第一話「最悪の展開を考えることは意外と前向きになれる~それでも限度ってモンがあるんだ、バカヤロー~」
本日二回目の投稿をいたします。
今回から第八章を始めます!
どうぞよろしくお願いいたします!
【斗真視点】
物事を取り組むにあたって、取り組む前から最悪のシナリオを展開するのはネガティブな発想だと思われる。
しかし、この発想の転換が意外と自信をつけてくれるものらしい。
確かに、何が起こるか分からないのが人生なのだから、前もって最悪のシナリオを展開しておけば、トラブルに直面しても「ああ、このぐらいならなんてことないか」とか「このぐらいのことなら、何とか解決できる」と不思議とポジティブに考えることが出来る。
そういうのを「防衛的悲観主義」というらしい。
ある意味、発想の逆転ともとれる考え方だ。何でも前向きに物事を考える事だけが前向きではない。
自暴自棄ともとれるかもしれないが、もうここまで運が悪ければちょっとやそっとのことじゃ動じなくなっているのも確かだし、最近では週に平均7回の臨死体験を味わう羽目になってからは、戦闘時に「死」と隣り合わせで戦う時にも、以前よりは恐怖が薄らいで、冷静に状況を分析しながら戦うことが出来るようになってきたと思う。
しかし、今回僕と桜に起こった【不幸】は・・・。
そんな考えなど遠い遠い空の彼方まで吹き飛ばしてしまうほどの、とんでもないものだった。
「・・・桜ぁ」
「・・・兄弟」
朝日が差し込み、雲一つない青空が広がる爽やかな朝だと言うのに、僕と桜はもはや死人のように真っ青な顔で向かい合って、どん底のさらにどん底まで落ち込んでいる。アカン、このままだと「いっそ死ねば楽になれるか」という良からぬ考えが頭をよぎってしまう。
「・・・介錯は頼めるか?」
「桜、落ち着いて。いくらショックだからって、いきなり死に装束を着込んで切腹の準備を始めるのは、気が早すぎると思うんだ」
屋内で切腹なんてしたら、部屋中血まみれになって、あとの掃除とか後始末が大変じゃないか。
「お前だって梁にロープを巻いてわっかを作りながら言っても説得力がねーよ。とりあえず、生きてどう解決するか、まずは考えてみよう」
「うん、自決するなんていつでもできるし、まずはどうしてこうなったのか、原因を突き止めないといけないね」
そうはいってもさ、この状況は一体何がどうしてこうなったんだ?
僕と桜は、お互いにパジャマのボタンをゆっくりと外して・・・。
パジャマを開いて、お互いの身体を見せ合う。
「・・・おっぱいが、あるな」
「・・・ウン、ソウダネ」
「・・・そして、アレがねえな」
「・・・ウン、ドコニ、消エチャッタンダロウネェ」
ズボンの中をお互いに見て、自分たちの身体に起こった変化を確認する。
「「どうして、身体が女の子の身体になっているんじゃあああーーーーーーっ!!!」」
これまで数々のトラブルに見舞われ続けてきた僕や桜でさえも思わず絶叫したくなる、最悪のトラブルが発生していた。
僕たち、本当に女の子の身体になっちゃってるぅぅぅーーーーーーっ!!?
