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第七話「知識の宮殿⑤~3つの属性~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます!

新作が書きあがりましたので、投稿いたします。

どうぞよろしくお願いいたします!

 【斗真視点】


 「変身!」


 『絶対零度の豪傑!ベルセルク・ナイト・・・ドレスアップ!!』


 パワードスーツに乗り込み、ハンマーを振りかぶったまま突進を仕掛ける。

 急所である頭部に狙いを定めて、全力で振り下ろす!!


 鈍い音。


 火花が飛び散り、宗像がハンマーで打撃を防いだ。


 「・・・なるほどね。私が土属性だから、氷属性で攻めてきたってわけね。悪くはないんだけど、その程度じゃ、私には勝てねえよ」


 「ぐっ・・・!!」


 彼女の瞳がオレンジ色に輝くと、ハンマーの先端が赤々とした光を放ち、黒い煙をもうもうと噴き上げる。

 そして、ハンマーがジュウウウッと音を立てて、溶かされていく!!


 「何だって!?」


 「ふんっ!!」


 ゴシャッ!!


 彼女が力任せに振り払ったハンマーの一撃を受けて、僕はパワードスーツごと吹き飛ばされた。

 何とか態勢を立て直して身構えるが、ボディにはハンマーがめり込んだせいで、ベッコリと凹んでいる。


 「・・・・・・これなら、どうだ!!」


 ビビ姉がパワードスーツを操作すると、両腕のファンを高速で回転させてすさまじい吹雪を放つ!


 吹雪の渦が宗像を飲み込もうとした瞬間、彼女が手をかざして巨大な盾が飛び出し、吹雪を防いだ。


 吹雪の直撃を受けて盾が凍り付いていく。


 しかし、宗像の身体には当たることなく、吹雪の威力が次第に弱まっていく。


 「危ないな。防げたからよかったけどさ」


 「・・・・・・氷属性の魔法が効かない!?土属性なのに!?」


 「まあ、普通なら私が不利だよね。でも、属性の相性だけに捕らわれていたら、私には勝てない」


 吹雪が完全に収まると、宗像が盾を投げつけた!


 盾が回転しながら、ビビ姉に向かって迫ってくる!


 唸り声を上げて回転する盾を、ギリギリで僕がボディで防いだ!!


 「ぐああああああっ!!」


 「トーマ!?」


 お・・・重い!!

 ヤバい、こんなにも重い一撃をまともに食らったら、マジでパワードスーツが持たない!!


 「どっせぇぇぇぇぇぇい!!」

 

 男は根性!!


 盾を天井に向かって放り投げると、盾がまるで生き物のように回転しながら、宗像のもとに戻っていく。


 パワードスーツを見ると、かなりボディが破損していた。

 まずいな、煙まで出てきているし、所々で火花がはじける音が聞こえてくるようになった!


 右腕も、盾を食い止めた時にボロボロになってしまっている。

 あんな攻撃をもう一度喰らったら、今度こそ変身が解除される。


 どうしたらいい・・・?

 どうすれば、あの頑丈な盾を破壊することが出来る?


 「属性の相性だけで勝てるなら苦労はしないよね。アンタたちの戦い方を観察させてもらったけど、力任せにごり押しするだけじゃ、私には勝てないよ」


 「・・・あらぁ、わたくしたちに勝ったつもりでいらっしゃいますの?まだ、生きていますわよ?」


 アレクシアさん!?


 後ろを振り返ると、大アネキたちがボロボロの姿で立つのもやっとなのに、武器を杖代わりにして立ち上がっていた。しかし、彼女たちの呼吸は荒く、足腰も震えていて、身体中に刻まれた傷跡から、相当のダメージを受けていることが分かった。


 「・・・随分とナメてくれるものだな。おこがましいにも、ほどがある」


 「オレたちはしぶといぜェ?まだ戦いの途中なのに、勝ったつもりでいるんじゃねえよ」


 「・・・フッ、勝負はこれからだよ」


 「・・・生憎、負けず嫌いなのよ。アンタをブッ倒すまでは、諦めない」


 口では強がっているけど、大アネキたちの怪我の具合はかなり重傷だ。

 アレクシアさんが回復魔法をかけていても、身体の回復が追いつかず、立ち上がるのがやっとという状態まで追い込まれているのだ。


 力任せにごり押しするだけじゃ勝てない・・・?


