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第八話「”彩虹の戦乙女”救出大作戦⑥~レベッカVSニナ~」

本日二回目の投稿をいたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

 【レベッカ視点】


 「誰か助けてぇぇぇぇぇぇっ!!このままじゃ、お家が燃えちゃうーーーっ!!」


 「アハハハハハハハハハ!燃えろ!燃えろ!もっと燃えろ!!悪霊退散!悪霊退散!うけけけけけけ!」


 いや、お前の方がどこからどう見ても悪霊だろうが。

 はあ、まさかとは思っていたけど本当にアイツだったとはな。

 燃え盛るホラーハウスの中に突入して、大広間にたどり着くとそこではニナが狂ったように笑いながら、背中に背負った火炎放射器を振り回して、辺り一面を火の海に変えていた。


 「お願い、助けて!!私、どうしてこんな燃えているお化け屋敷の中にいるの!?さっきまで、お昼のお弁当を食べていたはずなのに!?」


 そういって泣きついてきたのは、極彩色の蝶を思わせる翅を生やした【蝶人族パピヨン】の女の子だった。どういうことか分からねえけど、彼女も巻き込まれたって言う感じかな。


 「とりあえずここから外に出て、転移魔法陣でアイリスっていうヤツの所に行け。アイツなら話が通じると思う」


 万が一に備えて、道に迷った時にアイリスの所に強制的に引き戻される転移魔法陣を迷子札の代わりに持っていてよかったぜ。まあ、ついさっきまで忘れていたから持っていても意味がなかったんだけどな。


 彼女が転移魔法で移動するのを見送ると、火炎放射器を振り回しながら踊り狂っているアホの所に近づいて、何とか説得を試みる。このままじゃ、オレたちだって焼け落ちる屋敷の下敷きになりかねない。


 「ニナー!オレだ、オレ!落ち着けって!!」


 「・・・団長?」


 「おう、そうだ!全く何をやっているんだよ、オラ、大人しく脱出するぞ・・・」


 「団長の幽霊だぁぁぁぁぁぁっ!!」


 うおっ、あぶねえ!!


 このバカ、何てことをしやがる!?いきなり人に向かって火炎放射器をぶっ放すなんて頭がおかしいだろうが!?オレがとっさに太い火炎弾をかわすと、ニナがオレのことを焦点の合わない瞳で見つめながらケタケタと壊れたような笑い声をあげている。


 「燃えるのはただのオバケだ!燃えないで逃げるのは訓練されたオバケだ!!そして団長のふりをして騙そうとするのはさらに訓練されたオバケだ!!全くお化け屋敷って言うのは地獄だぜ!!アーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」


 はい、もうダメです!完全に頭がクルクルパーです!!


 はあ、オバケのことになるとすぐに暴走するんだからな・・・!

 だからと言って、このまま放っておくわけにはいかねぇんだよな。オレは両足を火炎に変えると、地面を蹴り飛ばして走り出した。


 「アハハハハハハ!!オバケのくせに、団長そっくりの動きをするなんて生意気かな、かな。団長の姿を騙ったことを、あの世で後悔するといいよ!アハハハハハハハ!」


 ニナが無数のクナイを生み出すと、オレに向かって投げ放ってきた。


 足に纏った火炎を噴射させて、飛び交うクナイを次々とかわしていく。


 そして、素早くアイツが背負っている火炎放射器を奪い取ると、そのまま天井に向かって放り投げた!火炎放射器は炎に包まれると、屋根に巨大な穴をブチ空けて爆発した。

 

 そして、呆然としているアイツの頭を思い切り殴りつける!


 「目ェ覚ませ、このバカ野郎!!アホ!!貧乳!!」


 「ブッ殺すぞ、貴様ァ!?・・・て、あれ、団長?どうしてここにいるの?というか、どうして家の中が燃えているのよ!?何、また屋内で火炎魔法をぶっ放したの!?あれほどやるなって言っているのに!!」


 「・・・あ~、とりあえず外に出てるぞ。話はそれからだ」


 全くこのアホは、ある意味ヴィルヘルミーナやアイリスと同じぐらい頭の中がヤバいじゃねーか。

 何が「この傭兵団唯一の常識人」だよ、全然説得力がないわい。


 オレはとりあえずニナを抱えると、転移魔法陣(予備で持っていた)で外に出ることにした。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 数十分後・・・。


 ホラーハウスは見事に焼け落ちて、柱が数本立っているだけの無残な姿を晒していた。ヤバかったな、もう少し手間取っていたら、オレたちも巻き込まれてぺっちゃんこになっていたかもな。


 「・・・というわけだよ」


 「・・・返す言葉がございません」


 ニナは頭にデカいタンコブを作り、地面に正座したままうなだれていた。

 話を聞いてみたところ、やはりオレの想像通りだった。


 ニナは牢屋から脱出した後、はぐれてしまった仲間たちを助け出そうと探していたが、偶然この洋館を見つけて、探索をするために潜り込んだ。しかし、ここがお化け屋敷とは知らなかった彼女は、館の至る所から自分を驚かしてくるオバケの度重なる猛ラッシュの洗礼を受けて、完全に追い詰められた末に発狂し、あのような大惨事をやらかしたそうだ。


 「・・・いくらお化けが苦手だからと言って、お化け屋敷を放火しようなどとよく思いついたものだな」


 光が腕を組んで、ドン引きした様子でため息をついた。


 「全く、お前はあとで姐さんか首領ナントカの3人組に頼んで、オバケ嫌いを直してもらえるように特訓でも受けてもらった方がいいんじゃねーのか?」


 「・・・私のオバケ嫌いを直すって、どうやって?」


 「そりゃ、一日中心霊スポットに行ってオバケが怖くなくなるようにしてもらうとか?」


 「そんなことをやられるぐらいなら、団長も陛下も助っ人の人たちも全員血祭りにあげてやる」

 

