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第十四話「”彩虹の戦乙女”救出大作戦⑫~鬼姫と凶鳥と猛虎と暴食の獣~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

新作が書きあがりましたので、投稿いたします!

どうぞよろしくお願いいたします!

 【斗真視点】


 「うわああああああっ!?」


 「ちっ・・・!!」


 僕と雁野を乗せたまま、ボートのブースターから勢いよく炎が噴き出して、風を切る速さでボートが飛んでいく。唯一の命綱ともいえる操縦かんを握りしめて、暴走しない様に全神経を操縦かんに集中する。このまま建物に突っ込んだりしたら、間違いなく僕たちはお陀仏確定だ。


 嫌だ!こんなアホな理由でまだ死にたくない!!

 ましてや、雁野と心中なんて死んでもごめんだ!!


 その時、僕のひざ元にひょっこりと何かが飛び出してきた。


 「あらあらまあまあ~、ビビちゃん、本当に派手にやらかしましたわね~」


 それは何と、アレクシアさんだった。


 「アレクシアさん!?どうしてここに!?」


 「そりゃ、ビビちゃんが何かを仕掛けてトーマちゃんが勝てるようにしたとおっしゃっていましたから、ビビちゃんに抜け駆けさせる前に、私も何かお手伝いをしたいと思いましてね~」


 そして、操縦かんを握りしめると、アレクシアさんの顔色が豹変した。獰猛な笑みを浮かべて、いつもは朗らかな笑顔の仮面で隠しているブラックな本性を露わにしている。


 「・・・トーマちゃん、私に少しばかり命を預けてもらおうか。限界まで・・・トバすぜぇぇぇっ!!」


 「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 アレクシアさんがハンドルを右に左にものすごい速さで回転し、その度にボートが激しく揺れ出す。コーナーに差し掛かろうとした瞬間、アレクシアさんが狂気に満ちた笑い声を上げながらハンドルを思い切り回す。


 「ヒャッハッハッハッハッハッハ!!どうよ、この4輪ドリフトはよぉぉぉーっ!!すげぇだろっ!!シビれるだろぉぉぉっ!?ヒャッハァァァーーーーーーッ!!!」


 「や゛め゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ーーーっ!!」


 「マシンは私だぁぁぁっ!!私がマシンだぁぁぁっ!!何人たりとも、私の前は走らせねぇっ!!首位は誰にも渡さねえぜ!!」


 「もうとっくの昔に相手なんてどこにもいないよっ!!」


 というか、さっきのロケットエンジンを噴出した時に、噴射に巻き込まれてワニごと吹き飛ばされたのが見えたような気がする。そして、辺りを見ると外には川から追い出されたワニたちが目を回して倒れており、リベルとかいうトンボの虫人がボート小屋の屋根に頭から突き刺さっている姿が見えた。


 せめて、気絶ぐらいで済んでくれることを心から願おう。


 その時だ。


 花房の気配が、ブラオベーレの町で会った時と同じぐらい強く感じた。

 視界、聴覚など全ての感覚・意識を集中させて、花房がどこにいるのか、気配を探る。




 「・・・次のカーブを全力でぶっちぎって」


 「て、おい?いいのかよ、カーブにこのままツッコんだら、クラッシュは免れないぜ?」


 「だから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その先に、花房がいる!!」


 


 花房が張っている結界も、このボートに積んでいるエンジンに内蔵されている魔力をフルで出して、思い切り衝突すれば、結界をぶっ壊すことが出来るかもしれない。


 4つのアトラクションをクリアして、花房が大人しく僕たちを自分の隠れ家に案内するとは思えない。

 きっと何かしら罠を仕掛けているに違いないだろう。それなら、こっちから乗り込んでやる。生憎こっちは守りなんざ最初から得意じゃないんだよ。実質作戦は「攻め」の選択オンリーでやる連中しかいないんだから。


