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第四話「知識の宮殿②~あっちこっちでレッツ・パーリィ!!~」

いつも拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます。

新作が書きあがりましたので、投稿いたします!

どうぞよろしくお願いいたします。

 【アイリス視点】


 <レベッカ・アイリス・ニナチーム:大地の間>


 「ふん、まあまあやるな」


 「お前、ミイラとか大丈夫なのかよ?オバケ、ダメだったんだじゃねえのか?」


 いきなり襲い掛かってきた【ミイラ】の魔物娘を難なく倒して、私が一息ついていたときに、レベッカが不思議そうな顔をして聞いてきた。


 「馬鹿者、私が苦手なのは物理的法則が通用しないタイプのものだけだ。まあ、物理的法則とかお前に言っても分からないだろうが、分かりやすく言えば、殴って倒せるものなら恐れることはない」


 目には見えるのに身体が透けていて、こちらからの干渉が出来ないものだとか、いくら倒してもすぐに復活を果たしてくるような、幽霊とかタタリとかそういった訳の分からないものはダメだな。


 「ふーん、お前も結構脳筋な所あるよな」


 「それはどうも。それより、ニナはどこに行った」


 さっきまで「ギャーーーッ!!ミイラーーーッ!!」って叫ぶわ泣くわ発狂するわで大騒ぎをしていたくせに、いつの間にかニナの姿がなく、気配も消えていた。


 「はぁ、はぁ、はぁ、何とかやり過ごすことが出来たわ」


 「・・・お前、いつの間に身体中に包帯を巻きつけてミイラのふりをしていたんだ」


 そこには、壁に並べられた棺桶に陳列されているミイラに混じって、身体中に包帯を巻きつけた姿となって棺桶に隠れているニナの姿があった。


 私たちに戦闘を任せて、その間にミイラのふりをして隠れているとはいい度胸だな。

 まあ、ニナのあの怖がりぶりでは、暴走して敵味方関係なく襲い掛かってくるよりはマシかもしれんが。


 「こ、こ、これぞ、忍法”瞬間隠れ身の術”でござる」


 「ござるじゃねーだろ、お前普段そんな言葉遣いをしてないじゃん」


 全く仕方がないな。

 さて、ミイラを倒したことだし、次のダイスを振るとするか。

 忌々しいが、このふざけたゲームをクリアしない限り、トーマたちと再会することも出来ないし、地の魔神の所にもたどり着けないからな。


 私がダイスを振ると【5】の目が出た。ふむ、まずまずだ。


 そして、私たちが指定されたマスを5つ分移動しようとした、その時だった。


 「ちょ、ちょっと待ってよ!!私の服と下着、まだそこに置きっぱなしのまま!!」


 ニナが思わず叫んだ。


 振り返ると、さっきまでいたマスには、ニナが脱いだ忍び装束や下着が折りたたまれたまま置かれており、やがて、服ごとマスが消えて、ニナがこの世の終わりを目の当たりにしたような表情になって、その場に膝から崩れ落ちた。


 「嘘でしょおおおーーーーーーっ!!?私の服、どこよっ!?私、このまま、全裸に包帯を巻きつけただけの姿で魔神と戦わなくちゃいけないの!?せめてパンツぐらいは返してよーーーっ!!」


 マジか、ニナ、お前ある意味勇者だな。


 「お前、ものすごいバカだろ」


 「痴女確定だな」


 「冗談じゃないわよっ!!こんな姿、もしトーマに見られたりなんてしたら・・・!!」


 まあ、鼻血花火を炸裂して気を失うのは間違いないだろうな。

 軽蔑とか、冷たい目で見られることになるかどうかは、神のみぞ知るといったところだろう。


 「それなら一人だけミイラのふりをして隠れたりしなければよかっただろうが。自業自得だ」


 「そのうえ、全裸に包帯を巻きつけた姿のまま、魔神と戦うことになるとかヤバいよな」


 「私のバカァァァァァァッ!!ああ、私は確か、この7人の中で唯一の常識人ポジションじゃなかったのかしら。いつから私の人生は間違ってしまったのかしら?私、こういうお笑い系のキャラじゃないのに。団長とか、ヴィルヘルミーナならまだしも・・・」


 「いくらオレでも、全裸に包帯巻いただけで戦うなんてイカレたことはしねーぞ」


 「メッキが剥げ落ちてきただけのことだ。だいたい、こんな頭がイカレた連中が集まる傭兵団にいること自体が、お前もまともではないという、いい証拠だろうが」


 無論、私だけがこのメンバーの中で唯一の常識人であり、まともな感性を持っているのだがな!

