運命の再会
久しぶりの更新です
前回2話構成と言いましたがもう少し続きます
今回のツアー2つ目の街、シオンの街に着いた。この街は、海に面してるため漁業が盛んな街だと馬車の中で、ガラドから聞いた。
馬車から降りると、KAZUNORIは
「海だー」
と一目散に海に向かって行った。
俺たちもKAZUNORIを追うように、このthe港町を横断するように海に向かったところ、港でKAZUNORIは絶望感に打ちのめされていた。
そんな、KAZUNORIにガラドが声を掛ける
「どうしたんだ、KAZUNORI?」
「……チ」
「ん?」
「ビーチがなんで、ないんだよー」
KAZUNORIの叫びは、街中に響いたのであった。
「まぁ、港町だし仕方ないだろ。さらにこの国は、日本よりも少し気温が低いしな」
とMASAFUMIがKAZUNORIをなだめることで、この問題は収まったのであった。
カノン先輩曰く、この街には小さいながらもステージがあるらしく、誰でも予約を取れば使えるので先に予約を取るために、市役所のような場所に行くことになった。
「すみません。 明日のステージの利用許可を貰えませんか?」
と尋ねたところ、五十過ぎの漁師らしきおじさんは、
「明日ね、ええーと予約が先に入ってるね。ええーとグループ名は、MILKY HEVENね」
「え?」
MILKY HEVEN、俺たちがこの世界に来る前に最後に対バンしてた相手だ。そして、その人気に嫉妬し、悔しい思いをしながらも張り合おうとした相手だ。そのバンドがなぜ、この世界にいるのだろうか。
「そのメンバーはどこに?」
俺が聞く前にRYUYAはおじさんに聞いた。
「ちょうど、2週間前にここに来て、2週間後のこの日ステージを借りたいと言って予約して、街から出てったから知らないよ」
その後、俺たちは明後日のステージを予約した。街の宿に泊まった。MILKY HEAVENがこっちの世界にいるかもしれないという、事実から誰一人必要以上に話すことは無かった。ガラドも空気を読んでか、静かだった。
――――
その晩眠れなかった、俺は宿を抜け出し散歩することにした。港で海を眺めながら歩いていると、正面から背の高い美形の男がやってきた。男は、俺の顔を見るとどこか嬉しそうに、
「汰樹、汰樹だろ。 やっと会えた」
と話しかけてきたのだ。
俺はこの男を知っている。西園寺 京 MILKY HEAVENのリーダーだ。そして、昔同じバンドのメンバーだった男だ。
高校時代、俺たちはメジャーデビューを目指しバンドを組んでいた。しかし、俺は自分達の歌は自分の感情をストレートに歌詞にして、それをメロディに乗せるのが、正義だった。しかし、京は売れる歌を作れば、中身がいくら綺麗事のかたまりでも構わなかった。目的は一緒だった。しかし、過程が違った。それが、原因で高校卒業と同時にバンドは解散した。
俺は、Blow of satisfactionを作った。京は、MILKY HEAVENを作った。Blow of satisfactionは、ありふれたどのにでもある、ロックバンド。MILKY HEAVENは女性に媚びた、アイドル系のバンド。方向性のしっかしてる、MILKY HEAVENが売れるのは必然で俺たちと、天と地の差が出てるのは必然だった。負けてるのが悔しくて、悔しくて曲を作り続けた。
数年経って俺たちも、それなりに人気はでたが、その頃にはMILKY HEAVENはメジャーデビューを決めていた。そんな、ある日疎遠だった京から、電話があった。
「対バンをやらないか?」
即答はできなかったが、経験になると思いやることにした。そのライブの後俺たちは、事故に合い死んでしまったので、顔を合わせたのはライブの前以来だ。
「久しぶりだな、京。この世界で再開できるとは、思ってもなかった」
「そうか。俺は転生する時に、お前達がいること知らされてた。」
「そういうもんなのか」
「そういうもんなんだよ。それより汰樹、ゆっくり話をしないか?」
「分かった」
俺たちは、波止場に座ってお互いの状況について話し始めた。どうやら、京達は俺たちが死んでから、1ヶ月後に事故で死んでしまったらしく、俺たちと同じように転生したらしい。そして、シオンの街近くの山小屋で生活してるらしい。
「そろそろ、宿に戻る」
と、俺は重い腰を上げた。
「なぁ、汰樹。明日は、俺たちのこの世界に来て最初のライブなんだ。見に来てくれないか」
と、真剣な顔をした京に言われた。俺は、いつもだったら複雑な気持ちでNOと言ってるだろう。
「分かった。必ず行く」
と約束した。
――――
翌朝、俺はメンバーにMILKY HEAVENのライブを見に行くことを伝えた。
「TAKI、本物かどうかわからないのにか?」
「昨日、京に会った」
「そうか、だったら俺も見に行く。RYUYAとKAZUNORIはどうする?」
「あいつらがどういう演奏をするのか、気になるから行く」
「ハイハイ、俺も行く!」
と、こんな調子で全員行くことになった。
シオンの街のステージは、人が集まりやすいとこにある。さらに、この街の大多数の人間は漁師なので、朝に仕事を終わらせて昼は暇な人が多いので、昼からのステージには、多くの人が集まるようだ。
50人くらい集まった広場に楽器の音が鳴り響く、そのままの流れで1曲目に入った。
今まで、MILKY HEAVENの曲はアイドル寄りのものだった。しかし、今回は違う。激しく、ノリノリになれる歌。前世のフェスとかだったら、自然とモッシュが生まれてしまうような歌。それだけでない、ギターの京を中心に全員の技術が、かなり向上してるのだ。
そして、ボーカルの結城 和哉の声が心の中にグングンくる感じがする。
「偽りの仮面を剥いだ今、どこまでも飛び立てる」
こいつらには勝てない、そう思わせるようなライブだった。
悔しい、悔しい、悔しい
2曲目以降も、彼らの音楽に圧倒された。
――――
ライブが終わった後、メンバーには先に宿に行ってもらった。そして、俺は京のところに向かった。
出演者控室の近くで海を眺めて待っていると、MILKY HEAVENのメンバーが出てきた。
「なんや、Blow of satisfactionのボーカルやないかい。ワシらになんか用かい?」
と声を掛けてきたのは、ドラムの東 宗政。
「京にちょっと用があってな」
と答えると、
「ここで、聞かせろ」
と、予定外の事を言ってきたのは結城だ。
「無理だったら、離れて話そう」
と京は提案してきたけど、
「いや、ここで話すよ」
俺は覚悟を決めた。
「俺は、MILKY HEAVENの演奏に感動した。悔しいけど、俺たちには、できない音楽だと思った。曲も演奏技術も俺たちより上だ。この世界でも、人気バンドにすぐなるだろう。でも、俺はいや俺たちは、負けない。この世界でナンバーワンバンドになるのは、俺たちだからな」
この日俺は、MILKY HEAVENにライバル宣言をした。
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