 「・・・殴り込みってか?」


 アレクシアさんが獰猛な笑みを浮かべた。それに対して、僕は肯定の笑みで返す。きっと今の僕の顏はかなり怖いものになっているのだろう。(前にニナから”トーマがキレた時の表情はかなりヤバい!”と泣かれたことがあった。あれはショックだった)


 しかし、もうこっちだって散々振り回された挙句に、桜を傷つけてくれた花房のことを毛頭許すつもりなどない。断崖絶壁から100回突き落としても気が済まないぐらい、腹が立っているんだ。


 「・・・そういうこと!!」


 「ウフフフ、やっぱり貴方は退屈させないわね。それ、私も参加させてもらうわ。もう暴れたくて暴れたくて我慢が出来なかった所よ」


 「一瞬でもスキを見せたら、今度こそテメェを地獄に送り届けてやる」


 「・・・そうよ、その他の人には見せない冷たい瞳、私を本気で殺そうとする憎しみに満ちた思い、貴方も私のことを殺したくて仕方がないんでしょう?貴方と一緒に憎しみをぶつけ合うこの時だけが、気分がスッキリするのよ・・・!!」


 「・・・この女、マジでもう手遅れだな」


 「そんなこと、もう今更だよ」


 雁野は、狂気で光を失った瞳を細めて、頬を赤く染めて嬉しそうに微笑む。


 そして、カーブがもう目の前に迫ってきている。

 このカーブを超えなければ、300キロ以上のスピードでボートごと叩きつけられて、大怪我は免れない。しかし、メーターを限界まで振り切って、けたたましい獣の咆哮のようなエンジン音を鳴らしながら、スピードを上げていく!!




 「「越えろぉぉぉぉぉぉっ!!!」」




 カーブの曲線に差し掛かる直前にボートをわずか上に傾けて、そのまま勢いに任せてボートは柵を破壊して・・・宙に舞い上がった!!


 「振り落とされるなよっ!?」


 「上等!!行くぜ、殴り込みだぁぁぁぁぁぁっ!!」


 木々をかき分けて、最高時速500キロメートルに達するスピードで暴走するボートはひたすらまっすぐ突き進み、目の前にあるものを全て吹き飛ばしていく!


 そして、目の前に広がる”森林”の開けた風景に、違和感を感じた。

 きっとここが、花房がいる拠点に繋がっている扉だ!


 「トーマちゃん、どうするつもりだ!?」


 「結界をぶっ壊す!!」


 右足に意識を集中させると、脚全体に熱が帯びてきた感覚と同時に、炎が、冷気が、雷が、様々な属性の魔力が足の先端に集まって虹色の光を放ち出す。


 「行くよっ!!!」


 


 シートベルトを外し、吹き飛ばされそうな風圧を身体中に浴びながら、それでも体制を崩さない様にボートの先端に着くと、ボートが飛び出すのと同時に、僕は勢いよく反動を利用して跳んだ!




 「神羅万象!!全魔法・破竹之勢はちくのいきおい!!」




 何もない空間に蹴りを繰り出した瞬間。


 バキッ!!!


 まるで窓ガラスが割れたような音がして、空間には巨大なヒビが生じていた。

 そしてそのままボートが突撃していく。


 ガッシャーーーーーーン!!!


 森林の風景が粉々に砕け散り、目の前には毒々しい赤色の薔薇がいくつも咲き乱れている不気味な森の中にボートが飛び込んでいった。


 そしてボートが火花を散らしながら地面を削っていき、これ以上は危険だと悟り、僕たちはボートから飛び降りた!