 相手は土属性なのに、どうして弱点である氷属性の武器が通用しないんだ?


 考えろ・・・!

 何がこの状況を突破する方法があるはずだ・・・!


 「・・・・・・その時、トーマのしわ一つない桃色の脳味噌が半世紀ぶりにフル回転した」


 「オイコラちょっと待てや、人が一生懸命考えているところに意味不明なボケをかますな」


 あとでビビ姉には永眠という安らかな眠りに着かせてやろうか。


 うん、ちょっと待て?

 ビビ姉のくだらないボケのせいかどうかわからないけど、頭の中に余裕が出来たせいで、ある一つの考えが思いついた。


 (・・・そうか、もしかしたら、そういうことなのか?)


 確信はないけど・・・。


 もしかしたら、宗像さんの言っていることを逆に利用すれば・・・。


 「・・・まだやる気?」


 「うん、生憎あきらめの悪さだけは誰にも負けない自信があるからね」


 僕がパワードスーツを駆って、地面を蹴り出して、宗像さんに向かって突進していく!

 

 宗像さんが再び盾を生み出した、その時だ!




 「変身解除!!」




 僕は変身を解いて、パワードスーツが消滅すると同時に飛び出すと、盾に向かって飛び込んでいく!


 「大浦!!お前の力、借りるぜ!!金剛不壊・鋼魔法・鋼魔神の宝鉾(ドリル・ハンター)!!」


 左手に高速で回転するドリルを装備すると、そのまま盾に向かって一気に突き出した!


 ドリルの刃が超硬度を誇る盾を砕き、一気に穿つ!!


 「何!?」


 「だぁぁぁらぁぁぁっしゃあぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」


 ガリガリガリガリガリガリ!!


 「ぐああああああっ!!!」


 宗像の巨体にドリルが突き刺さり、分厚い身体に突き刺さると、彼女の身体が衝撃で吹き飛ばされた!


 やっぱり、思った通りだ・・・!


 「トーマ!!すげえ、やりやがった!!」


 「鋼属性は土属性には通用しないはずなのに、どうして効いたんだ!?」


 「・・・なるほど、そういうことか!」


 ヴィルヘルミーナさんが何かに気づいたようだ。


 「・・・ミーナ、どういうことだ?」


 「サクラ、確かに彼女は()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それはいいね?でも、今の彼女は土属性ではなく・・・違う属性なんだ」


 「・・・つまり、アイツは()()()()()()()()()()()ってことか!?」


 「ああ、察するにあの盾を生み出すところを考えると、彼女はきっと”岩属性”と”土属性”の二つの能力を持っているんだ。そしてその属性を自分で切り替えることが出来るんだ!」


 僕の攻撃を防いだときには、マグマの力を自在に操る【大地】の能力。

 ビビ姉の吹雪を防いだ盾を生み出した時は【岩】の能力。

 そうやって、相手の戦略によって自分自身の属性を変えて、攻撃をしていたんだ。


 地の魔神という言葉に捕らわれて、土属性に対抗できる水属性や木属性、氷属性だけで立ち向かおうとすると、属性を切り替える戦い方で相手の攻撃を無力化させることによって、相手に心理的ダメージを与えることが出来るんだ。そりゃそうだ、属性の相性の優劣ばかりを気にしていることで、その裏をつかれたら、どうしてこっちが有利な属性なのに倒せないんだって焦るもんな。


 「・・・マグマの力は炎属性も含んでいるから、アレクシアさんの植物を操る魔法や、ビビ姉の吹雪にも耐えることが出来たんだ。つまりお前は、3()()()()()()()()ってことだね」


