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第四話「”彩虹の戦乙女”救出大作戦②~開園の花火はド派手に鳴らそう~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

新作が書きあがりましたので、投稿いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

 【斗真視点】


 「逃げたぞーっ!!人質のガキどもが逃げたぞーっ!!」


 「くそっ、あのガキども、火薬庫から爆弾を盗んで、あっちこっちで爆発させやがって!!」


 「おいっ!!こっちのエリアでまた爆発が起きたぞ!!追え!!生きて逃がすな!!」


 ・・・これは一体どういうことですかね。


 僕たちが花房が待ち受けている【緑色の樹海のダンジョン】に乗り込もうとしていた時、ダンジョンの中がやけに騒がしいので、気になってこっそりと見てみたら、ダンジョンの中はまさに修羅場と化していた。


 ダンジョンの至る所で、次々と爆発が起こり、花房の部下と思われる魔物の兵士たちがせわしなく怒号を上げながら騒ぎの収束に追われていた。そして、その理由がようやく分かった。


 「・・・兄弟、レベッカさんたちが脱走したそうだ。しかも、火薬庫から爆弾を盗み出して、あっちこっちで爆発させているみたいだ」


 風の魔法で、ダンジョン内に置ける状況を聞き取り、調べ上げた桜がげんなりとした顔で言った。


 ・・・ああ、やっぱりかい。あの人たちがいくら子供の姿にされたからと言って、大人しくしているわけがなかったよね。花房に連れ去られたときには、彼女たちの安否が心配で、平静を保つのが必死だったけど、よくよく考えてみれば、あの人たちを人質として連れ去るなんて、導火線に火のついた爆弾を懐に仕舞い込むようなものと同じぐらいの愚かな悪手でしかない。


 その結果が、桜が風を介して、このダンジョンで起きている騒ぎの内容をかいつまんで教えてくれた。


 ・地下の牢獄に捕らえられていた大アネキたちが、鍵をこじ開けて脱走した。(鍵は魔力が込められていない普通の錠前だったらしく、オリヴィアさんがピッキングで開けた可能性が高い)


 ・兵士詰め所に置かれていた武器庫に忍び込み、大量の火薬を持ち出して、ダンジョンの至る所で爆発させている。それによって、兵士たちがパニック状態になっている。


 花房もこの状況にはものすごく驚いたらしく、現在、大アネキたちを何が何でも見つけ出して捕らえるように部下たちに命令して、血眼になって探しているそうだ。


 「・・・恐らく、ダンジョンのボスである花房を倒すか、もしくは脱出するためのルートを探すために、騒ぎを起こして、それに紛れて行動をしているっていうのが正解かな」


 「・・・前者の可能性が高いよね。そうなると、大アネキたちの性格や行動パターンから、あっちこっちで騒ぎを起こして警備を混乱させて、そのスキに花房がいる場所を探し当てようとしているのかな」


 「・・・絶対に報復するだろうしな。でも、そう簡単に花房がいる場所にたどり着けるというわけでもないみたいだぜ」


 そういって、桜はアイパッドを操作して、僕にこのダンジョンの内部の地図を見せてくれた。


 「このダンジョンには4つのアトラクションがあって、アトラクションの一つ一つに、ダンジョンの奥に繋がる扉を開くための鍵があるんだ。その鍵を、花房は各アトラクションを任せている4人の部下たちに渡しているそうだ」


 その4人を倒して鍵を奪い取らないと、花房の所には行けないってわけか。


 「しかし、散り散りになって暴れているんじゃ、どこに誰がいるのか分からないな」


 「こうなったら、僕たちもアトラクションを回って、大アネキたちを見つけていくしかないよ」


 「ああ。それにしても、かなり派手に騒ぎまくっているよな。やり過ぎだってば」


 まるで子供が爆竹を鳴らして遊んでいるかのように、ダンジョンのあっちこっちで大きな爆発が起こり、兵士たちが吹き飛ばされていく。この爆発に巻き込まれたらシャレにならない。


 「アトラクションはどういうのがあるの?」


 「ああ、この4つだ」




 ・命がけで船をこげ!人食いワニと楽しい楽しいサバイバルボートレース!


 ・脱出不可能!生きて帰れる保証なし!恐怖のお化け屋敷!


 ・殺人蜂の集団から逃げきれ!一度入ったら二度と出られない巨大ハチの巣の迷路!


 ・線路から線路に飛べ!爆弾をかわして、相手に投げつけろ!生きるか死ぬかのバトルコースター!




 「・・・・・・僕らに死ねと?」


 「・・・・・・これ、気合を入れて行かないと、マジで今日が命日だな」


 あまりの試練の前に、僕と桜はこの場でギブアップ宣言を出しそうになった。

 一体あのオカマは何を考えてくれてやがるのか。どれもこれも命の危険しか感じねえよ。どういうコンセプトでこんなテーマパークのような処刑場を思いついたのだろうか。


 「それにしても、あのおバカさんたちは一体どこにいるのでしょうか~?」


 「それが分かれば苦労はしないよ。・・・あ、でも、この方法を使えば、一人だけは何とか見つけられそうだな」


 そう言って、桜がポケットから何かを取り出した。


 それは・・・500ゴールド硬貨だった。白銅の美しい輝きを放つ硬貨を、桜はわざと落とした。




 チャリーン・・・。




 ドドドドドドドドドド・・・!!


 な、何だこの足音は!?

