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第十一話「アムレット防衛戦①~VSギルタブリル~」

一部にR15的描写があります※


いつも拙作を読んでいただき、ありがとうございます!


本日二回目の投稿をいたします!

どうぞ、よろしくお願いいたします!

 邪眼一族の中でも、自然現象すらも自分の力で操る事が出来る、強い力を持つ4人の幹部【四凶】。


 彼女たちには、それぞれ、二つ名と、得意とする術を極めて、奥義を習得した【マスター】の称号が与えられている。


 『魔法』の奥義を極めた【マジックマスター】は、【激流の渾沌】。


 『剣術』の奥義を極めた【ソードマスター】は、【煉獄の橈骨】。


 『格闘技』の奥義を極めた【バトルマスター】は、【狂風の窮奇】。


 そして『治癒』や『造物術』の奥義を極めた【ゴーレムマスター】の【金剛の饕餮】。


 この四人が、ヴェロニカから絶対的な信頼を置かれている、邪眼一族の最高幹部とされている。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 夜明け前のグラン・マルニエ砂漠。


 星が瞬き、昼間のうだるような暑さとは正反対で、肌に突き刺すほどの冷気を帯びた風が吹き荒れている。

 

 凶暴な魔物がうろついているため、ベテランの冒険者であっても、決して出歩くことのない銀色の砂の海を、一人の女性が立っていた。


 銀色のロングヘアーと、赤色の瞳、赤銅色の肌を持つ、スタイルが抜群の美女だった。

 グラマラスな肢体には、踊り子のようなわずかな布で作られた衣類しか身に纏っておらず、蠱惑的な瞳を持つ妖艶な美女の上半身と、強固な赤茶色の殻で覆われた、六本の脚を持ち、お尻からは巨大な毒針のついた尻尾を生やした魔物娘【ギルタブリル】であった。


 そして、彼女こそが、饕餮の部下であり、遊撃部隊の隊長を務める【アドミラル】である。


 彼女が自分の人差し指を歯で噛み、ぷくりと膨らんだ血液の玉を、砂の上に魔法陣の上に落とした。


 すると、オレンジ色の光が迸り、砂漠の砂が舞い上がると、見る見る巨大な巨人【ゴーレム】の姿になっていく。土に魔力を宿して生み出された、人工生命体であるゴーレムは、暗い眼窩におぼろげな光を宿して、主であるアドミラルを一斉に見る。


 「聞け!我がゴーレムたちよ!これより、主君・饕餮様の命令により、憎きアムレットに乗り込む!!ヴェロニカ女王陛下、饕餮将軍の忠告にも耳を貸さず、お顔に泥を塗るような行為をした罪は万死に値する!!よって、アムレットとの協定を破棄し、邪眼一族を軽んじたアムレットの国王と民たちに、我らの怒りを思い知らせてやるのだ!!女も、子供も、老人も、全て皆殺しだっ!!」


 ゴーレムたちがアドミラルの怒号に応じるかのように、巨大な拳を突き上げた。


 さらに続いて、彼女の部下である遊撃部隊のギルタブリルやマンティコア、マミーがこぶしを突き上げて、空気が震えるほどの凄まじい雄たけびを上げる。


 「我らが先兵となって、先陣を切って、アムレットを制圧するのだ!!遊撃部隊、一斉に進めぇぇぇぇぇぇっ!!我ら邪眼一族の恐ろしさを、とくと、味わせてやれっ!!それでは、出陣ーーーーーーっ!!!」


 「「「ウオオオオオオオオオオーーーッ!!!」」」


 地面を踏み鳴らし、武器を持った魔物たちが一斉に、アムレットを目指して進軍を開始する。


 アドミラルは、饕餮に絶対的忠誠を誓った忠臣であり、彼女からゴーレムを作り出す技術を教わった有能な弟子でもある。そんな饕餮の忠告にも耳を貸さずに、他国の冒険者たちを無理矢理連れ去らって、洗脳して、ネクロノミコンを横取りしようと目論んでいたアムレット国王のことが、許せなかった。