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「・・・ニナ、お前なんてことをやらかしてくれたんだ」
「・・・全く、不味くてあの世に逝きかけるだけやのうて、トーマちゃんとサクラの性別を入れ替えてしまうようなマドレーヌなんて、よう作ったもんやな」
大食堂で、今回の事件を引き起こした元凶であるニナが床に直に正座して、アイリスとオリヴィアさんに叱られていた。ニナは目に涙を浮かべて本当に申し訳なさそうにしょげている。うーむ、これがもしヴィルヘルミーナさんが僕たちを女の子に変えて、イチャコラしてみたかったとか言う理由だったら遠慮なく彼女をシバくのだが・・・。
「・・・だってここ最近トーマもサクラもかなり疲れている様子だったから、ちょっとおやつでも作ってあげたら、気晴らしになるかなって思って」
「・・・・・・全員で止めたのに、意地でも強硬した結果がこれ」
「全く、厨房の扉に鍵をかけてまで作るんですから」
どうやらニナが僕たちにおやつを作って、元気づけてくれるつもりだったらしいのだが、ニナの作るお菓子を食べた日には間違いなくあの世に旅立つことになると察した大アネキたちが必死で止めたようだ。
そしてボロクソに言われまくったニナも頭に来てしまい、意地になって厨房に鍵をかけて立てこもり、必死で止めるのも虚しく作り出してしまったのが、僕たちの身体を女性に変えてしまったこの精神的破壊兵器ということだ。
「・・・でも、それを味見してもらうように言われて断ったばかりか、厨房に入ってきた俺と兄弟の口の中にマドレーヌを無理矢理詰め込んで食わせたのは、お前らだろうが」
「・・・ひどいよ、自分たちが食べるのが嫌だからって、僕たちを身代わりにするなんて」
そして、僕たちの口をこじ開けて無理矢理、暗黒物質を食わせやがったアイリス、アレクシアさん、オリヴィアさん、大アネキもニナの隣で頭にデカいタンコブをこさえて、正座をしていた。
「だってよ、そこまで言うなら味見してから文句を言いやがれって、ニナが迫ってきたのが悪いんだろうがよ!そりゃこっちだって必死で逃げるさ!」
「だから、私は味見しても平気だったから大丈夫って何度も言っているのに、信じてくれないのが悪いんでしょうがっ!?」
「お前の舌と胃袋を信用できるわけないやろっ!?これまでの被害をよう考えてみぃや!」
とうとう罪の擦り付け合いを始めやがった。
うん、間違いなく僕たちがこの世で最も愛する女性たちは、クズの部類に入ることだろう。
「しかし、ニナさんは味見したって言うのに、よく身体が男性にならなかったな」
「いや、胸がいつもよりペッタンコになっていなくねえか?」
「それはいつものことだろう」
「お前らいい度胸ね、今すぐ全員そこに座れ。クナイの錆にしてやろう」
ニナにはどうやらマドレーヌの効果は効かなかったようだ。
そうなると、僕と桜だけが女性の身体になってしまったというわけか・・・。
はぁ・・・。
それにしても、僕のおっぱいは桜と比べると何て言うか、小さいというか、ペッタンコとは言わないけど、何て言うかこう、もう少しふくらみがあってもいいような気がするような微妙な感じだ。
「・・・桜のおっぱい、大きいから羨ましいよ」
「正気に戻れって、兄弟。そんなことを言っている場合じゃねーだろ」
「おい、そういえばヴィルヘルミーナはどうしたんだ?」
そういえば、彼女の姿は朝から見ていない。
「・・・・・・アイツならまだ寝ていると思う」
「まずいな、もしアイツが今のトーマとサクラの姿を見たら発狂するぞ」
うーん、そこまでいくかな?
今までの彼女の奇行を振り返ってみると・・・。
「・・・出血多量で死人が一人出るかもしれないね」
「死因は鼻血の出し過ぎといったところか」
「トーマ、お前も少しはミーナのことを信じてやってくれよ・・・」
そう言われても、これまでに何度も鼻血花火を炸裂しまくってきた、歩くスプラッタ映画のような存在である彼女の行動を見てきた限りでは、間違いなく致死量ギリギリの鼻血を噴き出すことは間違いないだろう。
その時だった。
「ふわあああ・・・グッモニーン・・・昨日は夜遅くまで素振りの稽古を珍しくマジでやったから、身体が重いよ。こういう時にはサクラのほっぺたにチューして、気合を入れたいところだねぇ・・・ん?」
来た。
ヴィルヘルミーナさんが、胸元を大きく開いておっぱいがこぼれ落ちそうな、ゆったりとしたローブに身を包んだ姿で食堂に入ってきた。そして、僕と桜の姿を見るや否や、何かに気づいたらしく目が点になった。
「・・・あれ?えーと、トーマ君とサクラ、いつもと感じが違わないかい?」
ああ、もうこれ駄目だ。
こういう時、彼女には誤魔化そうと思っていたけど、ヴィルヘルミーナさんのカンって鋭いんだよね。
僕たちは彼女の死を覚悟した。
「・・・あのな、ミーナ。今から俺が話すことを落ち着いて聞いてもらえるか?」
桜が意を決して、ヴィルヘルミーナさんを椅子に座らせると、僕たちの身体に起きた異変を説明する。
そして、話をひとしきり聞いた彼女の反応は、何やら真剣に考え込んでいた。
「・・・なるほど、そういうことか。それと同じ状況には、過去にボクも一回なった時があったよ。まあ、ニナ君が愛情をこめて作ってくれたお菓子には申し訳ないけどね」
あれ・・・?