 ああ、本当に手間のかかるバカばかりで、苦労するよ。

 やはり、私のような容姿端麗、博識多才、才色兼備で顔もよし、おっぱいもよし、スタイルが抜群な私こそがトーマの本妻にふさわしいというものだな!


 「・・・ああいうのって、自画自賛っていうんだっけ?」


 「・・・もしくは井の中の蛙大海を知らず、ってヤツでしょ。哀れよねぇ、ボーダーラインをギリギリで歩いていることにも気づいていない、筋金入りのショタコンって」


 ふん、何か私のことを言っているようだが気にせんぞ。

 さあ、トーマ。今から本妻である私がお前を迎えにいくからなぁ。


 この戦いが終わったら、そのままお前をお姫様抱っこをして、教会に行って結婚式を挙げようではないか!お前に似合う純白のウェディングドレスは、どんなデザインがいいだろうなぁ?


 ああ、なんだか楽しみだ!

 

 人間、目標が出来るとやりがいというものが出来るものだな!


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 【オリヴィア視点】


 <オリヴィア・アレクシアチーム:兵器の間>


 拝啓、愛しのサクラへ。

 

 ウチは現在、地獄におります。


 「アハハハハハハハハハハ!!オラオラオラァァァーーーッ!!もっとスピードブッチぎるぜぇぇぇ!!もう誰も私を止めることなんざ出来やしねぇーーーっ!!」


 アレクシアが隣でハンドルを右に左に回転させながら、悪鬼羅刹のような表情を浮かべて、普段の猫かぶりを完全に捨て去って、本性の腹黒い上に粗暴な性格を5割増しでさらけ出しながら、3輪トライクを暴走させております。


 ほんで、ウチらが現在トライクで爆走しとるんは、さっきまでおった博物館前ではなく・・・。


 ドンッ!ドンッ!ドンッ!!


 「アハハハハハハハハハハ!!そんな豆鉄砲が当たるか、バカ野郎ーーーッ!!」


 「あれは豆鉄砲やない、戦車の砲弾や!!」


 地平線の彼方まで続いとる果てしない荒野。

 夕焼けの光が岩山や大地を赤く染めていく幻想的な美しさを楽しむ余裕がないのは、ウチらの後ろから追いかけてくる大量の魔導戦車の大軍が砲弾をせわしなくぶっ放してきとるからや。


 砲弾を華麗にかわし、砂煙を舞い上げて砕け散った岩の破片が飛び散る。

 硝煙の匂いが立ち込めて、もうもうと舞い上がる黒煙の中から飛び出すように、トライクをひたすら突っ走らせる。


 何でこうなったんや!?

 トーマちゃんとサクラにニナの作った暗黒物質を無理矢理食わせたバチが、今当たっとるんかいな!?


 あっちは戦車の大軍。

 こっちはガトリング砲を一門だけ備え付けた屋根なしの3輪トライク。

 ほんで、このトライクを運転しとるんが、ハンドルを握った瞬間、性格が豹変したイカレ聖女様や。


 これ、ウチの人生、完全に詰んだんとちゃうんか!?


