001 帰宅途中の異変
会社が終わりJR山手線に揺られながらスマホをいじり始める
…なんかニュース記事はないかな~
アイドルスキャンダルを見ながら
…やっぱり出てくるよな
…アイドルと言っても、十代の女子だから
…そら~異性に興味あり ま・く・り だし
次は気になった動画を再生するためポケットのイヤホンを
取り出し、絡まったコードを解きながら方耳にだけ突っ込む
いつもと同じ街並み、いつもと変わらない時間に原宿を通り過ぎる
…なんか食い物かって帰らないと
…甘いの食いたいけど、ヨーグルトに砂糖ぶっかけるか?
…ん~ スピリタスほんのちょっとに100%オレンジジュース?
…あとは、しょっぱいのか~ バタピ?ピザ?
…そ~いえばドンキの先にあったブックオフがGUになったな~
…ドンキで食い物買う前に、ちょっと服見てくか?
キーー プシュー
ドアが開き、みんなぞろぞろと駅ホームへと降りて行く
スマホを誰かにぶつけて落とさないように右手に握り締め
人々のあとに続いて歩き始める
階段下り口は相変わらず人が多いので渋滞が出来てしまう
携帯をポケットにしまい渋滞の人混みに飲み込まれていった
「きゃー 」
「なんだあれ 」
「Gyaaaa 」
駅の外から悲鳴が聞こえて改札行列を搔き分けて人々が駅内に雪崩込んできた
…なんだこれ やばいぞ
…このままだと人混みで身動き取れなくなる
…とりあえず駅を出ないと
階段を落ちきり壁にそっと改札を目指す
どんどん人が増えてゆく
後ろを振り向くと階段で身動き取れなくなった人々が
「おっすなー」
「いたいー ぃた」
声を張り上げれいる
…あのまま階段にいたら押し潰されていたな
…ほんの数メートルなのに
人に押されながら俺は壁に張り付く
…なんとか改札を抜ける人波に乗らないと
駅員が叫びだす
「押さないで下さい。」
「改札を飛び越えないで下さい。」