1/4
その一
私はメガネでございます
それもとびきり美しい方に使って頂いている
幸せ者でございます
その方は現在高校に通っておられるのですが
私はその方が小学六年生の頃に
メガネ屋にて見初められまして現在に至ります
その方が以前に使われていたメガネ達は
視力が落ちて使えなくなってしまったり
ご兄弟によって壊されてしまったりと
あまり長くは使って頂けなかったのですが
私は気にいってもらえたのか
今も使って頂けております
しかし、そんな私にも悩み事があります
それは、私の主の浮気でございます
最近・・・というか、もうだいぶ前から
主は視力がさらに落ちてきておりまして
以前に眼科に行った時にもうこれ以上はレンズがない
と言われてしまいまして
もう二年ほど前から
コンタクトに変えなくてはいけない状態だったのですが
主はコンタクトに恐怖を持っておられまして
それに、お恥ずかしいながら
「このメガネは私の相棒・・・
というか、体の一部みたいなものだから」
と、仰って頂きまして
これまで何とか生き延びてきました
しかし、主の席は一番前で
黒板から二メートルも離れてはいないのですが
その文字すらも目を細めて見ている状態なのです
そして、ついに目の主治医から
コンタクトに変えたらどうだ？
と、言われてしまいまして
ご両親や周りも賛成なさるので
主が迷っておられるのです
この間もボソッと
「夏休みにコンタクトに変えようかな？」
と仰っているのを聞いてしまいまして
私はとうとう追い詰められてしまいました
果たして私も歴代のメガネ様達のように
なってしまうのでしょうか？