 ウチらが止まったマスが光り出すと、頭の上に何かが飛んできたのか、影が差した。

 見上げると、そこには両手が大きな翼になっていて、人間の女の子のような姿をしとる魔物娘【ハーピー】が、ウチらを見下ろして、獰猛な笑みを浮かべとった。


 「ルシア、お前は運転を頼むわ。ウチはこの連中を焼き鳥にしてくるわ!」


 「アハハハハハハハハハハハハハハ!!つれねぇことを言うんじゃねぇよ、オリヴィアちゃんよぉ。せっかくの楽しいパーティーだ、私にも派手に暴れさせな!!」


 アレクシアが杖を片手に持って呪文を素早く唱えると、ハーピーたちの頭上に無数の巨大なカボチャが生み出された。


 「火樹銀花かじゅぎんか!!植物魔法・南瓜の(トリック・オア・)爆弾(トリート)!!」


 かぼちゃの形をした爆弾が次々と落下して、ハーピーの脳天に直撃する。

 ハーピーたちは目が飛び出すほどの衝撃を受けて、頭にデカいタンコブをこさえながら失速し、地面に落ちていく。ハーピーの数体が鋭い爪で切り裂こうと飛び掛かるが、その瞬間、かぼちゃがまぶしい光を放ち、勢いよく爆発する。


 炎に飲み込まれたハーピーたちは甲冑のほとんどが焼け落ちて、真っ黒こげの裸同然の姿となって墜落していった。


 「ハァァァァァァッピィィィィィィーーーッ、ハロウィンってかぁっ!?アハハハハハハハハハハハハハハハハ!!どんどんかかってこいよ!!この”オオカミ精神の魔術師”と呼ばれた私がたっぷりと遊んであげるぜぇっ!!」


 「・・・もうお前に絶対に乗り物の運転は任せへん!」


 完全に人格が変わってしもたっちゅうか、普段は隠している本性をさらけ出しまくっとるアレクシアが嬉々としてガトリング砲をぶっ放し、かぼちゃ型爆弾を次々と落として、ハーピーや戦車を撃退している姿を見て、改めてウチはそう決意した。


 サクラ~!相棒~!

 やっぱり、ウチにはアンタらがおらんとダメみたいや~!


 どこに飛ばされとるんか分からへんけど、はよ、合流したいわ~っ!


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 【三人称視点】


 「・・・何、これ」


 そのころ、レベッカたちのチームとアレクシアのチームをモニターで見ていた宗像は呆然としていた。


 かたや身体に直接包帯を巻きつけたのみという姿となって、魔物たちと戦っている痴女としか言いようのない女性。


 かたやハンドルを握った瞬間人格が豹変して、異世界の中とはいえ、ガトリング砲や爆弾をぶっ放しまくりながら高笑いをしている、完全に頭がイカレているとしか思えない鬼気迫る表情を浮かべている女性。


 「・・・梶、幕ノ内、お前たちってこんな連中と仲間で、本当に納得しているのか?」


 こんな常軌を逸脱している女性だけで構成されている傭兵団に引き取られるなんて、地獄へ道連れにされるようなものであろう。宗像は額に手を抑えて、深く深くため息をついたが、すぐさま気を取り直してコントロールパネルを操作すると、モニター画面にレベッカたちのデータが表示された。


 (戦いというものほど面倒なものはない。やるからには、面倒なことを一切合切省いて、さっさと勝って終わりにしたい)


 (そのためには、相手の情報をより多く手に入れる必要がある。特に、戦いを重ねるごとに成長していくお前たちの場合は、こうして手元でデータを回収する必要がある)


 宗像はニヤリと、笑みを浮かべた。


 「邪魔な奴ら同士で潰し合ってほしかったが、思うとおりに動いてもらえない以上、奴らの手の内の全てを見極めてやる」


 かき集めた斗真たちの戦いのデータを基に、彼女の頭の中では戦いのイメージを少しずつ確立していく。合理的に、自分が必要最低限の戦いで勝つために、彼女はモニターを眺めながら繰り返し続けてきたイメージの構築を始めた。 

【悲報】ニナ、ヘタレ&痴女キャラ属性追加(身体に包帯を巻きつけただけの姿で魔神に挑む羽目になった)

【悲報】アレクシア、ハンドルを握ると人格が変わるタイプ。


七人の中で唯一の常識人で、まともなツッコミ役だった彼女はどこに行ってしまったのやら。

斗真と桜が今後は被害者&ツッコミ担当にするかどうか、考えております。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!!


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― 新着の感想 ―
[一言] ブロンズ・ルド「バチが当たりましたな」 シルバーン「あんなことするからだよ」 首領(ドン)・ゴールド「全くその通りだな! ん?ニナの周りになんかいるな、黄色の顔?なんか見覚えあるな?」 シル…
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