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第六話「”彩虹の戦乙女”救出大作戦④~暴走!バトルコースター!~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

新作が書きあがりましたので、投稿いたします!

最近熱くなってきましたが、熱中症や夏バテにはどうかお気を付け下さいませ。

 【斗真視点】


 僕は桜と手分けをして、ダンジョンマスターである花房が待ち構えている拠点に繋がっている扉の鍵を手に入れるために、4つのアトラクションを一つずつクリアしていくことにした。


 そして、僕がやってきたのは【線路から線路に飛べ!爆弾をかわして、相手に投げつけろ!生きるか死ぬかのバトルコースター!】といううたい文句のコースター乗り場だった。


 看板には巨大なネズミを模したデザインのコースターに乗ったゴブリンが爆弾を投げている看板や、線路と線路の途中が切れていて、穴の中に真っ逆さまに落ちていく満面の笑みを浮かべているゴブリンの看板が飾り付けてある。


 こんなアトラクション、一体誰得なんだよ。

 線路と線路が途切れている時点で、安全性の欠片もねーだろ。そのうえ、隣を並走するコースターに乗り込んでいる相手をゴールにたどり着く前に爆弾で吹き飛ばして1位になることがクリアの条件というあたりが、このアトラクションを作った花房の頭の中がいかにお花畑のパッパラパーであることを物語っている。


 「・・・行くしかないか」


 僕が意を決して、コースター乗り場に向かった。

 

 「ようこそ、バトルコースターへ!!お待ちしておりましたよ、カジ・トーマ様!!」


 僕を出迎えたのは、クワガタムシのような二本の角を生やし、屈強な筋肉で覆われている上半身がはち切れそうな軍服を身に纏った虫人族インセクトの男性だった。強面な顔つきで、慇懃な態度で僕を見下ろしている。


 「貴方がここの管理人、花房の部下ということですか?」


 「・・・ふう、やっぱり慣れねぇ敬語なんざ使うもんじゃねえな。肩がこっちまう。ああ、そうだ。俺様をこのコースターで倒すことが出来れば、仕掛けが解除されるってことだ。ルールはいたって簡単、俺とお前が同時にコースターに乗り込んで、コースターに積んである爆弾をお互いに投げつけ合って、どちらかが線路から脱線するか、爆弾を喰らって吹き飛ばせば生き残ったヤツの勝ちさ。もしゴール地点まで両方とも生き残っていれば、その時は二人まとめて・・・ドカン!!」


 「・・・それじゃ、アンタだって危ないじゃないですか!!」


 「へっ、戦いっていうのはそういうのが面白いんじゃねえか!!俺だけが安全が保障されている戦いなんて、おままごとでしかねぇ!鬼姫とまで呼ばれているアンタの話は聞いているぜ。アンタとは命をかけた最高にイカれたゲームで遊びたいと思っていたんだ!!」


 どうやら本気のようだ。

 そこまで言うなら、こっちだって退くわけにはいかないよな。

 僕は意を決してコースターに乗り込むと、相手のクワガタ男もコースターに乗り込んだ。


 「俺の名前は四虫臣よんちゅうしんが一人、【ルカード】!!いざ、尋常に勝負だ、カジ・トーマ!!」


 「僕は梶斗真!!その喧嘩、買ったぜ!!」


 コースターに乗ると、ゆっくりと坂を上がり始める。

 坂を並んで上っている間、ルカードは律義にも説明をする。


 「そのコースターの中にあるレバーでコースターをジャンプさせることが出来る!そして、後ろに積んであるのが爆弾だ!爆弾はコースターの線路の上にも置いてあるから、なくなったらそこから補充するんだ!!」


 「OK!!」


 そして、コースターが坂の頂上に達して、一瞬だけ止まった。


 目の前の景色がゆっくりと・・・下がっていく。


 それと同時にコースターの速度が劇的に早くなっていき、風を切る速さで、轟音を立てながら線路の上を垂直に落ちていく!!


 「ゲームスタートだぁぁぁっ!!」


 ヤバいっ・・・!!


 想像以上の速さだ!!

 線路が途中で途切れていて、考えるよりも先にレバーを引くと、コースターが浮き上がって線路から線路へと飛び移っていく。その間、頭の上を何かが通り過ぎていく。


 何かと思った瞬間、下で大きな音と共に極彩色の花火が上がった。

 かなりの衝撃にレールが揺れて、コースターがぐらついたのを両手で掴んで必死で踏ん張る!!