 やがてボートは炎に包まれながらものすごい勢いで奥にある巨大な薔薇・・・全長10メートル以上はあるもはや植物とは言えないほどの化け物のような植物に向かって突っ込んでいくと、派手に爆発を起こした。炎上して、ツタに次々と火が燃え移り、薔薇がまるで悲鳴を上げているかのように音を立てながら炎に包まれていく。


 『い゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーっ!!あ、あ、アンタ、何てことをしてくれたのよっ!?アタシが可愛がっている人食い植物の【ローゼリア】ちゃんを燃やすなんて、ひどいわっ!!』


 どこからか、花房の悲鳴のような声が上がった。人食い植物だって?なるほど、アトラクションをクリアして僕たちがここにたどり着いたら、あれを仕掛けて襲い掛かるつもりだったのか。


 炎に包まれて、無数の薔薇から牙が生えた口がむき出しになり、苦しそうに断末魔の絶叫を上げる。炎に焼かれて、黒い炭と化して次々と花の残骸やツタが焼け落ちていく。


 「花房、約束通り、出てこいよ!!大アネキたちを元の姿に戻してもらうぜ!」


 『約束ぅ?そんなもの、知らないわよ!貴方たちはここで全員死んでもらうわよ!!アタシが生み出したこの可愛いベビーちゃんたちが相手になるわ!!』


 花房の声を合図に、僕たちの周りの草むらから次々と根っこを足の代わりにして歩いてくる異形の化身・・・頭に巨大な花を咲かせて、全身が緑色の皮膚を持つ女の子の姿をした魔物娘【アルラウネ】が現れた。先端が鋭くとがっているツタをまるで生き物のように自在に操り、うつろな瞳をこっちに向けると、赤色の瞳に殺意が宿った。


 その時だった。


 草むらをかき分ける足音が、後ろから聞こえてきた。

 そして、僕が振り返るのと同時に、草むらから飛び出した黒い影が僕の目の前にいたアルラウネに向かっていくのが見えた。


 「・・・え?」


 アルラウネの顔面に蹴りが放たれる。

 果物が潰れるような音と同時に、アルラウネの顔面がめり込むほどの強烈な蹴りを受けて、アルラウネはそのまま顔面がめり込んだまま倒れて、動かなくなった。


 「・・・やっと会えたな、斗真」


 そこにいたのは・・・。


 「・・・光!?」


 僕の幼なじみの女の子・・・【寅若光】だった。

 黒髪に金色のメッシュを編み込み、切れ長の瞳をこっちに向けると、彼女は狂気を孕んだ獰猛な笑みを浮かべた。


 「やっと会えたわね。ようやくこの手で、アンタを殺せる日が来たわ」


 拳をギリリと音がなるほどに強く握りしめて、光は腰を低くかがめて身構える。


 「・・・僕のことを狙っているって言うのは、本当だったみたいだね」


 「・・・お前が日和ったせいで明が死んだ。ずっと信じていたのに、お前は私たちを裏切った」


 その時だ。


 「あの~、お取込み中失礼しますが、今のこの状況を分かっていらっしゃいますか~?喧嘩なんてしている場合じゃないと思いますわよ~?」


 アレクシアさんが光を窘める。光が周りを見て、無数のアルラウネたちに取り囲まれていることを確認すると、呆れたように鼻を鳴らした。


 「邪魔だな。それなら、斗真ごと全員片付けてしまえばいいだけだ」


 「ウフフフ、そうこなくっちゃねえ!!」


 雁野が炎で長剣を生み出して身構えると、光も面倒くさそうに拳を握りしめて身構えた。




 ああもう・・・!!

 こうなったら、ヤケクソで暴れてやるぜ!!

斗真と光がついに再会しました。

問答無用で襲い掛かる光に対して、腹をくくった斗真。

次回はバトルパートメインで、一生懸命書き上げたいと思います!


次回もどうぞよろしくお願いいたします!!


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― 新着の感想 ―
[一言] ブロンズ・ルド「雁野美月、寅若光、花房青龍 全員揃ったね」 シルバーン「まとめて地獄を見せてやる!!」 首領・ゴールド「いよいよだな あいつらもこの時を待っていたからな!!!」 シルバーン「…
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