体に合わせて作ったはずのシャツを胸元まで開き、谷間を見せてこれ見よがしに揺らしながら上目遣いで誘惑する彼女から、僕は目を背ける。僕だって男性なんだぞ、そういうことをされるとどうしたらいいのか分からなくなるから、とにかくやめなさい!


 「・・・ウフフフ、本当に助かりましたわ~。今夜はご褒美に、私がたっぷりとご奉仕して差し上げますわよ~?まあその前に、こんな騒ぎを起こしてくれた大バカ野郎を叩き潰さないといけませんわね」


 草むらをかきわけて飛び出してきたのは、寝間着姿の花房だった。


 「花房!!」


 「・・・貴様」


 「な、な、何てことをしてくれるのよぉ!!アタシのお屋敷をよくも氷漬けにしてくれたわねっ!?あれ、アタシのお気に入りだったのに!!ひどいわっ!!」


 花房は目に涙を浮かべて、ハンカチを噛みながら怒鳴りつけてきた。


 「・・・そっちから散々喧嘩を売ってきたくせに、今更何を言ってやがる。こっちはな、お前をブッ殺しにきたんだよ」


 「貴方の遊びはあまり面白くないわね。梶くんと早く殺し合いがしたいんだから、貴方にはさっさと消えてもらうわよ」


 「・・・どうやらおふざけはここまでのようね」


 花房がニィっと獰猛な光を瞳に宿して、唇の端を釣り上げて・・・笑った。


 コイツもかなりまともじゃない。雁野や光、アレクシアさんの殺気を浴びて笑っていられるなんて。


 まさか、まだ自分が勝てるという見込みがあると言うのか?


 「・・・一つだけ教えろ、花房」


 ワータイガーの姿のまま、光が花房を恐ろしい目つきで睨みつけながら、低い声で尋ねた。

 一体、何を聞こうとしているんだ?


 


 「・・・私の弟、寅若明を殺したのは、お前だというのは・・・本当か?」




 え・・・?


 ちょっと待て、それ、どういうことだよ?


 だって、明はヤクザの息子が拳銃を発砲して、ガスタンクの爆発事故に巻き込まれて死んだはずじゃなかったのか?それとも、本当はコイツが明に何かやったのか?


 「・・・答えろ・・・!!」


 「・・・ええ、そうよ。あの時、アタシもあの不良グループにいたのよぉ。ボスだったヤツは、面白半分で拳銃を撃ちたかっただけなんでしょうけど、間違ってガスタンクを爆発させたら、ビビッて逃げ出しちゃったのよね。その時、拳銃を置きっぱなしにしてね」


 花房の顔が、醜悪な笑みを浮かべる。


 「その時には、まだあの子は生きていたのよね」


 舌なめずりをして、いかにも楽しかった思い出を話すように、笑いながら花房は話を続ける。




 「だから、あの子の後ろから思い切りキツイ一発をくれてやったのよ!!!」




 「・・・明を・・・なんで・・・殺した・・・?」


 「だって、あのバカが拳銃まで持ってくるとは思っていなかったけど、もしあの子が生き残って警察にチクったりしたら、アタシまで捕まっちゃうでしょう?」 


 口封じのために、明を・・・殺した・・・?


 そんな理由で・・・!?


 「それに、一度はやってみたかったのよね。ゲームじゃなくって、本当に人を殺すってどういう感じなのか、試してみたかったのよ!まあ、やってみれば意外とあっさり人って死んじゃうのよね。正直、興ざめっていうか、あまり楽しいものではなかったわね」


 「・・・殺しを楽しむために・・・弟を・・・殺した・・・?」


 「ええ、やっぱり人を殺すにはあんな場当たり的にやるものじゃなくって、もっと趣向を凝らしたり、念入りに準備を整えてから、楽しむものだということに気が付いたわぁ」


 花房はまるで舞台女優のように大げさに両腕を広げて、芝居がかった台詞を満足そうに続ける。


 「だから、この世界に転送されて、魔神の力を手に入れたときには本当にうれしかったわ!この力があれば、もはやアタシを止めることなど誰にも出来はしない!アタシは世界中の人間や魔物の命を、自分の舞台の上で思いのままに操り、アタシの思うがままに殺し合いをさせることが出来る!まさに、アタシは・・・全ての命を演出することが許される神になったのよ!!オーッホッホッホッホッホッホッ!!」


 「・・・・・・もう黙れよ」


 僕はもうこれ以上、コイツの話を聞きたくない。

 頭の中が燃え上がるような激しい怒りを通り越して、もはや何も感じない無気力にも似た得体のしれないどす黒い感情が、僕を突き動かしている。


 「・・・そんなつまらねぇ理由で、明を殺したのか?」


 一歩、また一歩とアイツに近づいていく。


 「・・・アイツは、可愛い弟分だった。いつも僕にくっついてきて、慕ってきてくれていた」


 「・・・斗真?」


 そして、花房が射程範囲に入った。




 「・・・そんなアイツを、テメェが、殺したのか・・・!?」




 「・・・ひっ!!」


 もうそこから頭が真っ白になった。

 コイツだけは絶対に許せない。


 グシャッ!!!


