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「なんのようだ?」
てかこの精霊誰?
『んーとね、私はー太陽の精霊マルグリット。一応この国の守護精霊やってまーす』
え?
「本当?」
『うん、私はーマルグリット7世だけどねー』
神様みたいな代替わりってやつなのかな?聞くべきか、聞かないべきか……。
「神様みたいな、代替わりってやつか?」
好奇心に、負けた……。
『そうそうー、それでー7代目。最近変わったばっかりでー神子様にご挨拶に来たんだー。この国に住んでるのにーこの国でー一番偉い精霊がー精霊神様の神子様にーご挨拶しないのはーいろいろ問題あるからねー。そんなことしたらーほかの国の守護精霊とかー精霊王様とかー精霊神様にー〆られちゃうからね』
ハハハハ見たいな感じの乾いた表情で、この国の守護精霊マルグリットはそう言った。なんか、マナー講座の後の俺みたいで、親近感がわく。
「そうなのか」
『そうなのー。というわけで、ご挨拶させていただきます。
妾は太陽の精霊マルグリットの名を受け継ぎし光の精霊
この国を守り慈しむ母としてこの国を守護している
わが愛しの国へよくぞいらしていただいた 歓迎する 神子様』
スゥっと息を吸って朗々と言った。さっきの間延びした声の軽そうな人はどこに行ったの?レベルの変貌だ。
「ご歓迎に感謝する」
俺の口からも、するっと無意識に言葉が紡がれた。あの神界の言葉を読んだときみたいな感じだ。
「フェル様、いったい誰とお話しなさっているのでしょうか?もしかして、精霊様ですか?」
ワクワクキラキラみたいな感じで、アリス様は聞いてきた。
「うん、この国の守護精霊マルグリット様と話してたんだ。ほっといて済まない」
ごめんね、アリス様。
「えぇ!太陽のマルグリット様とですか?」
小さい口を手で押さえて目を丸くして、そう聞いてきた。
「そうだ」
『現界してあげようか?』
精霊を見ることができない人間にも見せるやつだけど、魔力足りるのかな?めっちゃ必要とか言ってたけど。
「魔力は足りるのか?」
『私はー一応守護精霊様だよ?余裕ー余裕ー』
間延びした声のふざけたようないいからだったけど、めっちゃ自信に満ち溢れていて、絶対大丈夫だなっと過信できる感じ。これなら大丈夫そうだな。




