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売れないバンドが異世界転生したら大人気バンドになりました  作者: 名古屋 大八
アンネベルク近郊3都市ツアー編
4/6

運命の再会

久しぶりの更新です

前回2話構成と言いましたがもう少し続きます

今回のツアー2つ目の街、シオンの街に着いた。この街は、海に面してるため漁業が盛んな街だと馬車の中で、ガラドから聞いた。


 馬車から降りると、KAZUNORIは


「海だー」


 と一目散に海に向かって行った。


 俺たちもKAZUNORIを追うように、このthe港町を横断するように海に向かったところ、港でKAZUNORIは絶望感に打ちのめされていた。


 そんな、KAZUNORIにガラドが声を掛ける


「どうしたんだ、KAZUNORI?」


「……チ」


「ん?」


「ビーチがなんで、ないんだよー」


 KAZUNORIの叫びは、街中に響いたのであった。


「まぁ、港町だし仕方ないだろ。さらにこの国は、日本よりも少し気温が低いしな」


 とMASAFUMIがKAZUNORIをなだめることで、この問題は収まったのであった。


 カノン先輩曰く、この街には小さいながらもステージがあるらしく、誰でも予約を取れば使えるので先に予約を取るために、市役所のような場所に行くことになった。


「すみません。 明日のステージの利用許可を貰えませんか?」


 と尋ねたところ、五十過ぎの漁師らしきおじさんは、


「明日ね、ええーと予約が先に入ってるね。ええーとグループ名は、MILKY HEVENね」


「え?」


 MILKY HEVEN、俺たちがこの世界に来る前に最後に対バンしてた相手だ。そして、その人気に嫉妬し、悔しい思いをしながらも張り合おうとした相手だ。そのバンドがなぜ、この世界にいるのだろうか。


「そのメンバーはどこに?」


 俺が聞く前にRYUYAはおじさんに聞いた。


「ちょうど、2週間前にここに来て、2週間後のこの日ステージを借りたいと言って予約して、街から出てったから知らないよ」


 その後、俺たちは明後日のステージを予約した。街の宿に泊まった。MILKY HEAVENがこっちの世界にいるかもしれないという、事実から誰一人必要以上に話すことは無かった。ガラドも空気を読んでか、静かだった。


――――


 その晩眠れなかった、俺は宿を抜け出し散歩することにした。港で海を眺めながら歩いていると、正面から背の高い美形の男がやってきた。男は、俺の顔を見るとどこか嬉しそうに、


「汰樹、汰樹だろ。 やっと会えた」


 と話しかけてきたのだ。


 俺はこの男を知っている。西園寺(さいおんじ) (けい) MILKY HEAVENのリーダーだ。そして、昔同じバンドのメンバーだった男だ。


 高校時代、俺たちはメジャーデビューを目指しバンドを組んでいた。しかし、俺は自分達の歌は自分の感情をストレートに歌詞にして、それをメロディに乗せるのが、正義だった。しかし、京は売れる歌を作れば、中身がいくら綺麗事のかたまりでも構わなかった。目的は一緒だった。しかし、過程が違った。それが、原因で高校卒業と同時にバンドは解散した。


 俺は、Blow of satisfactionを作った。京は、MILKY HEAVENを作った。Blow of satisfactionは、ありふれたどのにでもある、ロックバンド。MILKY HEAVENは女性に媚びた、アイドル系のバンド。方向性のしっかしてる、MILKY HEAVENが売れるのは必然で俺たちと、天と地の差が出てるのは必然だった。負けてるのが悔しくて、悔しくて曲を作り続けた。


 数年経って俺たちも、それなりに人気はでたが、その頃にはMILKY HEAVENはメジャーデビューを決めていた。そんな、ある日疎遠だった京から、電話があった。


「対バンをやらないか?」


 即答はできなかったが、経験になると思いやることにした。そのライブの後俺たちは、事故に合い死んでしまったので、顔を合わせたのはライブの前以来だ。


「久しぶりだな、京。この世界で再開できるとは、思ってもなかった」


「そうか。俺は転生する時に、お前達がいること知らされてた。」


「そういうもんなのか」


「そういうもんなんだよ。それより汰樹、ゆっくり話をしないか?」


「分かった」


 俺たちは、波止場に座ってお互いの状況について話し始めた。どうやら、京達は俺たちが死んでから、1ヶ月後に事故で死んでしまったらしく、俺たちと同じように転生したらしい。そして、シオンの街近くの山小屋で生活してるらしい。


「そろそろ、宿に戻る」


 と、俺は重い腰を上げた。


「なぁ、汰樹。明日は、俺たちのこの世界に来て最初のライブなんだ。見に来てくれないか」


 と、真剣な顔をした京に言われた。俺は、いつもだったら複雑な気持ちでNOと言ってるだろう。


「分かった。必ず行く」


 と約束した。


――――


 翌朝、俺はメンバーにMILKY HEAVENのライブを見に行くことを伝えた。


「TAKI、本物かどうかわからないのにか?」


「昨日、京に会った」


「そうか、だったら俺も見に行く。RYUYAとKAZUNORIはどうする?」


「あいつらがどういう演奏をするのか、気になるから行く」


「ハイハイ、俺も行く!」


 と、こんな調子で全員行くことになった。


 シオンの街のステージは、人が集まりやすいとこにある。さらに、この街の大多数の人間は漁師なので、朝に仕事を終わらせて昼は暇な人が多いので、昼からのステージには、多くの人が集まるようだ。


 50人くらい集まった広場に楽器の音が鳴り響く、そのままの流れで1曲目に入った。


 今まで、MILKY HEAVENの曲はアイドル寄りのものだった。しかし、今回は違う。激しく、ノリノリになれる歌。前世のフェスとかだったら、自然とモッシュが生まれてしまうような歌。それだけでない、ギターの京を中心に全員の技術が、かなり向上してるのだ。


 そして、ボーカルの結城(ゆうき) 和哉(かずや)の声が心の中にグングンくる感じがする。


「偽りの仮面を剥いだ今、どこまでも飛び立てる」


 こいつらには勝てない、そう思わせるようなライブだった。


 悔しい、悔しい、悔しい


 2曲目以降も、彼らの音楽に圧倒された。


――――


 ライブが終わった後、メンバーには先に宿に行ってもらった。そして、俺は京のところに向かった。


 出演者控室の近くで海を眺めて待っていると、MILKY HEAVENのメンバーが出てきた。


「なんや、Blow of satisfactionのボーカルやないかい。ワシらになんか用かい?」


 と声を掛けてきたのは、ドラムの(あずま) 宗政(むねまさ)


「京にちょっと用があってな」


 と答えると、


「ここで、聞かせろ」


 と、予定外の事を言ってきたのは結城だ。

「無理だったら、離れて話そう」


 と京は提案してきたけど、


「いや、ここで話すよ」


 俺は覚悟を決めた。


「俺は、MILKY HEAVENの演奏に感動した。悔しいけど、俺たちには、できない音楽だと思った。曲も演奏技術も俺たちより上だ。この世界でも、人気バンドにすぐなるだろう。でも、俺はいや俺たちは、負けない。この世界でナンバーワンバンドになるのは、俺たちだからな」


 この日俺は、MILKY HEAVENにライバル宣言をした。

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