ヴィルヘルミーナさんが・・・鼻血を噴き出して・・・興奮しないだと!?
「ビビちゃん、確か【ファジー・ネーブル】の町にある薬草園に、これと同じ状況になった時に使った薬草が栽培されていたよね?」
「・・・・・・【テンカン草】のこと?そうか、あれがあればなんとかできるかも」
おおう、ビビ姉もいつもなら興奮して発狂しまくるはずのヴィルヘルミーナさんが冷静に考えていることに対して、いつもの毒舌を返せず、動揺していらっしゃる。
「ファジー・ネーブルって何ですか?」
「コアントロー大陸にある【知識の宮殿】と呼ばれている、世界的に有名な学術研究都市ですわ~。その薬草園がある【セントラル・ミュージアム】は世界最大級の博物館と言われていて、様々な分野の学問を追究する研究者たちにとっては聖地と呼ばれていますわ~」
「そこに行けば薬草が手に入るから、そこで薬を作って飲めば治ると思うよ。ボクもそれで治したからね。あの時のことはちょっとした苦い思い出として記憶しているよ」
どんな目に遭ったのだ。
遠い目をしている彼女から、哀愁が漂っている。
「そうなると、マドレーヌの効果が切れるのを待つよりも、薬を探しに行った方が早いかもね。それに、この街の近くには・・・地の魔神がアジトにしている【オランジーナの谷】もあるからね。そこについて調査もしておいたほうがいいかもね」
嘘だ。
ヴィルヘルミーナさんがまともな意見を言っているだと!?
僕たちは動揺して、普段は彼女に暴言を吐きまくっているビビ姉もパニック状態になっているのか、頭を抱えている。
「・・・・・・いつもの色ボケじゃない!?」
「バカな、何があったというのだ!?」
「アイツからスケベと鼻血を取ったら、何も残らねーぞ!?」
「ただのイケメン女子ですわ。あんなのミーナちゃんではありませんわっ!」
みんな割かしひどいことを言っているようだけど、僕も同じようなことを考えていた。
「さて、とりあえずサクラ、こっちにきてもらえないかい?」
「あん?別にいいけど?」
だから、僕たちはヴィルヘルミーナさんが桜を連れ出して、こっそりと自分の部屋に戻っていったことなんて、全然気づいていなかった。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「ふふふっ、可愛いねぇ♥女の子のサクラを愛でることが出来るなんて、今日は最高の一日になりそうだね♥さあ、君を男の子に戻す前に、君にも女の子同士で気持ちよくなれる、楽しくていいことを教えてあげるよ♥」
「ちょっと待てや!?お前、まさか鼻血とか必死で我慢してそんなことを考えていたのかよ!?」
「せっかくのチャンスだ。鼻血を出しまくって、出血多量で倒れて君と仲良くできるチャンスを棒に振るわけがないだろう!それに、ボクはもうサクラに首ったけだからねぇ。色々なシチュエーションで君のことを愛でたいのさ♥ボクの心をわしづかみにしたんだ、覚悟してもらうよ?」
「・・・ううう・・・あまり・・・痛いことはするなよ?」
「・・・フッ、サクラはボクの大事なご主人様なんだからさぁ♥たっぷりと可愛がってあげる♥」
この3時間後、彼らは【ファジー・ネーブル】を目指して旅立った。
【悲報】斗真、桜、身体が女体化させられる。
斗真と桜の不幸もここまでやってきました。
あとは入れ替わりとか、酔っ払ってトラブるとかそう言った感じでしょうか?
ちなみに二人のスリーサイズ(女性バージョン)はこうなります。
斗真:162㎝ 79-56-81
桜:160㎝ 87-57-88
斗真はスレンダーな感じの美少女になります。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
次回も斗真たちが男の身体を取り戻すために奮闘します。




