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カフェへ
村田達はエコオの講義が終わると、多目的ホールの大きな扉を通って外に出た。
彼らの周りには、同じく講義を受けた他の参加者たちが、話しながら散っていく様子が見られた。
「午後は5～6人のグループに分かれて実際に魔法を使うみたいだ。俺は参加しない方がいいか..」
村田は少し残念そうに言いながらも、自分の役割を理解しているようだった。
「そっか。シュン魔力無いもんね」
とライトは明るく笑いながら応じたが、その言葉には子供特有の無邪気さがあった。
「悪気が無いのはわかるが、もう少しオブラートになぁ..」
村田は苦笑いをしながら言葉を続け、
「あとケイラの容態も見ておきたい、午後は一人で参加できるか？」
と気遣いながら尋ねた。
「わかった！」
とライトは元気よく答え、自身の新たな挑戦に対する期待を隠せない様子だった。
「講師の人の言う事ちゃんと聞くんだぞ、終了時間になったら迎えに来るからな」
と、村田はライトを見送りながら、父親のような心配を隠せずに言葉を残した。
その後、村田はライトと別れてケラプのカフェに戻る道を歩き始めた。
彼の一歩一歩にはケイラへの心配とライトへの信頼が混じり合っていた。
カフェのドアを開けると、予想外の光景に目を丸くした。
客席はほとんど空で、ただ一人、アップルパイに舌鼓を打っている女性がいた。
その女性がドアの開く音に反応して顔を向けたのは、驚くべきことにケイラだった。
彼女は村田を見て一瞬で驚きの表情を浮かべた。
