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「お母様、お願いがあります」
ゆったりと椅子に腰かけてたお母様に、許可を取りに来た。ダメだったら、どうしよう・・・・・
「なぁに?フェル。フェルがお願いって、珍しいわね」
椅子に生きんと腰かけ直し、目を丸くして言うお母様。確かに、フェルディナンドと違って、わがまま言ったことはなかったな。というか、根が庶民だから、言えないな。
「世界樹の島に、ジエイドと、エンと、スピネルと言ってよろしいでしょうか?」
ジーとお母様を見つめる。できれば、OKしてくれ・・・・・
『神子様、私が、催眠魔法を駆けましょうか?』
何?その怪しげな魔法。
「スピネル、催眠魔法が何かは知らないけど、絶対にダメ」
『催眠魔法とは、簡単に言いますと相手に言うことを聞かせる魔法です。かけすぎたり、運が悪ければ、時々頭がおかしくなってしまうのが、欠点ですが』
「絶対に使っちゃダメ」
運が悪かったら、頭がおかしくなる魔法とか、絶対にお母様に、使っちゃいけないに決まってるでしょ。
『残念です』
しょんぼりして、肩を落とすジエイド。反応は、美人なお姉さんが、子供っぽ反応っていうギャップ萌えで、可愛いけど、言っている内容は、全然可愛くないよ。
「お母様、よろしいでしょうか?」
「そうねぇ、この前勝手に出かけたばかりだし……」
それ、掘り返さないでください。
「駄目ですか?」
「旦那様は、なんていってた?」
「お母様が、いいっていたら行ってきてもいいって言ってました」
「そっか・・・・・」
これは、いけるかも。世の中の母親は、お父さんがOKに弱いのだ(大嘘。前世の家の父親は、母親の尻に完全にひかれていた)。
「お父様がいいって言ったのなら、言ってもいいけど、一つ条件があるの」
お母様は、小悪魔的な笑みを浮かべた。




