交差する青春と数式【3】
調査を開始してから数時間が経過した。サーバーの残骸を調べ、周囲の監視カメラの映像を確認していくうちに、何か手がかりをつかむことができるかもしれないと感じ始めた。桜井は冷静に、しかし焦りを隠せずに作業を進めている。
「監視カメラの映像に、サーバーが破壊された時間帯のデータが残っているはずです。」桜井が言った。
俺たちは一緒に映像をチェックしていく。しばらくして、映像に不審な動きを見つけることができた。数人の人物が夜遅くにサーバー室に忍び込んでいる姿が映っており、その人物たちはすぐに映像から消えた。
「ここだ、これが犯人たちの動きだ。」俺が指摘すると、桜井は画面に近づき、さらに詳細に見つめた。
映像には、犯人たちが特定の端末にアクセスし、サーバーのデータを何かしらの方法で転送している様子が映っていた。しかし、映像にはその端末の情報や、犯人たちの顔は映っていなかった。
「ここで何か手がかりになるものが見つからないと、次に進むのは難しいですね。」桜井がつぶやいた。
その時、桜井が目を輝かせた。「待ってください、もしかすると、この映像から犯人たちが使った端末のIPアドレスが特定できるかもしれません。」
俺たちは急いで映像のデータを解析し、端末のIPアドレスを特定しようとした。その過程で、特定のネットワークからのアクセスが頻繁に行われていたことが分かった。ネットワークのプロバイダーに連絡し、さらなる情報を求めることにした。
「このネットワークは…」桜井が言った。「もしかすると、近隣の研究施設か、どこかの大学のネットワークかもしれません。」
俺たちは桜井と共に、次のステップとしてそのネットワークの調査を進めることに決めた。もしもこのネットワークが特定の研究施設や大学と関連しているなら、犯人たちの追跡に近づくことができるかもしれない。
「まだ長い道のりかもしれませんが、一緒にこの問題を解決しましょう。」俺は桜井に約束した。
桜井は力強く頷き、俺たちは次の手がかりを追い求めて、調査を続けることにした。