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崩壊の家 病み期の僕

作者: 朝比 都

当小説を選んでいただきありがとうございます。この小説は少々病んでいる少年を題材にしたお話です。家というものの中で葛藤する少年のひねくれた思考を見ていただけるます。

どうか暖かい目でご覧ください。

怒鳴り声で僕は目覚める。僕はベッドで寝ていた。2階の中央の部屋だ。その真下のリビングで母と兄の口喧嘩が勃発している。僕はそんな中最悪な気分で目覚めた。いやいやながらも布団を押し上げ、寝床から出る。気乗りしないまま僕は1階へ降りようとする。突然兄の話になるが僕の兄は優秀だ。いわゆるいい子だった。父も母も兄にいつも期待していた。そんな兄を僕は尊敬していたと同時に劣等感を抱いていた。きょうだいのいる者なら多少理解してもらえるだろうか。この気持ちを。僕は期待されずに育った。常にひそかに、だからと言って問題は起こさない。よくある家庭環境の良くないものが学校で問題児扱いされている。僕はそんな低俗な奴にはなり下がりたくなかった。そもそも魂胆が見え見えだ。学校で問題を起こすことによって親の気を引きたい。そんなわかりやすい動機を周りに伝えたところで自分の価値が下がるだけだ。僕はそんなことしない。その代り、僕は静かな、でも大きな野望を抱いている。それは家族に僕のすごさを認めさせることだ。はたから見ればそんなことか、と思うようなことかもしれないが野心が今の僕を借りてる。現状、僕に居場所はない。家庭内の状況は最悪ともいえる。少なくとも僕はそう感じているのだ。母は僕の話は聞かない。兄や、父や、職場での怒りを僕にぶつける。でも僕の話は聞かない。聞こうとはしない。僕に興味はないんだと愚痴をこぼすたびに思う。昔は家族の仲もそれなりにいいほうだった。それが崩れたのはその従順ないい子である兄が壊れたからだ。きっとこんなことがいつか起こるのではないだろうかとおそらく皆ひしひし感じていたはずだ。いい子だった兄はその日から荒れ始めた。夜遊びとかはしなかった。ただ部屋にこもり、外に出れば暴言を吐く。母が干渉しすぎたせいだと僕は勝手に思っていたけど実際はわからない。ただ兄は自由になりたかったのだと今は思う。期待されたくなかったのだろう。というより期待に応えたくなかったんじゃないかと僕は思う。僕とは真逆の悩みだ。僕の世界はいやでも家庭に支配されている。帰る場所はやっぱり家だし寝る場所も家だ。今は家にいるしかない。従うしかない。僕は無力だから。家というのはある意味で恐ろしいものになりうるのだ。僕のこの家での生活はまだ終わりそうにない。いつまで続くのだろうか。僕にはわからない。ただ僕は淡々と今までの生活を続けていくだけだ。兄と母の喧嘩で起き、母の愚痴を聞きながら兄の代わりにいい子になる。そんな日々を僕は続ける。

お読みいただきありがとうございます。初めてのものなので至らない点が多いとは思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。ご意見・ご感想などがございましたら是非お願いいたします。

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