毎日の食事へのこだわり-カップ焼きそば
僕はカップ焼きそばにこだわりがある人が嫌いだ。
まず、こだわる人にありがちなポイントとして『湯切り』がある。
彼らが言うには最後の一滴まで湯切りすることで、麺へのソースの絡みが変わり美味しく食べれるらしい。
まあ、もちろんソースの絡みは良くなるのだろう。
だが、そもそもが塩分の高いカップ焼きそばのソースを、そこまで麺に絡めてしまうとはっきり言ってそのまま食べるにはしょっぱすぎる。まさしく彼らのこだわりは机上の空論なのだ。こうすれば美味しいだろうという思い込みだけでせっかくのカップ焼きそばを十分に味わえずにいるのだ。
そもそもそんなにソースを絡めたいなら湯切りをした後に麺を箸で上下させることでさらに水分を払ってしまうべきだろう。そこまでこだわらずに俺はこだわってるぜとは片腹痛い。
ではどうやって食べるかという話になるが、僕はあえてお湯を少し残す。ジェット湯切りが無かった頃ぐらいの角度で少しお湯を残すぐらいを意識して湯切りをするのだ。そこにソースをかけると、当然食べ終わった後にソースのプールができる。これに容器にへばりついているかやくの野菜を沈ませて一気に食べる、これがカップ焼きそばの本来の、いや真の食べ方といえよう。
またこの食べ方の素晴らしいところは、カップ焼きそばのある問題点をも解決してしまう点にある。
それは「かやく蓋張り付き問題」である。
ジェット湯切りにすっかり慣らされた今の現代人たちは、何かと湯切りを急角度でしがちである。
その結果かやくは蓋に触れへばりつき、食べるときにわざわざ箸で落とすという手間がかかってしまう。
中にはかやく蓋張り付きを恐れるあまり、一度麺を取り出して麺の下にかやくを入れる集団さえいるらしいが、僕のようにゆるやかな角度で湯切りをすれば、ほとんどかやくはこびりつかないのだ。わざわざ麺を取り出す彼らは僕から見ると「こだわり人」というよりは「初心者」である。
さてカップ焼きそばといえば、常に議論になるのがどのカップ焼きそばが一番おいしいかということであろう。
これはもうバゴーンに決まっていて、議論の余地はない。終わり。
最後にカップ焼きそばにひと手間加えるならだが、僕はニンニクをひとかけみじん切りにするのがお気に入りである。胃のコンディションがよくない時などはにんにくを入れる前にお湯を注ぐ。こうすることでニンニクに火が通り、刺激が抑えられるのである。