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第一話「公園のお姉さん」

どうも皆さん魔物。です。


今回は久しぶりにしっかりと内容を書いた短編小説となっております!!

株式会社アルラルや魔物ちゃんに続く少し長めのストーリーとなっており全12話構成となっております!


今回は書いてて結構楽しかったのでちゃんと楽しんでいただけるのでは無いかなと思っております!

リアルタイムで読んでくれてる方は、週1で更新していくので是非とも約三か月の密かなお楽しみとして読んでいただけると幸いです!


~この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません~

 東京都○○区にあるごく一般的な中小企業で事務として働いているこの女。


 27歳、独身。

 彼氏がいた経験――――。 なし。

 仲の良い友人――――。 なし。

 仕事での評価――――....。


「おい!佐圓(さえん)!聞いてるのか!?」


 今日もまた怒られていた....。


「は、はい...。すみません...。」


 佐圓と呼ばれるその女は、しょんぼりとした顔で上司に説教をくらっていた。


「なにが "すみません" だ!!自分がやったことわかってるんだろうな!?」


 内心は『あぁ~。もう帰りたい、あのミス確かに、私だけど、ちゃんと見てない上司だって悪いよね。』とか考えていた。


 そう、この何も持ちえないこの女....。


 この女――佐圓乃子(さえんないこ)には唯一自身の欲望を開放出来る場所があった。


「やぁ...。少年達...。」


 佐圓は、スーツ姿のままで公園にある手すりに腰を掛けてボール遊びをする少年達に声を掛ける。


「わー!!おねーさんだ!!」

「また何か教えてくれるの~??」


 公園で遊んでいた少年少女は声を聞くや否や、佐圓の元へと駆け寄ってくる。

 その際も佐圓の表情は何一つ変わることなく、スカした顔をしていた。


「今日は昨日よりもっと面白い話して~!」


 そう、少年少女は佐圓のその"話"に興味があり駆け寄って来たのだ。


「昨日は"えんぴつは一本で中央線で東京駅から高尾駅まで引ける"って話だったね!」

「だね~。けど私は、おとといの"アニメのア○パ○マンの中身はつぶあん"って話が好きだな~」

「おれはやっぱし、"ドーナツの穴の理由は生地に火を通りやすくするため"が一番!!」


 少年たちは口々に好きな"話"を言い合う。


「待て待て、気持ちはわかるが待つんだ少年。」


 佐圓はフッと笑みを浮かべながら少年少女を制止する。


「今日持って来た"話"はとっておきだぞ!」


 そう言った瞬間、少年少女は目を輝かせ、今にもヒーローショーが始まるのではないかという程の期待感でその"話"を待っていた。


「知ってるか?私たちの地球(ほし)を照らしているあの太陽...。 あれは――」


 ゴクリ。と少年たちの喉が鳴る。


「実は、私たちが見ている太陽は8分19秒前のものなんだぞ。」


 それを言い切るや否や子供たちはドカーンと歓声を上げた。


「すげぇぇ!!」

「じゃぁ偽物ってこと~!!」

「どういうこと~!!!」

「わかんねぇ~!!けどなんかすげぇ!!!」


 子供たちは純粋だった、純粋無垢だった。

 その純粋さを悪用し、佐圓は子供たちに"話"と言って深刻な顔で"雑学"を話すことで沸き立つ歓声と尊敬の言葉を浴びることに浸っていたのだった。


 それも、雑学は全てネットで得た知識ッ!!

 それでも投げかけられる脚光に彼女は"ドヤ顔"で答えていたのだ。


「まぁまぁ、落ち着きたまえ少年らよ。どういうことなのか教えてやろう。」


 そう言って"ドヤ顔"で雑学の内容を話し始めた。


「私たちが日々目にして当たり前としているお天道様こと、太陽だが実は、約1億5000万km離れた場所から時速約30万kmの光速で地球に届いているんだ。これをなんやかんやで計算したときに約8分19秒(499秒)かかっているので、実質的には8分19秒前の姿が見えているってことなんだな。」


 少年少女の頭に少しずつはてなが上がる。

 その雰囲気に佐圓は少し気圧されかける....。数字は子供にはまだ早いらしい。


『くそぉぉ....。めっちゃいい雑学だと思ったのに子供にはちょっと難しすぎたか~!!!どうしよう...。どうにか挽回を...』


 滴る雫が背中をくすぐった、だが、表情は変えず、"凄み"だけでその場を取り持っていた。

 そして、少年たちにバレないように流行りのAIでわかりやすい言い方を検索する。


 ――子供にもわかりやすく例えながら短く――。


「あ、えっと...。よ、要するに!太陽はすごく遠くにあって、光が『よーいドン!』って走ってきても、少年たちのところに届くまでにN○Kとかでやってるショートアニメが見れちゃうぐらい時間がかかるのだよ。だから、もし今、太陽がパッと消えたとしても『暗くなった?』って気づくのは8分後ということになるな。」


 少年達はなんとなく理解したのか再度歓声を上げる。


「おお!!まじか~!!」

「ってことは8分後に太陽が消えてもおかしくないってこと~!?」

「すげぇぇ!!」


 その完成に胸が高鳴り、鼻が少し膨らむ。

 安堵感と高揚感で一気にドーパミンが放出される。


 正直、少年たちはどこまで理解しているのかはわからない。

 だが、良いのだ、佐圓が少年達が満足しているのなら、それでいいのだッ!


「という訳で、少年達よ君たちはまた一段と博識になった。もっと大人になりたくば明日もこの時間にここへ来るんだな....。」


 そう言って佐圓は颯爽と公園を離れていった。


「で、結局どういうこと?」

「今日は難しかったや~」

「今から何して遊ぶ~?」

「今日は塾あるしもう帰る~」


 少年少女にはなにも届いて居なかった――。


 肝心な佐圓というと...。


『あ~今日も気持ちよかった~!!後は、お酒飲んで寝よ~!その前に次の雑学考えときゃな~。』

 

 堂々と胸を張り、意気揚々と帰路についていた。


 27歳独身、佐圓乃子――。

 明日はどんな話をするのだろうか...乞うご期待。


いやぁ~。

これまた変なキャラクターが誕生してしまいましたね....。


佐圓さんと魔物。を、共によろしくお願い致します!

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