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―prologue
パイプイスにひたすら座り続け、もう1時間経つ。
中では退屈、外では緊張という表裏の感情が交差する。
それを正すようにメガネを正す。
体育館の子窓から溢れる日の光がレンズに反射する。
―――現在、僕にとって高校の入学式中だ。
正直あくびをしたいくらい、どうでもいいことだが。
そう。僕にとって中学も小学校も、同じようにどうでもいいものだった。
だからどうせ、高校も変わらないだろう。
テキパキとケジメのある、一人ぼっちの勉強生活が、また始まるだけだ。
いつの日も繰り返し同じ。成績と自分との戦いの日々。
高校の入学式とは、それがあと3年で終わるという儀式。
やはりどうでもいい。
僕は今、そんな儀式の最中に在る。