 激情を力に変えて、彼女は勇ましく、憎きアムレットを攻め滅ぼさんと、軍を率いて出陣した。


 しかし、アムレットに向かって進んでいる途中で、異変が起こった。


 「う、うわああああああっ!!」


 「どうした!!何があった!?」


 「た、大変です、アドミラル隊長!!先陣の連中が、急に氷漬けになってしまいました!!」


 「何ですって!?どういうことだ!?」


 アドミラルが見ると、先頭にいたマンティコアやサンドドラゴンが、巨大な氷の中に閉じ込められていた。見ると、先頭を歩いていた兵士たちの足元から身体が凍り付いていき、見る見る、アドミラルの目の前で氷漬けになっていく。


 「ま、まさか、罠を仕掛けていたのか!?おのれ、卑劣な!!」


 「いや、夜討ち朝駆けをやってくるような奴らに、そういうことは言われたくないでしょ」


 「誰だ!!」


 「美しい銀色の満月に誘われて、颶風のワイズマン、ここに参上・・・ってね」


 「同じく雷鳴のアーヴィング、参上!」


 「・・・・・・氷結のブルックス、参上」


 「・・・それと、犯罪奴隷の幕ノ内桜、参上」


 アドミラルの前に現れたのは、ヴィルヘルミーナ、アイリス、ビビアナ、そして・・・桜だった。


 桜は左目でアドミラルを睨みつけながら、静かに、月の光を受けて輝く刀を抜いた。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 【桜視点】


 レベッカさんの読みが、大当たりだったな。


 あの後、俺たちはレベッカさんに呼び出されて、睡眠室と呼ばれる部屋で、全員休むように言われた。


 この部屋には、ベアトリクス陛下が仕掛けた、時間を操る魔法がかけられており、部屋の中で1時間過ごしても、外の世界では1分しか経たない様になっている。


 作戦に入る前に十分な睡眠をとり、体力と魔力を回復させてから、俺たちは二手に分かれて、作戦を実行に移した。レベッカさんの話によると、もし、邪眼一族が絡んでいるとしたら、自分たちが禁書に全て注意を向けていたら、そのスキを突いて、アムレットに進撃を仕掛ける可能性が高いと言い出したのだ。


 『アムレット国王がどうなろうと知ったこっちゃないけどさ、アムレットが墜とされたら、さすがに近隣の国が黙っているわけがないだろう。そしたら、アムレットを拠点にして、サビアや他の国にまで牽制を仕掛けてくる可能性がある。連中が得をする行為は、後々にアムレットに匹敵するほどのヤバいことをやらかすことに繋がるかもしれねえ』


 『だから、チームを二つに分けて、片方はアムレットの見張り、片方は地下に潜って、アフロのピンポンとかいう禁書を守り、クロスの勇者たちがそれを狙って来たら、全員捕らえて、サビアの王宮に突き出すってことでどうだろうか?』


 『ネクロノミコンだ、バカ。まあ、お前にしてはいい考えだな。大勢で行ったら確実に目立つしな』


 『・・・・・・もう面倒くさいから、その禁書、燃やしちまえばよくね?』


 『いや、そらアカンわ。ネクロノミコンっちゅうんは、死者の都とこっちの世界を繋ぐ扉の鍵らしいんや。古代図書館から流出したっちゅうんは、実は写本やったらしくてな。鍵である禁書を外したり、燃やしたりしたら、死者の都の封印が解かれて、この世に死者があふれてしまうっていう言い伝えがあるらしいんや。そうなると、禁書を狙っとる連中は、ネクロノミコンを写し取って、写本を作ろうとしとるのかもな』


 『つまり、本体を動かすわけにはいかないから、レプリカを作って、それを利用して、悪事をやらかそうとしているってことですか?』


 『そういうことだ。そして、翌朝になる前に、アムレットに向かう理由って言うのは、日の出前っていうのは、襲撃を仕掛ける時間としては最も効果てきめんな時間帯なんだよ。警備や、騎士団の連中もそのぐらいの時間になったら、休息を取るからな』