 あ、これマジで殺る気マンマンだわ。


 完全に目が座っているし、クナイをペロペロと舐めている姿はどこからどう見ても立派な殺人鬼だ。


 「・・・レベッカ、お前、ものすごいヤツを仲間にしているものだな」


 「コイツなんてまだ可愛いほうさ。それ以外にも、万年発情期を迎えている痴女とか、腹の中が真っ黒すぎる暴力女医とか、ショタコンとブラコンを拗らせまくった変態シスターに、何を考えているのかさっぱり分からない無口な宇宙人や、命よりも金の方が大事と言い切る守銭奴とかいるからな」


 「・・・まともなヤツが一人もいないじゃないか」


 「しょっちゅう道に迷いまくるわ、思ったことを考えずにすぐに口に出してしょっちゅうトラブルを引き起こしている方向オンチのバカには言われたくないんですけど」


 少なくとも、お前たちよりはマシだもん。

 この中で、一番まともなのは多分オレだと思う。


 「・・・どんぐりの背比べということわざがあるんだけど、まさにお前らのことだろうな」


 あれ、それって前にサクラやトーマが言っていたけど、どういう意味なんだ?

 意味が分からないって言ったら、二人そろって頭を抱えてため息をついていたけど。


 「ところで、この人は誰よ?」


 「ああ、コイツはヒカルって言ってよ!オレと同じ方向オンチで、三度の飯よりも喧嘩が好きっていう、すごくいいヤツなんだよ!ここで知り合って、親友ダチになったんだ!」


 「・・・ふーん、ヒカル、ねぇ。まあ、いいわ。ニナ・ナルカミよ。団長の友人なら大歓迎よ」


 「寅若光だ、よろしく頼む」


 (トラワカ・ヒカル?あれ、どこかで聞いたことがあるような名前だけど?)


 「それにしても、他の仲間たちとはぐれてしまったのか?」


 「ああ、ここに連れてこられたのはオレとアイリス、ビビアナ、ヴィルヘルミーナ、オリヴィアの5人だ。アレクシアだけは何とか逃がすことに成功したから、救助の応援を呼んでくれていると思う。そいつらとも合流出来れば、あとはさっさと仕掛けを解除して、あのオカマ野郎をブッ飛ばすだけなんだよ」


 「・・・花房、か。アイツにも貸しがあったな。それにしても、その応援というのは、頼りになるのか?」


 「おうっ!それなら大丈夫だぜ!アイツらはやる時にはちゃんとやるヤツらだしな!」


 「彼らなら大丈夫。私たちが心から信頼できる仲間なのよ」


 「・・・そうか。そう言う頼りになる仲間がいるというのはいいな。私には、もうそう言った仲間はいないからな」


 光がどこか寂しそうに笑った。


 オレは光の前に立ち、彼女の両手を両手で包むように握って話しかける。


 「それならよ、お前もオレたち”彩虹の戦乙女”の仲間にならねえか?」


 「・・・何?」


 「ていうか、オレ、お前のことメチャクチャ気に入っちまってよ~!異世界人で仲間にしたのは、これで4人目だ!他の連中も気のいい連中ばかりだからさ、きっとうまくやっていけるって!」


 「また勝手にスカウトするんだから。団長、一応聞くけど、彼女の素性とか詳しいことは知っているの?」


 「知らね。でも、これから知っていけばいいじゃねーか!オレはコイツのことが気に入ったから、仲間にしたいんだ!」


 喧嘩の腕前はオレと同じぐらい強いし、きっと楽しくなると思うんだ!それに、サクラやツバサ、トーマにも紹介して、異世界人の新しい仲間が増えるときっとすごく楽しいと思う!


 「・・・すまない。まだ、その話には応じることは出来ん。私にはまだやらなくてはならないことがあるんだ」


 「えーと、確か、昔自分を裏切った仲間にけじめをとらせるといった話だったっけ?そいつって、どういうヤツなんだ?」


 「・・・喧嘩の腕前だけならおそらく私と互角か、それ以上だろうな。アイツは普段は気弱で大人しいから弱いヤツと思われがちだが、一度本気になったら相手を徹底的に潰して地獄を見せる。仲間思いで、自分のことよりも仲間が手を出されたら黙っていられないタイプだ」


 ふーん、それならいいヤツじゃねえのか?でも、どうしてそんなヤツがヒカルを裏切ったりしたんだ?


 「・・・だが、結局アイツは日和った。相手がヤクザの跡取り息子という理由で、私がアイツに手を出そうとするのを必死に止めて、私たちには何もするなと言ってきた!その結果、図に乗ったそいつらに、私の家族の命は奪われた!」


 あれ・・・?


 やっぱりこの話、どこかで聞いたことがあるぞ?


 「・・・そいつの名前って?」




 「・・・梶斗真。私の親友だった男だ」




 この時ほど、オレは自分の頭の物覚えの悪さを恨んだ日はなかった。


 コイツが、斗真の命を狙っている【寅若光】だって・・・?


 


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[一言] 首領・ゴールド「ゼロ・ワールドにぶち込んだほうがいいかもしれねえな」 シルバーン「ゼロ・ワールドってなんだ?」 首領・ゴールド「すべてがゼロ、つまり何にもない世界のことだ もしもの時はニナを…
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