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プロローグ
2029年12月24日。
灰色のクリスマス・イブ。
アメリカ、中国、ロシアの代表が同時に
核の発射ボタンに手を掛けていた。
世界は滅亡を一歩手前で回避したが、
その代償に半分が灰になった。
その灰の中から生まれたルールは、
ジャンケンだった。
ジャンケンは唯一、
先制攻撃の優位性を否定するもの。
先に手を出した方が確実に負ける。
そして、子供も大人も平等だ。
これを核に代わる新たな抑止力として、
人類は「新ジャンケン法」を制定した。
10年後、世界は新ジャンケン法に従って、
急速に復旧していた。
争いごとは全てジャンケンで解決。
俺の兄は、その世界で最強だった。
チョキしか出さない伝説。
だが三年前、ゼロと言う男に負けて消えた。
——だから今、俺が立つ。
読んでいただきありがとうございます!
スポーツでも先に点を取れたら有利だし、
戦いでも先制攻撃ができれば一気に有利になる。
でもじゃんけんは違う。
先に手を出したら確実に負ける。
という部分に着想を得て書き始めました。
それでは物語をお楽しみください♪
次回:第1話 チョキしか出さない男




