紫花の刀
矢藤家主将と天一さんの動きは、超次元眼と悠久眼を駆使しても、追いきれるかどうかというレベルの猛スピードだった。戦いが始まると、彼らの動きはまるで空間を引き裂くように、瞬時にして位置を変える。そのスピードと力に圧倒されるばかりだった。
俺は超次元眼と悠久眼を駆使しながらも、矢藤家主将の一瞬の動きに必死についていくのが精一杯だった。彼の動きは予測不能で、目で追うのが困難なほどだった。だが、その一方で、天一さんは次元眼だけで矢藤家主将と互角以上に戦っていた。天一さんの動きは、まるで時空を自在に操るような感覚で、矢藤家主将と拮抗していた。
その光景を目の当たりにし、天一さんが持つ次元眼の力を改めて実感した。彼は目に見えないほどの速さで攻撃をかわし、反撃を繰り出していた。私の超次元眼と悠久眼の力を持ってしても、天一さんの戦いのスピードと技術には驚嘆するばかりだった。天一さんが放つ一撃一撃は、矢藤家主将の動きに負けず劣らず、そしてそれ以上の力強さを持っていた。
この壮絶な戦いの中で、天一さんの真の実力を目の当たりにし、その強さと決意に感銘を受けた。天一さんが戦う姿は、まさに次元を超越した戦士の姿であり、彼の持つ次元眼の力を余すことなく発揮していた。
矢藤家主将は息を荒くしながらも、冷静に戦場を見渡していた。彼の刀は、先ほどの激闘で折れてしまっていたが、その眼差しにはまだ強い意志が宿っていた。
矢藤家主将「流石だな」
彼の声には、どこか賞賛と悔しさが混じっていた。次の瞬間、彼は素早く動きながら新たな刀を取り出した。その刀は、これまでのものとは明らかに違う雰囲気を放っていた。刀身は漆黒で、鋭さを増しているように見えた。
矢藤家主将「この刀は紫花だ、紫桜を原料としている」
矢藤家主将はそう宣言し、その刀を空中に掲げた。紫桜を原料にしたこの刀は、その名の通り、紫色に輝き、どこか神秘的な雰囲気を纏っていた。紫花の刀身には微細な紫色の光が宿り、その刃は光を受けて神々しく輝いていた。
この新たな刀は、これまでの戦いとは比較にならないほどの威力を持つように感じられた。矢藤家主将が本気を出すとき、その力の源となるこの刀がどれほどの威力を発揮するのか、戦場の空気が一変するのが感じられた。
天一さんと俺は、その刀が放つ気配に身構えながらも、緊張感を高めていた。これからの戦いが、ただの戦闘以上のものになることは明らかだった。