終末の男【2】
悠真は痛みと驚愕の中で、終末の男に問いかけた。
悠真「なぜ私を…」
終末の男は冷静に答えた。
終末の男「悠真くん、君はとてもいい働きをした。君が引き起こした混乱と破壊は、全て計画通りだった。」
悠真の目に恐怖と困惑が浮かぶ中、終末の男はさらに説明を続ける。
終末の男「君の行動によって世界は変わり、多くの人々の運命が動かされた。それが私の目的だった。君の役目は終わり、次のステップへと進む時が来た。」
悠真は力なくその言葉を聞きながら、自らの行いがただの駒であったことを理解するしかなかった。終末の男の言葉が彼の運命を決定づけ、物語は新たな局面を迎えようとしていた。
佐藤は終末の男の言葉に困惑しながらも、冷静に問いかけた。
佐藤「お前の目的はなんだ…」
終末の男は無表情で答えた。
終末の男「僕の目的は、この宇宙、いや、宇宙を創造した神をこの手で破壊することだ。」
その言葉に、佐藤は一瞬言葉を失った。終末の男が語る目的はあまりにも壮大で、彼の理解を超えていた。
終末の男「君もよく知っているだろう。神の存在はこの世界に絶対的な力をもたらし、支配している。その支配から解放するためには、まずその源である神を打倒する必要がある。」
佐藤はその言葉を反芻しながら、自分の役割と未来の選択について考えを巡らせた。宇宙の創造者を破壊するという計画の全貌と、それがもたらす結果に思いを馳せる中で、次に何をすべきかを考えなければならなかった。
佐藤は終末の男の言葉に耳を傾け、疑問を感じた。
佐藤「まだあれを持っていない？」
終末の男は深く息を吸い込み、説明を続けた。
終末の男「そう、僕の計画を完全に遂行するためには、ある重要なアイテムが必要だ。それは『神の鍵』と呼ばれるもので、この宇宙の支配を覆すための決定的な力を持っている。」
佐藤はその「神の鍵」についての詳細を尋ねる前に、自分自身と仲間たちの状況を考えた。もしその「神の鍵」が本当に存在するなら、それを手に入れることで終末の男の計画が現実となる可能性がある。
終末の男は、佐藤の考えを察したように話を続けた。
終末の男「君もその存在を知るべきだ。『神の鍵』はこの宇宙の深層に埋もれており、見つけるのは容易ではない。しかし、それを持つ者が新たな宇宙を創造し、旧き支配者を打倒することができる。」
佐藤は、終末の男の目的を阻止するために、そして自分の証明を完了させるために、この「神の鍵」を探し、確保しなければならないと心に誓った。
佐藤は決意を込めて言った。
佐藤「それは俺が先に手に入れる」
終末の男は冷ややかな笑みを浮かべた。
終末の男「君がそう言うのは面白い。しかし、そのためには多くの困難を乗り越えなければならない。『神の鍵』はただの物理的なアイテムではなく、強い意志と知識が必要だ。」
佐藤はその言葉に強い決意を抱きながら、終末の男の前に立ち上がった。彼の心には、悠真の犠牲を無駄にしないために、そして世界の平和を取り戻すために何としても「神の鍵」を手に入れなければならないという使命感が芽生えていた。
終末の男はゆっくりと去り際に、佐藤に一瞥をくれた。
終末の男「君がその「神の鍵」を見つけられるかどうかは君次第だ。それができれば、君はこの宇宙の運命を変える力を手に入れるだろう。」
佐藤はその言葉を胸に刻み、終末の男が去った後、次に何をすべきかを考えながら、自らの使命に向けて行動を開始した。
終末の男は冷静な声で言った。
終末の男「一旦、ここはお開きにしようか」
その言葉と同時に、周囲の空気が急激に変わり、終末の男の周囲に強い力場が現れた。佐藤や公安の男たちはその力場に圧倒され、一時的に動きを封じられた。
公安の男は怒りと焦燥の入り混じった声で叫んだ。
公安の男「させるかぁ！」
彼は力を振り絞り、終末の男に対抗しようとしたが、力場に阻まれてなかなか前に進むことができなかった。佐藤もその状況を見て、どうにかしてこの場を打破しなければと必死に考えた。
終末の男はその冷徹な眼差しで、公安の男たちと佐藤を一瞥しながら、ゆっくりと消えていった。その姿が完全に消えると、力場も徐々に消失し、周囲の静寂が戻った。
佐藤はその後、自分の状況を整理しながら、何としても終末の男が言った「神の鍵」を見つける決意を新たにした。公安の男たちも一息つく暇もなく、再び動き出さなければならない状況に直面していた。