 「・・・その通りだ」


 宗像が身体を震わせながら、ハンマーを杖代わりにして立ち上がった。

 かなりダメージを与えたらしく、身体にはドリルで刺し貫かれた穴が空いており、口から大量の血液を吐き出している。


 「この世界で魔力を操ることが出来る能力者は、個体の中に2つまでの固有の属性を宿すことが出来る。魔法使いのようにそれ以上の様々な種類の魔法を操る能力者は、武器である杖などに組み込まれた魔石の力を借りているだけに過ぎない。それも強力なものだけど、生まれつき備わっている属性の魔法能力と比べたら劣っている」


 宗像の姿がオレンジ色の光を放つと、元の人間の姿に戻った。


 「だが、私のように魔力属性が元々3つ、固有の能力として備わるものがいる。そう言った人物は魔力が測定不能ということで無能者呼ばわりされる。それが生まれつき、二つまでしか持てないという魔力属性を三つも持っている希少な存在、キメラであることにも気づかないでな」


 「・・・・・・キメラ、聞いたことがある。私たち研究者たちの中にも何人か研究をしていたことがあるけど、キメラが生まれる根拠とか、その存在を証明する証拠が見つからなかったこともあって、そんなものはこの世には存在しないと結論付けられて、研究そのものが無意味と判断された」


 「・・・人間って言うのはどこの世界でも愚かだよな。自分の価値観だけが世界の全てだと思い込んでいるから、新しいものの存在を受け入れることが出来ない。私はそんな世界が息苦しくて、窮屈なんだ」


 彼女の身体を纏う空気が一変し、僕たちは後に退いた。


 本能で感じ取った、生命の危険。


 「・・・古い価値観を人に押し付けて、新しいものを受け入れることが出来ず、自分の正義だけが全てだと思い上がっている奴らで溢れかえっている、あっちの世界もこっちの世界も、もう、まっぴらだ」


 宗像の身体にオレンジ色の紋様が浮かび上がって、着ている服がビリビリと破けていく。


 「だからこんな窮屈な世界、私がぶっ壊してやる!!」


 宗像の姿が僕たちの目の前で、部屋全体を覆い尽くすほどの巨大な異形へと変わっていく。


 『・・・これが、地の魔神”激震のゼルザール”の真の姿ですわ!!』


 ホルスさんが震える声で叫んだ。


 「・・・・・・盾、アンタもいたの?」


 『最初から一緒にいましたからね!?というか、ビビアナさんがバックの奥に私を詰め込んだんじゃありませんかっ!?しかも、私のことを”盾”呼ばわりですか!?』


 ああ、そういえばビビ姉、慌てて荷物をまとめていたっけ。

 というか、僕たちが博物館で大変な目に遭っている間、ずっとビビ姉のバックの中に詰め込まれたままだったのか。ビビ姉、アンタ、ホルスさんのことを何だと思っているんだ?


 ゾウを模した兜を頭部に装着し、分厚い筋肉で覆われた上半身には大きなオレンジ色の宝石が埋め込まれた巨大なゴーレムのような姿【ゼルザール】の姿となって、宗像は僕たちの前に現れた。


 そして、下半身がなくなって、上半身だけで浮かび上がると腕があった場所には岩石や土が集まって出来た巨大な拳が生み出される。そして、巨大な人型の魔神の額には、上半身が裸になった宗像が下半身を飲み込まれた状態で現れた。

宗像の背景設定


宗像は中学生にして、心理学の専門家たちを驚かせる論文や研究結果を上げる天才少女だったが、彼女がまだ中学生であったことに対して嫉妬した研究家たちの嫌がらせによって心理学者として認めてもらえず、研究していた論文を横取りされたり、いわれのない罪を着せられて学界から追放されそうになったことがあったため、極度の人間不信になっている。古い考えに捕らわれて、自分の価値観だけが全てだと思い込んでいる人間に殺意や怒りを抱いている。


斗真の全属性については、元々無属性から派生したものであり、元々持っていたものではありません。


次回、ビビアナがついに魔王に・・・?


念願の巨乳化の夢は叶うのでしょうか?


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[一言] 3人「「「とんでもないヤツが来たああああああ!!」」」 首領(ドン)・ゴールドたちが絶叫したその気配の正体 そこには、全王がいた! 全王は「あっちで何かやってる?」とそっちに行きました。 3…
[一言] えっ?虚乳化? …おや?誰か来たみたいd…プツン
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