 しかし、すぐさま目の前の線路がなくなっていた。


 「うおりゃあぁぁぁっ!!」


 「オラオラオラァァァッ!!どうした、鬼姫さんよぉ!?攻撃してこねえと、やられちまうぜ!?」


 「うるせえっ!!こっちだってやってやらぁっ!!」


 僕は爆弾を手に持ち、思い切り振りかぶって・・・投げたっ!!




 ガンッ!!(ルカードのコースターに当たった音)

 

 ゴンッ!!(僕の顔に思い切りブチ当たった音)




 痛い・・・!!痛すぎる・・・!!

 爆発する前に、下に落ちてくれてよかった。投げた爆弾が相手のコースターに当たって、跳ね返って顔面を強打したうえに、これで爆発したらあまりにも間抜けすぎる。そんな死に方だけはしたくない。


 「連発だぁぁぁっ!!」


 ゴンッ!!(線路に跳ね返って、僕の顔面に直撃した音)


 ガンッ!!(同じく。以下同文)


 ゴスッ!!ガスッ!!グシャッ!!(さらに投げた爆弾が全部、僕の頭部や顔面に直撃した音)


 「・・・なかなかやるね」


 「俺様、まだ何も攻撃してねえのに、どうしてもうボコボコになっているんだよっ!?マジで運がなさすぎね!?」


 神様、アンタは僕をそこまで玩具にして遊びたいのかい。


 どうしてここ一番という時に運がないというか、信じられないほどに不幸な目に遭うんだ!?

 まあ、爆弾が砲弾のように顔面に直撃しても、怪我だけで済んでいるところとか、線路から線路にジャンプするとき、飛び移れずに落ちていくということがないから、きっと僕が相手に攻撃をしようとすると、相手のコースターに跳ね返って僕の顔面にぶち当たる姿を見て、お腹を抱えて笑っているんだろう。


 「そろそろ気の毒だから、ここでおしまいにしてやるぜ!!」


 ルカードが爆弾を一度に6つも放り投げてきた。

 爆弾はまっすぐに、僕目掛けて飛んでくる。よけようとしても、もう目の前の線路が途切れている。


 もう間に合わない・・・!!


 その時だった。


 ひゅるるる・・・!

 

 ドスン、という音を立てて何かが僕のコースターに落ちてきた。


 そして、目にも止まらない速さでコースターのレバーを引くと、コースターを加速させて高く跳び上がった。


 「何っ!?」


 「・・・・・・今のうちに、爆弾を斜め45度右の方に向かって投げて」


 「う、うん、分かった!!」


 言われるがままに爆弾を投げると、投げた爆弾はルカードのコースターに直撃し、派手に爆発する!


 「うおおおっ!!て、テメェ、やりやがったな!?」


 ルカードが激昂して、爆弾を次々と投げつけてくる。

 しかし、コースターはまるで生き物のように爆弾をすいすいとかわしながら、蛇行運転を続ける。


 「・・・・・・この私がいれば、もう大丈夫。コースターを乗り回すことなんて朝飯前」


 その言葉は、今、この状況を唯一打破できる、頼れる存在のものだった。



 

 「・・・・・・だって私は、最凶最悪の傭兵団きっての騎乗兵で、トーマの嫁だし」




 「ビビ姉ぇぇぇっ!!」


 ビビ姉が身体に服を巻き付けただけの姿で、相変わらずの無表情で親指を立てていた。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 【ビビアナ視点】


 まさか、逃げ込んだ先ですぐにトーマと再会できるとは思わなかった。

 やはり私とトーマは赤い運命の糸で結ばれている。ブイ。


 しかし、トーマとあのガチムチなクワガタ野郎がコースターに乗り込んで、爆弾を投げつけ合う戦いを目の前でおっぱじめたとき、これはまずいと思って、私はコースターの速度や上から乗り込んでも脱線しないコースの場所を素早く計算して割り出し、全速前進で天井裏を爆走して追いかけた。


 トーマは普段の戦闘なら申し分のない強さだけど、こういうゲーム性の高い戦いはあまり得意ではない。ましてや、線路が途中で途切れていることを気にしながら、並走している相手が投げてくる爆弾をかわしつつ、爆弾を正確に相手の急所に投げつけるなど素人には無理というものだろう。


 アイリスの力で変身している時には、弓矢を使って正確に相手の急所に矢を打ち込むことが出来るけど、常に動いているコースターの上という足場の上では弓矢を撃つ時とは違って不安定だ。ましてやトーマはこういう時、死神にとり憑かれているのではないかと思うほどのレベルの運の悪さを発揮する。


 しかし、そんな運命を跳ね返すのが、妻である私の役目というものではないか・・・!


