少女Aが現れた!
俺の名前は藤原 聡太郎。
現在、高校二年生。成績は中の上くらい。中肉中背、眼鏡をかけている。
恋愛経験、無し。とゆうか、興味もない。
趣味は、ゲーム、ネットサーフィン。
どこにでもいる普通の高校生である。
何故こんなあたりまえな事を考えている、と聞かれればこう答える。
――謎の少女(泥棒?)がソファで眠っているからだ。――
家に帰ると、何故か閉めたはずの鍵が開いており、おかしいとは思っていたが、リビングでショートヘアの金髪の少女がソファの上で眠っていた。
人間、落ち着きをなくすと、訳わかんない事を考えるものらしい。
てゆうか、泥棒がソファで寝るか?
「……おい」
呼びかけても女は反応しない。本当に熟睡しているようだ。てゆうか、人の家でくつろぎ過ぎだろ。
「……おい、起きろ」
「すぅ……」
終いにゃ、いびきまでかき始めた。
「おい、起きろっ!」
その女の肩を強く揺すり、頬を軽く叩くと、女は眠そうに頭を挙げる。
「……何なのよ、全く。人が気持ち良く寝てたのに」
「よし、ツッコミたい事は山ほどあるが、まず一つ」
「?」
少女が不思議そうに首を傾げて、俺を見つめる。
――その少女の目は、見とれるほど透き通った碧眼だった。――
「あ 、あんた、ここで何してんだよ?」
「ん……昼寝」
欠伸をしながら女は答えて、また寝ようとする。
「って、寝るなよっ!」
「なんで?」
「何その"訳が分からない"的な目は! お前どう考えても不法侵入だろ! 警察よぶぞ!」
「これ……」
「ん?」
謎の少女がテーブルに置いてあった紙を渡してきた。
「貰った」
「誰に?」
「小百合って人に、"眼鏡を掛けた、ボサボサ頭の男の子に渡して"って」
「ほっとけ!」
その女から、紙を奪い取って、読む。
――聡ちゃーん、元気〜? またしばらく家を空けま~す。留守番よろしく〜!
あ、ちなみにその子は公園のベンチで倒れてて 、あまりに可愛すぎてお持ち帰りしちゃった。テヘッ!
ご飯あげたら、すんごく懐かれちゃって~、今日からここに住む事になったから。よろしく〜!
仲良くね〜。
――小百合より――
「叔母さん軽っ! 帰ってきたのいつだよっ! もう出発したのかよっ! 適当過ぎだろっ! てゆうか、ツッコミ切れねえよ!!」
「……ちょっと君、うるさい、寝れない……」
「そして、すぐ寝ようとすんなやっ! 高燃費かっ!!」
――なんで俺がこんな目に会わなくちゃなんないんだよっ!――
こうして、謎の金髪少女と、俺の同居生活が始まった。