証明者
悠真が冷徹な表情を浮かべ、指輪を掲げた。その指輪から放たれる光が、まるで世界を覆い尽くすかのように強烈だった。光は空に向かって放射され、天から再び強い輝きが降り注いだ。悠真の決意が具現化されたその瞬間、光は四方八方へと広がり、周囲の景色を白く染め上げた。
その光は、まるで天の怒りを示すかのような圧倒的なエネルギーを放ち、周囲の空気が震える音を立てた。光が地平線まで広がる中、俺はその光景に呆然とし、体の力が抜けていくのを感じた。悠真の力が、どれほどの破壊をもたらすのか、俺はまるで目の前に迫る終焉を感じ取っていた。
光が強くなり、周囲の世界が徐々に消えていく。悠真の姿が光の中でぼやけ、彼の冷酷な言葉が耳に響いた。その言葉とともに、俺の体は再び強烈な光に包まれ、意識がさらに遠のいていくのが分かった。
「終わりにしよう」とつぶやく悠真の声が、まるで最後の決定打のように響き渡り、その瞬間、すべてが光の中に飲み込まれた。俺はその圧倒的な光景の中で、ただただ無力感に包まれながら、何もできずに終わりを迎えるだけだった。
限界が来たようだ。公安の人たちは必死になって悠真の暴走を止めようと奮闘しているが、その光の圧力と威力に押しつぶされるばかりで、状況はますます悪化していった。俺はその激しい光に耐え切れず、徐々に意識が遠のいていった。
やがて、俺の視界は暗くなり、体の力が抜けていく感覚が広がった。意識が完全に途切れた瞬間、何も見えない世界に包まれた。
「おい、起きろ秀一」と、俺を呼びかける声が聞こえた。耳に届くその声は、どこか懐かしく、しかしどこか異次元からの呼びかけのように感じられた。目を開けようとするが、重いまぶたがなかなか上がらない。
「秀一、起きろ！ここで終わらせるわけにはいかない！」その声はますます切迫したものになり、俺の体に力を取り戻させようとする意志が伝わってきた。声の主が誰なのかはまだ分からないが、その必死な呼びかけが徐々に俺の意識を現実へと引き戻していく。
やがて、少しずつ視界が戻り、意識が鮮明になっていく。俺はその呼びかけに応えようとするが、体の動きが鈍く、まだ完全に復帰したわけではない。悠真との戦いが続く中で、自分の力を取り戻さなければならないという現実を痛感しながら、必死で意識を集中させようとした。
佐藤は、意識が戻ると共に、再び立ち上がりながら悠真に向かって力強く言った。
「お前を止めるまで、まだ証明ができないから！」
その言葉には、決して諦めない強い意志が込められていた。体はまだ完全に回復していないものの、心の中で燃えるような信念が佐藤を支えていた。悠真に向かって進む気持ちは揺るがず、彼の存在がもたらす脅威を打破するために全力を尽くす覚悟が見えた。