 スクラップを粉々に崩すような大きな音。

 僕の右足の先端が花房のこめかみをとらえて、思い切りめり込んでいた。


 「ごはっ・・・!!」


 歯が数本折れて吹き飛び、白目を剥いて、花房が吹き飛ばされた。

 地面を転がり、ボロボロの姿になった花房は倒れこんだまま動かなくなった。


 「・・・こんなもんじゃ済まさねえよ・・・!!」


 もうどんなことになっても知るものか。

 今、生まれて初めて本気で人を殺したいと思うほどに、心地よい憎しみで満たされていく。

 どす黒い感情に、理性が飲み込まれていく。


 (・・・あらあらまあまあ~、さすがにこのまま闇堕ちはちょっとヤバいかもしれねぇな)


 その腐り切った頭・・・。


 踏みつぶしてやる・・・!!


 「・・・死ねよ、花房・・・!」


 その時だった。


 背中を思い切り蹴り飛ばされて、僕は地面に身体を打ち付けて倒れた。


 顔を上げると、そこには・・・ワータイガーになった光が僕を見下ろしていた。


 「・・・光?」


 「・・・お前は手を出すな。コイツは私が殺す。お前の出る幕など今更・・・ない!!」


 ちょっと待てよ。

 僕はコイツを倒さないといけないんだ・・・!


 僕が動こうとしたが、思い切り蹴られたところが傷み、立ち上がろうとしても力が出ない・・・!


 「トーマちゃん!!」


 アレクシアさんが僕の身体を抱き上げると、お姫様抱っこをして、花房から遠く離れた。


 「・・・どうして・・・」


 「アイツのことをブッ殺したいのはよく分かりますわ~。生かしておいても他人や世界に害しか与えない人でなしですもの~。・・・でもよ、そんな外道のためにお前がクズになっちまうのは、ガマン出来ねえよ」


 「・・・で、でも・・・!」


 僕が言葉を言いかけた時、アレクシアさんが僕の唇に自分の人差し指を置いた。


 「・・・恨むなら恨んでくれても構わねえさ。でもな、アンタがアイツを殺してぶっ壊れるぐらいなら、私の全部をかけてでも止めてやるぜ。お前は私の獲物ものなんだよ。可愛い弟分があんなクズのために闇堕ちなんてされてたまるか。・・・レベッカたちを悲しませることになってもいいのかよ?」


 大アネキ、そしてみんな・・・。


 みんなの顔がよぎった瞬間、さっきまで心地よかったはずの憎しみが、冷たくて気持ち悪い感じに変わっていき、思わず吐きそうになる。


 「・・・アイツを倒して封印する。お前はそのことに専念すりゃいいんだよ。まあ、お前がアイツを殺したくなるという気持ちは分からないでもないけどな。あれはいくらぶん殴っても絶対に反省しない。真性のクズだ」


 「・・・そうかもしれないけど、僕、アイツのことが許せねえよ・・・!ブッ倒してやりてぇよ!!」


 悔しい。大事な仲間があんなヤツに殺されたかと思うと、恨みを晴らさずにはいられない。


 涙が出てきて、拳を強く握りしめる。今すぐにでもアイツをこの手で倒してやりたい!!


 


 「だったら派手にやっちまえ。さっきまでは”殺す”だったのに、今は”倒す”になった。それならOKですわ」


 「・・・え?」


 「闇堕ちなんて、外野から見ればカッコ悪いうえに後始末が面倒くさくなるだけですわよ?もしそれでもやるっていうなら、抑えられる今のうちにヤッちゃいますわよ?」




 そう言って、僕の頭をポンポンと撫でながらアレクシアさんは微笑んだ。


 ああもう、本当にカッコ悪いな、僕は・・・。


 でもさっきまでのドロドロとした黒い感情は少しだけ・・・薄れたような気がした。


 「・・・行ってくる!」


 「ええ、いってらっしゃい!」


 そう言って、アレクシアさんはポンと僕の背中を送り出してくれた。

斗真、闇堕ち回避。

ここで闇堕ちさせて暴れさせるかどうか悩みましたが、アレクシアが魔王として覚醒する話に繋げるために、斗真を何とか止める展開にしました。花房を殺すのではなく、倒して封印するという方向に変えましたが、次回からは花房に対するざまぁな展開になります!


ざまぁの展開や、憎しみと怒りを場面によってどう表現すればいいか、改めて小説を読んで勉強しております。まだまだ未熟者ですが、今後ともよろしくお願いいたします。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[一言] ブロンズ・ルド「ここまでクズだったとはな・・・」 シルバーン「こいつには阿鼻叫喚なお仕置きをした方がいいな!!」 首領・ゴールド「存在してはいけない生き物だ 消し去らねばならん!!」 サカズ…
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