 「・・・・・・トーマ、運転は私に任せておけ。その代わり、お願いがあるの」


 「何!?」


 「・・・・・・ものすごく大切なこと。これをやってくれたら、絶対に私は勝てる」


 「分かった、何でもやるよ!何をすればいいの!?」


 よし、釣れた・・・!

 私は湧き上がる笑みを必死で隠しながら、懐からあるものを取り出して、トーマに渡した。


 「・・・この紙は?」


 「・・・・・・こっちに、トーマの名前と拇印を押して。急いで、早くしないとゴールが近づいている!早く!!」


 「えーと、これって一体何かな!?僕、ものすごく嫌な予感がするんだけど!?」


 「・・・・・・いいから早くして!私のことを、今は信じて!!」


 私は必死でトーマを説得する。もうこの時しかチャンスがないのだよ!!

 どんな手段を使っても、何が何でも、これにトーマの直筆と拇印を手に入れなければならん!!


 「・・・分かった。僕、信じるよ!」


 そういって、トーマは意を決して名前を素早く書き込み、親指にインクを染み込ませてから拇印を押した・・・!


 それを見て、私の胸には何とも言えない感動と高揚感があふれて、今にも笑みを浮かべてしまいそうになった。やっと手に入れた、私が例え命を懸けてでも手に入れようとしていた、ずっと欲しかったものがようやく手に入れることが出来た!!


 「・・・・・・やっと手に入った。ふひっ、ふひひっ、じゅるりっ」


 もはや怖いものなどこの世にはない。

 私はコースターを操作しながら、トーマに的確に指示を出す。おっと危ない、ヨダレが出てしまった。

 

 トーマは言われたとおりに私が指示した方向に爆弾を投げて、ルカードのコースターに直撃させて確実にダメージを与えていく。ルカードのコースターはもうボロボロになっており、あと数発当てれば、確実にぶっ壊れる事だろう。


 しかしここで油断して、反撃を受けて死んでやるわけにはいかない。


 なぜなら、ここで死んだら、これまでの苦労が水の泡となるのだから。

 それだけは何があっても阻止してみせる。


 




 ついに手に入れたのだからな。トーマの直筆と拇印がついた【婚姻届け】が!!






 これをあとで役場に持っていき、私の名前と拇印を押して提出すれば、私とトーマは夫婦になれるのだよ!!


 この世界では一夫多妻制となっているが、私が第一夫人の地位を獲得するのだよ。しかし、トーマに婚姻届けを説明して書いてくれと言っても、周りがうるさいし、トーマにも色々と思うところがあるだろう。しかし、私はもう我慢が出来ないのですよ。


 トーマだけの女になりたい。

 トーマだけの妻になりたい。

 トーマと夫婦として、イチャイチャしたいっ!そしてゆくゆくはトーマとの赤ちゃんを・・・!


 他の連中はトーマにセクハラをして満足しているみたいだが、私は大人だから違うのだよ!


 トーマを確実に自分のものにするためなら、手段など選んでいられん。


 私のこの優れた頭脳と狡猾さ、トーマに対する執念を思い知るとよいわっ!

 

【悲報】斗真、ビビアナに騙されて婚約届にサインをしてしまう。


今後、斗真の直筆入りの婚姻届けをかけて、仲間内でいろいろな騒ぎが起きる予定です。

何も分からないのに、直筆や拇印を押してはいけません。斗真、知らぬうちに人生最悪の危機を迎えております。果たして斗真の第一夫人に収まるのは、誰になるのでしょうか?


次回もどうぞよろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] ブロンズ・ルド「ビビアナ、とんでもないことしてるよ!」 シルバーン「これは後が大変なことになりそうだ!!」 首領(ドン)・ゴールド「たしかにこれは後が大変だ けれど、もっと大変なことが起こっ…
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