 よく見ると、土煙を舞い上げながら、何かが勢いよくこっちに向かって走ってくる。

 兵士たちを吹き飛ばして、猛然と勢いを止めることなく突き進んできたのは・・・。


 「500ゴールド、ゲットじゃーーーっ!!よっしゃあーーーっ!!」


 オリヴィアさんだった。


 500ゴールド硬貨を手に取り、満面の笑顔で嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねている。そして拾った小銭にキスをしながら目に涙を浮かべていた。それほどまでに感動したのかい、この人は。

 

 「えへっ、えへへっ、こないなところで小銭を拾うやなんて、神様はやっぱりウチのことを見ていてくれとるんやなぁ。愛してるでぇ~、ちゅっ、ちゅっ」


 「・・・冗談のつもりだったのに、本当にこれで出てくるなよ。俺、情けなくて涙が出てくらぁ」


 「・・・およ?サクラにトーマちゃん、アレクシアやないか!いやーん、やっぱりウチらのことを助けに来てくれたんか?持つべきものはやっぱり愛しの恋人と、頼りになる仲間やな!」


 「・・・ソウダネ」


 桜が何とも言えない表情を浮かべて、がっくりと肩を落としていた。


 ま、まあ、とにかく、これでオリヴィアさんは何とか見つけることが出来たわけだし、残りの5人を探し出さないとね!


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 【三人称視点】


 「・・・えーと、ヤベエ!アイリスたちと離れちまった!ここ、どこだよ?」


 そのころ、レベッカは一人、ダンジョンの中を走り回っていた。

 木々が生い茂り、鬱蒼とした森はまるで迷路のように入り組んでおり、方向感覚を失わせる。ましてや方向オンチの彼女が迷い込んだら最後、同じ場所をグルグルと行ったり来たりを繰り返す羽目に陥っていた。


 「・・・ダメだ、通信機の電波も届かねえ!全く、アイツすぐに迷子になるんだから!!」


 迷子になっているのは、十中八九レベッカの方だが、本人は全く気付いていない。

 牢屋を抜け出して、武器庫から火薬をありったけ盗み出して、ダンジョンのあっちこっちで爆発を起こして混乱させて、そのスキに花房の居所を突き止めて乗り込もうとする作戦を思いついたところまでは良かったのだが、この時、レベッカは他の誰かと一緒に行動をしない時の危険性を考えていなかった。


 目を離すとすぐに道に迷い、見当違いな方向に突っ走ってしまう超絶的な方向オンチであることの自覚がない彼女に単独行動をさせたこと自体が、間違いとしか言いようがないのだ。


 「・・・うん?」


 その時だった。


 どこからか汗と獣特有の独特の匂いをかぎ取り、レベッカは眉をひそめる。


 「・・・この匂いは、オークのもので間違いねえな。しかもたくさんいやがる。それと、何か物凄く強い気配を魔力を持っているヤツがいるな」


 匂いだけで、オークの集団が強い魔力を持っている誰かを取り囲んでいるというシチュエーションを連想したレベッカは、思考するよりも早く身体が動き出していた。地面を蹴り、木の上に飛び乗り、枝から枝へと飛び移っていく。


 そして、森の中で開けた場所に差し掛かると、嗅ぎ取った匂いが連想させたシチュエーションが現実のものとなって、目の前で繰り広げられている現場を目撃した。


 「・・・豚が何匹揃おうが、所詮は虎のエサに過ぎん。まあ、お前らのような脂ぎっていて不味そうな豚など、お断りだがな」


 金色のメッシュを編み込んだ、ロングヘアーの女性が目の前に立ちはだかる10体はいるオークの集団にひるむことなく、強気な態度で言い放った。オークたちは、女性がやる気になっていることを察すると、下卑た笑みを浮かべて、手に持っている巨大なハンマーやクワ、釘が撃ち込まれているこん棒を構えて、鼻息を荒くする。


 そして、オークの一体が醜悪な笑みを浮かべて、ハンマーを振り回しながら勢いよく突進を仕掛けていく。女性は右足を前に出して腰を低く構えると、素早く拳を突き出そうと身構えた。




 「だあらっしゃああああああーーーっ!!」




 その時だった。


 突然飛び出してきたレベッカがオークの顔面に蹴りをめり込ませて、そのまま吹き飛ばした。オークの口から折れた牙が飛び出し、白目を剥いて鼻血を噴き出しながら、オークは地面に倒れこんだ。


 「・・・え?」


 少女は目の前で起きた光景に、驚きで目を見開く。

 自分よりも明らかに年下の小さな女の子が、たった一撃で、倍以上の背丈を持つオークを倒してしまったのだから。


 「女の子を集団で襲うとかマジでねぇな。オレはそういうことを平気でやるヤツが大嫌いなんだよ!!覚悟しろよ?きっちりとヤキを入れてやるからよぉ・・・!!」


 レベッカがボキボキと拳を鳴らして、獰猛な笑みを浮かべながらオークたちに近づいていく。気圧されていたオークたちの表情が見る見る凶悪な形相に歪み、それぞれ武器を持って、レベッカを睨みつける。


 しかし、彼女は恐れるどころか、強気な笑みを崩さないまま、自信満々に言い切った。




 「久しぶりの喧嘩だから、最初から・・・限界までトバしていくぜ?かかってこいよ」




 

オリヴィア・オズボーンは何とか無事救出しました。

落ちている小銭を見つけると、目の色を変えて飛びついてくる行動をヒロインが取るのはどうかと悩みましたが、思い切って書いてみました。


次回はレベッカのパートになります。

レベッカが助けた女の子の正体も、次回明らかになります。


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