解体ショーに集うひとびと
──あらあ、きょうのは大きいわね。あたし百キロくらいいっちゃおうかしら。意外と当たるかもよ。
──あらちょっとおひさ。いやいやいやどうしたの。やだやだ、ほんとおひさしぶり、もうどうしたの。
──あの。押さないでいただけませんか全般的に。あの押さないで。
──お魚さん、痛い痛い。亜美ちゃんこわいこわい。おめめつぶっててもいいのよ。亜美ちゃんやさしいわね。
──すみません、ちょっと押さないでください。ちょっとあの。
──そりゃあ生きている命をいただくんですからね。ええ、ええ。お魚は骨までしっかり食べてますよ。
──いまいち、ぎこちないかな。あの上からの捌きがねえ。本来はああゆう持ち方じゃないんだよ。
──押さないでください押さないでください押さないでください。
──われわれ消費者にも、責任の一端なしとはゆかんだろう。資源には限りがあるとの認識をひとりひとりが持たないとね。
──それもやっぱり政府というか、行政の方でしっかり監視の方をやってもらわなきゃ。
──国民的合意とするためには、やはり草の根レベルから再考する必要があると思うんだよね。
──押さないで……。