 『夜討ち朝駆けってヤツか。そりゃ、効果的だよな』


 『というわけで、これからしっかりと休んだ後に、オレたちはアムレットに向かおうと思う!』


 そして、チーム分けのじゃんけんの結果、アムレットの周りを警備するAチームは俺と、アイリス副隊長と、ビビアナさんと、ヴィルヘルミーナになった。


 斗真、レベッカ隊長、グリゼルダさん、アレクシアさん、オリヴィアさんのBチームは洞窟から地下に潜って、地下神殿に向かうことになった。


 「貴様たち、アムレットの使いのものか!!」


 「まさか、あんなバカ国王のために働いてやるつもりなんて、これっぽっちもないねえ」


 「ただし、お前たちのような連中にも、好き勝手をやらせるわけにはいかん」


 「・・・・・・これ以上、面倒くさいことをやらかすな」


 「そして、話は聞かせてもらったが、お前たちの後ろには、邪眼一族がついているのだな?おそらく狙いは、禁書ネクロノミコンだろうが、お前たちにも渡すわけにはいかない」


 「・・・・・・さっさと、お引き取りしやがれ。こちとら、トーマと早くイチャイチャしたいのに、別行動になったうえに、この色ボケとチームを組まされてムカついているんだ。つーか死ね、ヴィルヘルミーナもついでに死ね、二人とも仲良く死ね」


 「・・・フッ、ビビちゃんは相変わらず照れ屋さんだなぁ・・・グッスン」


 「ビビアナさん、もうその辺りにしておいてやってくれ。膝抱えて、座り込んで、いじけちゃったから」 


 「戦闘前から役に立たなくなってどうするんだ、お前は」


 「・・・そうか、お前たちが【彩虹の戦乙女】だな!!こうなれば、お前たちをここで一気に片付けてやるさ!!遊撃隊、一斉にかかれぇぇぇぇぇぇっ!!」


 上半身が美女、下半身がサソリの姿をした魔物娘が勇ましく叫ぶと、後ろに控えていた魔物の大軍が、一斉に襲い掛かってきた!


 遠くから飛んできた竜牙を手で掴むと、俺はバックルに、竜牙を折りたたんで装着した。


 


 『飛竜乗雲!!竜・姫・転・身!!』


 「変身・・・!」




 藍色の竜が全身を覆い、白い着物を着込んだサムライの姿に変身を果たすと、俺の背中合わせになるように、ヴィルヘルミーナがカットラスを抜いて、身構えた。


 『竜刃の侠客!オレイカルコス・ナイト・・・!!』




 「さあ、派手にやろうか。サクラ!」


 「・・・俺の背中はお前に預ける。だから、お前は俺に背中を預けな」


 「フフフッ、頼もしい限りだ。この仕事が片付いたら、また、君と熱い夜を過ごしたいものだねえ」


 「・・・そういうことを言っていると、今度は腰が抜けても、止めねーぞ」


 「それはご褒美かい?想像するだけで、蕩けてきちゃうじゃないかぁ♥」


 


 舌なめずりをして、淫蕩な目を細めて微笑みながら、ヴィルヘルミーナの頬は赤く染まっている。


 ああ、もう、本当にこの人は・・・、なんて思いつつも、どこか期待している俺も俺か。


 それに、お互いに背中を守り合える関係っていうのは、とても心強く感じる。


 それじゃあ、派手に暴れますか・・・!! 

桜とヴィルヘルミーナの関係も着々と進んでおります。

一方で、斗真と離れた上に、イチャイチャできないアイリスとビビアナは不満が募るばかり。

次回、彼女たちの怒りが爆発します。


アムレットを守るつもりは毛頭ないのですが、アムレットを占領された後に、邪眼一族やクロスが、近隣諸国にちょっかいを仕掛けるかもしれないという可能性を潰すために、敢えて、アムレットを守るために戦っております。国王の命?正直連中はどうでもいいと思っております。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。


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