表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

前編

うちの学校は変わってる。それも、かなり。

まず、圧倒的に女子が多い。その比率なんと9対1…つまり9割が女子。


もはや女子校。 え、「羨ましい」だって?

どうやらキミは、群れた女の恐ろしさを知らないようだね。


この学校じゃ、あらゆるルールが女子を中心に回ってる。

挨拶も基本的に男子からだし、女子の命令は絶対。…いったい何度パシらされたことか。


だから俺は決めたんだ。この女子優遇制度を変えてやろうって。

女子と男子の立場を逆転させて、彼女たちに復讐するのさ!


復讐の第一段階として、俺は学校一の権力者、生徒会長に近づいた。

生徒会長は美人だったが、超ど級のSとしても有名で、お気に入りの男子生徒を犬と称し、鞭で引っぱたくのが趣味の変態だった。


俺が女子への復讐を決意したとき、彼女はちょうど、新しい犬を探しているところだった。

前任の男子生徒が、鞭で叩かれすぎたために緊急入院してしまったのである。


そこで俺が新しい犬役に立候補した、というワケ。

俺は前任の彼のためにも、この復讐を絶対に成功させてやると胸に誓った。


その日以来

来る日も来る日も、俺は生徒会長に鞭でしばかれた。

雨の日も風の日も、俺は彼女に調教され続けた……。


そんなある日、彼女はいつもの氷のような冷たい口調で、こう言った。


「おい、豚!(俺は犬から豚に昇格していた) お前は豚のくせに、実によく働くね。 そんな働き豚には、ご褒美をあげなくちゃイケナイよ。 なにか欲しいものはないかい? ほら、ご主人様になんでも言ってごらん!」


ビシッ、彼女の鞭を振るう手に力が入る。叩かれた俺は悲鳴をあげながら、恍惚の表情で答えた。


「は、はひぃぃ、ご、ご主人しゃまぁああ! ぶひぃっ! わ、わ、わたくし、ご主人しゃまと、お、おんなじ…せ、せい…… ぶひぃっ! 生徒会役員に、な…なり…なりたいでございますぅうう!」


獣のように四つんばいになって、よだれをダラダラと垂らしながら哀願する俺……

そのウルウルと潤んだ瞳は、上目遣いで生徒会長の顔を見つめていた。


「うん、いいだろう」彼女はニッコリと満面の笑顔を浮かべる。「ただし条件がある」そう付け加え、無様な俺の姿を指差した。


「絶対に、生徒会室に入ってくるなよ? 会議への参加も認めない。 ご存知のとおり、我が生徒会執行部は男子禁制なんだ。 お前はあくまで、生徒会の豚……つまりペットだ。ペットは人間様の会議が終わるまで、おとなしく外で待ってなさい。 いいわね?」


「はひぃぃぃ、もちろんでございますぅぅぅ…! ぼくちんは生徒会長様のブタでしゅ、ぶひぶひぃぃぃぃいいいいいい」


…こうして俺は学園始まって以来初の男子生徒会役員の座を手に入れた。

全ては計画通り。 ククククク…!もう終わりさ、女子優遇制度も、生徒会長も。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