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「第六十七章」「成瀬日菜乃(14)」


「オイルに指定はあるかい?」

オイル交換の準備を手際よくしながら、露草は聞いた。

「特には。あんまり詳しい方じゃないんだ。多分何時もはメーカー純正だと思う。」

それを聞いて露草は、楓のバイクの周囲を回ってそれから聞いた。

「乗り方を教えてくれると助かるんだが。街乗り、サーキット、高速、ワインディング何割とか。」


楓はそんな事を聞かれるとは思っていなかった。

「街乗りが半分くらいかな。あとはワインディング3割くらい。遠出はほとんどしないかな。サーキットは行かないよ。」

「わかった。こちらで良いのを選んでも良いが、予算はどのくらいかな?」

このくらいなら・・・と楓は提示した。

それを聞いてから、露草はオイルを2つ持ってきて、それをブレンドし始めた。

楓は驚いた。エンジンオイルを混ぜ合わせるなんて想像してこともなかったからだ。


オイルを計量しながら露草は聞いた。

「ところで、今日はなんでウチの店に来たのかな。馴染みの店もあるだろうに。」

「それは・・・・」

その言葉に、楓は返答に困った。

ズバリ本題を言うべきか・・・・・。

「馴染みって言っても、ホンダドリームで換えるか、カネがない時は近場の2りんかんとか、バイクワールドとかライコランドで換えてるだけさ。」

今ひとつ踏ん切りがつかずに、楓は咄嗟にそう答えてしまった。


作業を淡々と続けながら、露草は言った。

「私の想像で間違っていたなら申し訳ないけれど、君は梶谷楓さんではないかな。」


見抜かれていたか!

一瞬楓の息が止まった。

予想していたとは言え、突然言い当てられてしまい、楓は少し固まった。

だが、どのみちここでジタバタしても仕方がない。


「ああ・・・そうだけど、この店を使ったら駄目だったかな?」

気合を入れ直して、楓はそう答えた。



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